System Monitoring Column <システム監視コラム>

Pandora FMS Enterprise

Category: 監視ツール編

2016.09.30

統合監視ツールである Pandora FMS では、さまざまなサーバやネットワーク機器を柔軟に監視することができます。

スイッチやルータといったネットワーク機器を監視対象とする場面も多いかと思いますが、Pandora FMS を使われている方は、どのような手順で監視設定をされてるでしょうか。

ネットワーク機器のさまざまなステータスを監視したりトラフィックデータなどを取集する場合、サーバと違って監視エージェントをインストールすることができませんので、一般にSNMPを利用することになります。スイッチの各ポートの up/down を監視したいという場面も多いかと思いますが、例えば48ポートスイッチは一つ一つ各ポートの監視設定をするのは気が遠くなりそうですね。

このような監視設定を簡単かつ楽に行う機能が Pandora FMS には備わっています。「SNMPウィザード」という機能で、snmpwalk で取得した情報をもとに、監視項目(Pandora FMS ではモジュールといいます)を一括登録できます。公式ドキュメントでは、さらっと説明されておりさほど深くは説明されていない機能なのですが、実はとっても便利なので紹介したいと思います。

なお、説明の中の画面キャプチャは弊社サービスである Pandora FMS Enterprise SaaS (Pandora FMS 6.0SP3 ベース) のものですが、本機能はOSS版の Pandora FMS でも利用できます。

「SNMPウィザード」を使った監視設定方法

監視項目(モジュール)の登録

以下の機器のネットワークインタフェースの各ポートの up/down 監視とトラフィックデータの収集設定をやってみます。

  • Cisco Catalyst 2960-S
  • YAMAHA RTX1210

まずは、監視対象としてエージェント登録を行います。Pandora FMS のコンソールで、「エージェント管理」を選択します。

snmp1

次の画面で、「エージェント作成」をクリックします。

snmp2

エージェントの基本的な情報を入力する画面が表示されるので、エージェント名やIPアドレス等の必要事項を入力し、「作成」をクリックします。以下の例では、Cisco Catalyst2960-S を c2960-s というエージェント名で登録しています。

snmp3

ここまでは、一つ一つ監視項目を追加していく場合と手順は変わりません。ここから先が、一気に複数のインタフェースを監視対象として追加する場合の操作です。

エージェントの作成を行うと、右上にそのエージェントに対するさまざまな操作を行うアイコンが並んでいますが、その中に「SNMPウィザード」が存在します。「SNMPウィザード」はその中にまたいくつか選択肢がありますが、ここでは「SNMPインタフェースウィザード」を選択します。

snmp4

SNMPインタフェースウィザードの画面が表示されるので、まずは「snmpwalk」をクリックしてsnmpwalkを実行します(1)。

すると、”インタフェース” の部分に対象機器のネットワークインタフェース一覧が表示されます。ここで、監視や情報収集対象としたいインタフェースを選択すると(2)、そのインタフェースで情報取得可能なもの一覧が “モジュール” の部分に表示されます。今回はインタフェースの up/down ステータスの監視と、トラフィックデータの収集を行う想定で、以下の3つを選択しました(3)。

  • ifOperStatus (※1)
  • ifHCInOctets (※2)
  • ifHCOutOctets (※2)

※1 画面サイズの都合上表示されていませんが、選択しています。

※2 トラフィックを取得するMIBとしては、ifInOctetsやifOutOctetsも選択可能ですが、こちらは 32bit のカウンタとなっているためトラフィックが多いGbit 以上のインタフェースではすぐにカウンタが一周してしまいます。今回例としてあげている Catalyst 2960-S など、ifHCInOctets/ifHCOutOctets (64ビットカウンタ)をサポートしている機器であれば、こちらを利用すると良いでしょう。なお、これらは SNMPv1 では取得できませんので v2c 以上で snmpwalk を実行する必要があります。

そして最後に「モジュール作成」をクリックします(4)。

snmp5

同様の操作を YAMAHA RTX1210 に対して行った場合の例は以下の通りです。表示されているインタフェースがCatalystの場合と異なるのがわるかと思います。このようにその対象機器が持っている情報が反映されます。

snmp8

正常にモジュールが作成されると元の画面に戻り「成功」と表示されます。作成されたモジュールを確認するために、右上の表示アイコン(目のマーク)をクリックします。

snmp6

次のように、モジュールが自動的に作成されていることが確認できます。

snmp7

ifOperStatus は、boolean型のモジュールとして登録されるため、閾値を設定する必要はなく、自動的にリンクアップしているインタフェースは正常状態、リンクダウンしているインタフェースは障害状態として表示されるようになります。

ifHCInOctets/ifHCOutOctets については、カウンタ型のモジュールとして登録されます。閾値を設定することもできますし、もちろん、グラフ表示をすることもできます。(以下は、「表示」→「エージェント詳細」から、今回登録したエージェント c2960-s を選択した画面例)

snmp11

障害通知設定

あとは、障害検知時にメール通知等のアクションを設定すれば監視設定完了です。障害通知設定に関しても一つ一つ実施することはできますが、ポート数の多いスイッチでは、やはり複数一気に設定したいところです。それには以下のように「一括操作」の「アラート操作」機能を使うと便利です。

snmp9

アラート操作を選択すると次のような画面が表示されますので、障害通知したいエージェントとモジュール(この場合はifOperStatus)に対して、事前に定義しておいたアラートアクションを設定し、「追加」をクリックすれば完了です。

snmp10

本コラムは「SNMPウィザード」の紹介でしたので、ここではアラート機能に関する詳細説明は割愛しますが、アラート機能に関してより詳細を確認したい方は「公式ドキュメント」を参照すると良いでしょう。

まとめ

今回は、公式ドキュメントにさほど詳しくは書いていない & メニューもさほど目立つ場所にない機能ですが、実はとても便利な機能である「SNMPウィザード」を取り上げてみました。

ネットワーク機器のネットワークインタフェースのポート監視設定は面倒だなと思っていた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。この機能を使えば、面倒なことは無いと感じられると思います。

ぜひ、試してみてください。

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