Case Study
Pandora FMS Enterprise

ビッグローブ株式会社
ビッグローブ株式会社

ビッグローブ株式会社は、ネットワークサービスの豊富な経験と技術力を武器に、常に新しい価値を創造してきた国内最大手のインターネットのプロバイダです。

BIGLOBE のデータセンターでネットワーク機器を監視する「Tripl-i」システムに Pandora FMS Enterprise を採用。安定したネットワーク機器の性能監視とコスト削減を同時に実現。

概要

ビッグローブ株式会社は、ネットワークサービスの豊富な経験と技術力を武器に、常に新しい価値を創造してきた国内最大手のインターネットのプロバイダである。同社では、「人・企業・社会をやさしくつないで、新たな価値と豊かな社会を創造します」を経営理念に掲げている。その生命線とも言える巨大なネットワーク基盤の監視のために Pandora FMS Enterprise を採用。同社は、低価格で高信頼の統合運用監視を実現した。

導入サービス

選定理由

  • 自社 OS で利用できるオープンソースベースの監視ツールであること。
  • Enterprise 版ならではのメタコンソールによる複数あったコンソールの統合化と、並列処理による高速化が見込めたこと。

ビッグローブ株式会社様 導入事例の詳細

ビッグローブ株式会社

【取材対応】
システム基盤本部
マネージャー 長田 成人 氏

システム基盤本部
主任 大野 一 氏

システム基盤本部
田島 岳 氏

1. 背景

自社で開発した監視システムが 抱えていた 2 つの課題

インターネットのプロバイダとして国内大手のビッグローブ株式会社(以下 BIGLOBE )。ネットワークサー ビスの豊富な経験と技術力を武器に、常に新しい価値を創造してきた。同社では、「人・企業・社会をやさしくつないで、新たな価値と豊かな社会を創造します」を経営理念に掲げている。

そんな同社のシステム基盤本部は、サービスの重要な基盤であるデータセンターのインフラ構築・運営・管理を担う部門。その業務範囲は、サーバーからネットワークに至るまで多岐にわたる。同部門では、ネットワーク装置のリソースを管理するために Tripl-i という監視システムを独自に開発し、長年にわたって運用してきた。

Tripl-i は、データセンター内のネットワーク装置のリソースを管理するだけではなく、同社の顧客に対する性能監視サービスにも利用されてきた。その Tripl-i が、稼動から 10 年以上を経過して、大きな問題に直面していた。

その課題について、同部の長田成人マネージャーは次のように説明する。

「Tripl-i システムは、2000 年よりも前に自社で開発して稼動してきたシステムです。開発当初は、当社のネットワーク監視に最適なシステムとして、データセンターの安定した運用を支えてきました。しかし、稼動から長い時間を経て、2 つの課題に直面していました。
一つは、システムのメンテナンスに関する問題です。開発から 10 年以上の歳月が経過すると、当初のスタッフは異動や退職によって不在となり、改修やメンテナンスが困難な状況になっていました。
加えて、商用データベースを利用していたため、そのライセンス料もコスト負担となっていました。そこで、こうした問題を解決するために、汎用的な監視ツールで対応できないかどうか、検討を開始したのです」

Tripl-i システムは、ネットワーク装置のトラフィックや CPU 負荷にメモリの使用率などを継続的にモニタリングして、性能の劣化がないかを監視している。そのため、稼動から無停止で監視を続けていたので、ソフトウェアの改修だけではなくハードウェアの更新も 困難だった。

その背景について、同部の大野一主任 が振り返る。

稼働した当初は、Windows 2000 Server で運用していました。その OS もサポートの期限が切れるということで、OS のリニューアルも検討しなければならなかったのです。ただ、そこでも商用的な OS を使い続けるか、自社でオープンソースをカスタマイズした独自の OS に入れ替えるか、迷っていまし た。理想としては、自社 OS で利用できるオープンソースベースの監視ツールを探していました

