株式会社デンソークリエイトは、1991 年に自動車部品最大手であるデンソーのエレクトロニクス開発部門から分離独立し、ソフトウェア技術でクルマの未来を創造する会社として設立されました。自動車業界では、これまでのエンジンやタイヤ、電気自動車といったハードウェアだけではなく、自動運転やインターネットと接続して利便性や安全性を高めるコネクティッド・カーなど、ソフトウェアの改革も求められています。同社は、車載ソフトウェア開発に対する高い専門性を活かして、研究開発や先行開発、開発支援を行えるソフトウェアの開発、ひと、もの、しくみの教育・整備に力を入れている会社です。
目次
株式会社デンソークリエイト 導入事例の詳細
【取材対応】
株式会社デンソークリエイト
イオタ推進部 ALMグループ
シニアマネージャ 仲井 郁人様(写真右)
株式会社デンソークリエイト
イオタ推進部 ALMグループ
準スペシャリスト 山田 公次様(写真右から2 人目)
株式会社デンソークリエイト
イオタ推進部 ALM グループ
チーフマネージャー 山中 信岳様(写真左から2 人目)
株式会社アールワークス
営業部
竹川(写真左)
1. 概要
お客様システムのクラウド移行、運用監視体制を支援いたしました
ご担当の業務と、弊社サービスをご採用いただいた経緯をお聞かせください。
当社はデンソーグループの中で、ソフトウェア開発現場のQCD 向上に貢献する技術をデンソーグループひいては自動車業界のお客様にご提供しています。
更に、市販事業としてソフトウェア開発のQCD 向上を目的としたWeb アプリケーション・ソフトウェア製品の開発・販売を行っており、自動車業界に限らず幅広い業界のお客様にご利用いただいております。
今回は、これまでオンプレミスで提供してきた工数管理・プロジェクト管理ツールをSaaS 化しようと考え、支援していただける会社を探しておりました。
当ツールの特徴は、作業者自身の工数をスピーディに入力できるほか、設計や開発・テストなどの工程の進捗状況を可視化でき、工数やタスク・課題の完了状況を分析するツールも豊富に揃えていることです。そのため、お客様はプロジェクトの状況を一目で確認することができます。
上記の特徴が受け入れられ、これまで多くのお客様に当ツールをご利用いただきました。しかし、クラウド化の動きが世間的に広まるなか、当社のお客様からもクラウド対応を求める声が多く上がるようになりました。
そこで当ツールのSaaS 化を進めようと、プロジェクトの立ち上げを検討しました。
しかし、当社はクラウドに対する知見がそこまで深くなく、構築はできるものの、特にセキュリティや監視、運用方法に関してはスキル不足など多くの課題があったのです。
また、今回採用したMicrosoft Azure を導入してもらえるMicrosoft 社とのコミュニケーションにおいても、クラウドに対する知見を持っている社員がいないことが課題でした。
そこで、当社の移行チームに対してシステム構築支援・コンサルティング、Microsoft 社とのコミュニケーションサポートを行ってもらうため、アールワークスさんにお声がけしました。
2. 選定理由
PoC の支援も行い、運用・監視プロセスまで全体感をもって支援することが可能です
弊社を選んだポイントはどのようなところでしょうか。
SaaS への乗せ換えは当社で対応できるため、当社にノウハウがないクラウドおよび運用・監視プロセスに関して支援していただける会社を探しておりました。選定の際に重視したのが、以下の条件を満たしていることです。
- 1. PoC を通じて、監視や運用プロセスに対して適切に助言をしてくれること
当社は特に監視や運用の知見がなく、何をどのような基準で監視をすれば良いかが不明確でした。サービス提供の安定化を迅速に行うためにも、監視・運用プロセスの構築と、監視基準を明確化できるような知見を持っている会社が理想でした。 - 2. Microsoft Azure に対する知見が十分にあり、Microsoft 社とのコミュニケーションが取れること
Microsoft Azure の導入は、技術要件から決まっていたことです。しかし、当社はAzure の利用経験がなく、既存の業務知識から利用やサービスの構築はできるものの、Azure の知識が十分ではないため、Azure の構築およびMicrosoft 社とのコミュニケーションにおいては不安がありました。そこで、Azure に対して十分な知見がある会社を探しておりました。 - 3. Microsoft Azure の監視設定や、24 時間365 日の監視・障害対応をアウトソースできること
