目次
Azure Spring Apps の概要、機能、メリット、ベストプラクティスについて解説
近年、クラウドコンピューティングがますます普及し、多くの企業がクラウドサービスを利用しています。 Microsoft Azure は、世界中で広く利用されているクラウドサービスの一つであり、開発者に向けても様々なサービスを提供しています。
中でも Azure Spring Apps は、 Spring アプリケーションを簡単かつ迅速にデプロイできるサービスとして注目を集めています。本記事では、 Azure Spring Apps の概要、機能、メリット、ベストプラクティスについて解説します。
1. Azure Spring Apps とは
Azure Spring Apps は、 Spring アプリケーションを簡単かつ迅速にデプロイできるサービスです。では 前提となる Spring アプリケーションとは何でしょうか?
Spring アプリケーションとは
Spring アプリケーションとは、 Java プログラミング言語で開発されたアプリケーションの一種で、 Spring Framework を使って開発されたアプリケーションです。企業向けのアプリケーション開発において広く利用されているフレームワークです。
また、 Spring Boot というツールを使うことで、 Spring アプリケーションの構築をより簡単に行うことができます。このような特徴から Spring アプリケーションは、高い生産性と拡張性を持ち、多数の開発者に支持されています。
Spring Bootとは
Spring Boot は、 Java アプリケーションを迅速かつ簡単に開発することを可能にする自己完結型のプログラミングモデルであり、 Web アプリケーションを効率的に開発するための強力なツールです。
Spring Boot は、構成やセキュリティ、ログ、データベースなど、多くの一般的なタスクを自動化することにより、開発者がアプリケーションのロジックに集中でき、アプリケーションのプロトタイプを素早く作成し、効率的な開発プロセスを実現します。
Spring Boot は、 Web アプリケーションを作成するための豊富なライブラリや便利な機能を提供しています。これにより、開発者はセキュリティ、トランザクション管理、メッセージング、バッチ処理などのアプリケーション機能を簡単に実装することができます。

図版出典:DevOps Hub
Azure Spring Apps の概要
Azure Spring Appsは、 Spring Framework を利用する Java アプリケーションのデプロイ、管理、スケールアップを簡単かつ効率的に行うための強力なマネージドサービスです。Spring Boot のような、Spring Framework をサポートするさまざまな機能を提供しています。
さらに Azure の強力な管理ツールや監視ツールを利用することができるため、アプリケーションの可用性、パフォーマンス、セキュリティを維持することが容易になります。
Azure Spring Apps のメリット
Azure Spring Apps にアプリケーションをデプロイすることで既存の Spring アプリケーションを効率的に移行し、クラウドのスケーリングとコストメリットを得ることができます。
開発者は Azure Spring Apps のパターンを使用してアプリを最新化することで、俊敏性を向上することができます。アプリケーションのデプロイやスケールアップ、パフォーマンスの最適化、セキュリティなどの問題に対処することができます。
さらに Azure Spring Apps は、 Docker コンテナによるデプロイをサポートしているため、アプリケーションの移植性や拡張性を向上させることができます。

図版出典:Microsoft公式サイト
- ※1 参考記事:
- Azure Spring Apps とは
2. Azure Spring Appsの機能
Azure Spring Apps の主な機能を解説します。
マネージドインフラストラクチャ
Azure Spring Apps は、自動的に拡張される Azure の高可用性インフラストラクチャ上に構築されています。開発者はクラウドインフラストラクチャのメリットを活かせるため、アプリケーションのスケーリングや可用性に関する問題を心配することなく、アプリケーションの開発に集中することができます。
自動スケーリング
Azure Spring Apps は、自動的にアプリケーションのスケーリングを行うため、アプリケーションの負荷に応じてリソースを追加することができます。これにより、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを最適化することができます。
セキュリティ
Azure Spring Apps は、 Azure Active Directory を利用した認証や、 Azure Key Vault を利用したシークレット管理など、高度なセキュリティ機能を提供しています。これにより、アプリケーションのセキュリティを確保することができます。
デプロイメントオプション
Azure Spring Apps は、 Docker コンテナや WAR ファイルのデプロイメントなど、複数のデプロイメントオプションを提供しています。これにより、開発者は、異なる環境でアプリケーションを簡単に展開することができます。
ログと監視
Azure Spring Apps は、 Azure Monitor を利用したログと監視機能を提供しています。これにより、アプリケーションのパフォーマンスと可用性を監視し、問題が発生した場合にはすばやく対処することができます。
以上のような機能を中心に、 Azure Spring Apps は、 Spring アプリケーションのデプロイ、管理、スケールアップを簡単かつ効率的に行うための強力なマネージドサービスです。

