System Monitoring Column ＜システム監視コラム＞Pandora FMS Enterprise の機能紹介 – ポリシー

Pandora FMS の Enterprise 版(商用版)には、大規模システムの監視に便利な機能が多数搭載されています。本稿では、この中からポリシーについて、紹介します。 開発元のドキュメントでは、以下のページに相当する部分です。
http://wiki.pandorafms.com/index.php?title=Pandora:Documentation_ja:Policy

ポリシーとは

Pandora FMS Enterprise には、管理コンソールからソフトウエアエージェントを設定できる機能(remote_config)や、任意のファイル群をソフトウエアエージェント経由でエージェント(監視対象サーバー)に配布するファイルコレクションがあります。
これらの機能に加え、モジュール(監視/情報収集項目)やアラート(メール通知等)を一つにまとめて、エージェントに適用する機能を、Pandora FMS ではポリシーと定義しています。

ZABBIX のテンプレートと同じような機能です。

ポリシーを使うメリット

監視項目やアラートを一元管理することができます。
監視項目やアラートをポリシーで定義してエージェントへ適用することで、一元管理することができます。設定変更の都度、対象サーバーへログインし、設定ファイルを変更し、ソフトウエアエージェントを再起動する手間が省けるとともに、些細な設定ミスを回避することができます。

同一のポリシーを、複数のエージェントに適用することができます。
httpd プロセス数や 80 番ポートへの応答、server-status から得られた現在の接続数などを Web サーバー用のポリシーとして定義し、それを手元の Web サーバーすべてに適用することで、Web サービスの監視を始めることができます。

複数のポリシーを、同一のエージェントに適用することができます。
ping 監視用のポリシー、CPU やメモリの使用量を監視する Linux サーバー用のポリシーと、上記で定義した Web サーバー用のポリシーを、同一のエージェントに適用できます。
さらに mysqld プロセス数や 3306 版ポートへの応答などを MySQL サーバー用のポリシーとして作成し、上記 ping 監視用のポリシーと Linux サーバー用のポリシーを合わせて、データベースサーバーへ適用することで、データベースサーバーの監視を始めることができます。
またハードディスクの状態など、対象サーバーごとに違う部分だけを別のポリシーとして切り出すことも可能です。

ポリシー利用時の制約

デメリットというよりは、ポリシーにはこのような制約があるので、これを踏まえてポリシーを作成してください、という内容です。

作成したポリシーのうち、一部の項目だけを適用/適用除外することができない。
たとえば Linux サーバー用のポリシーを適用する場合、特定サーバーだけアラート通知先を変えたり、監視対象の CPU 数を増やしたり、ロードアベレージの障害閾値を変えることはできません。
要件を個別に変える必要がある場合、それぞれ個別のポリシーを作成してください。

ポリシーを階層的に適用することができない。
ping 監視用のポリシーを適用していないエージェントに対しては、Linux サーバー用のポリシーを適用できない。あるいは Linux サーバー用のポリシーを適用したエージェントに対してのみ、Web サーバー用のポリシーを適用できる。というような、ポリシーを階層的に適用することができません。

作成したポリシーは、他の監視サーバーへ移行できません。
本記事執筆現時点の Pandora FMS Enterprise v6.0SP3 では、ポリシー一覧の画面でファイルを読み込むメニューが表示されていますが、読み込めるファイルは用意されていません。また、作成したポリシーをファイルに書き出すボタンがありません。メニューがあることから、将来的にはポリシーの書き出しや読み込みができると思います。機能実装まで、しばらくお待ちください。