Microsoft Azure の監視・障害対応に関しては当社にノウハウがなく、まずはアウトソースする想定でした。アウトソースをしていくなかで、当社の担当者が徐々にスキルをつけていければと考えています。
様々な企業を検討しましたが、上記すべての条件を満たしているのがアールワークスさんでした。さらにアールワークスさんは、コンサルティングも行えるとのことで、プロジェクトにマッチしていると感じました。
アールワークスさんは、運用作業において固定金額でなく、依頼した分のみの従量課金であるバウチャー制のオプションが用意されていて、将来的なオプションプランの導入や監視ツールのPandora FMS の開発パートナーであることをホームページでも掲載されていて、技術力があると思えたことも判断のポイントでした。
しかし最終的な決め手となったのは、当社の個別の要望に対して、「一緒にプロジェクトを成功させましょう」というアールワークスさんの一声でした。
サービス内容のみならずホームページの情報や担当者の人柄も総合的に判断しお願いすることに決めました。
3. 検討と成果
クラウドサービスの運用・監視の対応方法をお客様に丁寧に共有いたします
実際に弊社にご依頼してみて感じたことを教えてください。
アールワークスさんに参画していただいた後、まずAzure で本当によいのかを確認いたしました。当社では、Azure でなければ対応できない認識でしたが、知識不足を感じていたため、改めてアールワークスさんに見ていただきたかったのです。
明確にお墨付きをもらえたため、安心して後続の作業を進めることができました。Microsoft 社ともアールワークスさんが中心となってコミュニケーションをとり、当社の知識が不足している部分を補っていただいたことで、Azure の構築を迅速に進められました。それにより、余裕をもったSaaS への移行スケジュールを立てられたため大変感謝しております。
また、監視プロセス、運用プロセスの検討においてはPoC とともに実施していただき、ビルド、テスト、デプロイといった一連のプロセスを、当社が作成したパイプラインを用いて実際の運用作業が可能であることを確認できました。
迅速に体制を構築できたのは、アールワークスさんからの運用・監視プロセスに関する多くのアドバイスと、運用・監視システムの提供があったからです。
アールワークスさんのおかげで、Azure および運用・監視プロセスにおいて、多くの知見を得ることができました。
特に運用・監視プロセスにおいては、当初の計画(2 年)よりもかなり早く、わずか1 年未満で仕組みと手順を構築できたことに感激しております。
現在は、当社のカスタマーサクセス部門のエンジニアが、アールワークスさんの監視対応や障害対応の内容を確認することで、クラウドサービスの運用監視・障害対応に関する知識を深めています。
アールワークスへのご要望があれば教えてください。
今回のプロジェクトでは、コロナの影響でサービス展開が遅れていることもあり、無料クラウド体験版のローンチとなりました。
スケジュール通りにスタートを切ることができ、安定して稼働ができているものの、運用・監視プロセスに関しては、これから改善活動を行っていく段階です。この改善活動も、アールワークスさんと一緒に取り組んでいきたいと考えております。
また最終的に2024 年ごろには、小中規模のユーザ様を主なターゲットとする有償クラウドサービスの立ち上げを予定しています。
クラウドサービス運営におけるマネージドサービスやリリース前のサービスの脆弱性診断など、セキュリティに関してもアールワークスさんに相談していきたい
です。
お客様プロフィール
株式会社デンソークリエイト
所在地(本社):〒460-0003 名古屋市中区錦2丁目14番19号名古屋伏見Kスクエア
設立:1991 年2 月14 日
資本金:9500 万円
代表取締役:宮川 英明
社員数:261 名(2019 年4 月1 日現在)
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