図版出典:Microsoft公式サイト
3. Azure Spring Appsの利用プラン
Azure Spring Apps は、アプリケーションを実行するための仮想マシンを提供し、利用時間に応じ、料金が発生します。また Azure Spring Apps が利用する他の Azure リソース、例えば Azure Application Insights などの利用料金が発生する場合があります。
Azure Spring Apps には、 Basic 、 Standard 、 Enterprise 、 Standard Consumption のプランが存在します。プランによって提供される機能、性能、料金が異なり、組み合わせて利用することができます。
Basic プラン
試用や個人での 開発テスト用に推奨されるプランです。インスタンスごとに、4 GB のメモリと 2 vCPU が含まれる「 Basic vCPU とメモリ グループ期間」に対して課金されます。容量のいずれか、または両方を超えた場合は、実際の追加使用量に対して課金されます。最初の 50 vCPU 時間と 100 メモリ GB 時間は毎月無料です。
Standard プラン
汎用的な運用ワークロード用で推奨されるプランです。インスタンスごとに、12 GB のメモリと 6 個の vCPU を含む 1 つの 「 Standard vCPU とメモリ グループ期間」 に対して課金されます。容量のいずれかまたは両方を超えた場合は、実際の追加使用量に対して課金されます。最初の 50 vCPU 時間と 100 メモリ GB 時間は毎月無料です。
Enterprise プラン
ミッション クリティカルなワークロードの場合に推奨されるプランです。インスタンスごとに、12 GB のメモリと 6 個の vCPU を含む 1 つの 「 Enterprise vCPU とメモリ グループ期間」に対して課金されます。容量のいずれか、または両方を超えた場合は、実際の追加使用量に対して課金されます。最初の 50 vCPU 時間と 100 メモリ GB 時間は毎月無料です。
Standard Consumption プラン
インスタンスごとに、 vCPU などのリソース割り当て、アプリへのクエリ、イベントに対して課金されるプランです。インスタンス、アプリケーションは、要求とイベントに基づいてオンデマンドでスケーリングされ、実行中にアクティブな使用状況に対して課金されます。
アプリケーションがゼロにスケーリングされている場合、使用料金は適用されず、使用料金は適用されません。必要に応じて、アイドルモードで常に実行されるアプリ、インスタンスを、 Standard Consumption プランで構成できます。最初の 50 vCPU 時間、100 メモリ GB 時間、200 万件の要求は毎月無料です。
本記事で紹介した Azure Spring Apps の利用プランついて詳細な料金や要件は、 Microsoft の公式サイトでご確認ください。
- ※2 参考記事:
- Azure Spring Apps の価格
4.まとめ
Azure Spring Apps は、 Spring Boot アプリケーションを簡単にAzureにデプロイでき、 Java プログラマーにとって非常に便利なサービスです。 Azure Spring Apps の主なメリットには、高可用性、自動スケーリング、継続的デプロイメント、およびセキュリティ機能が含まれます。
また、利用用途に応じて Basic 、 Standard 、 Enterprise 、に加え従量制課金プランもあり、柔軟に使いうことが可能です。 Java 開発者にとって非常に魅力的なオプションであり、 Azure 上で Spring Boot アプリケーションをデプロイする際の検討をお勧めします。また自社での導入や利用を難しく感じられる場合、専門家の支援もご検討ください。
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Tag: Azure Spring Apps
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