こうした課題を解決するために、同部ではオープンソースで利用できる監視ツールをリサーチし、Pandora FMS に注目した。

2. 検討

国内で Pandora FMS に高い知見のあるアールワークス社のエンジニアと情報を交換

「Pandora FMS が使えるのではないかと検討をつけたときに、国内の代理店として実績があり、 Pandora FMS に精通した技術者も多いアールワークスに相談しました。ただ、そのときにはビジネスというよりも、当社とアールワークスのエンジニア同士の情報交換のようなものでした」と長田氏は検討のきっかけについて話す。

同部では、Pandora FMS が実際のネットワーク監視業務に使えるかどうかを検討するために、オープンソース版を試験的に導入した。そして、実際に稼働 させてみると、新たな問題に直面した。

その問題について、同部の大野氏は当時の様子を話す。

オープンソース版の Pandora FMS でも、ネットワーク機器のリソース監視は実現できたのですが、当社のデータセンターの規模が大きかったために、1 システムではすべてのリソースを監視できなかったのです。そのため、結果的に 6 サーバー分の Pandora FMS を仮想化環境の中に構築し、バラバラにモニタリングすることになりました

オープンソース版の Pandora FMS は、標準的な設定によるシステム監視であれば十分な性能を発揮する。だが、同社のデータセンターでは、監視対象となる機器が多く、より高精度なリソース監視を実現するために、監視時間を標準の 5 分よりも短い間隔にしていた。そのため、モニタリングに通常よりも負荷がかかり、並列処理の性能が低いオープンソース版では、1 システムで対応できる機器の範囲に限界があった。

「性能の限界に加えて、監視するためのコンソールにも問題がありました。6 つのシステムを立ち上げてしまったので、モニタリングするためのコンソールも 6 つになってしまい、それらをチェックするだけでも業務の負担となっていました。これらの問題を解決する方法がないかと、アールワークス に改めて相談して、正式なビジネスとしてコンサルティングを依頼しました」と大野氏は補足する。

コンサルティングの依頼を受けたアールワークスでは、Pandora FMS のオープンソース版と Enterprise 版の違いを説明し、Pandora FMS Enterprise であれば、課題を解決できると提案した。

アールワークスからの提案で、我々がもっとも期待したのはメタコンソールによるコンソールの統合化と、Enterprise 版ならではの並列処理による高速化でした。加えて、アールワークスのエンジニ アは、Pandora FMS を開発しているスペインの技術者とも交流があります。
特に、当社を担当してくれた佐藤淳一氏は、Pandora FMS のサイトで開発チームの一人として紹介されているほどの実力者なので、提案を信頼して任せられると判断したのです」と長田氏は選定の理由を説明する。

3. 成果

Pandora FMS Enterprise への 統合化を実現し 処理性能にも余裕ができる

アールワークスのコンサルティングとエンジニアリングのもと、Pandora FMS Enterprise による新しい Tripl-i システムの監視システムが構築された。

6 つの仮想サーバーに分散されていたオープンソース版の Pandora FMS は、 Pandora FMS Enterprise によって 1 つのシステ ムに統合され、メタコンソールによる統合的な運用監視も実現した。その成果について、同部の田 島岳氏は以下のように評価する。

性能面での問題は、Pandora FMS Enterprise によって簡単に解決できました。並列処理 の性能は凄いと実感しました。さらに、1 システム ですべてのネットワーク機器を監視できるように なっただけではなく、稼動しているサーバーにも 余裕ができたので、かねてから実行したかった ping 監視も追加できるようになりました」

便利だと実感したのはメタコンソールを使った 複数のサーバーにわたるネットワークマップの表示と、外部ファイルなどを活用したネットワーク機器へのコンフィグレーションの一括適用でした。 監視対象の装置が多いだけに、一括適用機能 は運用管理の負担を大きく低減できるので、助かります」と大野氏は運用管理面での利便性も評価する。

そして Pandora FMS は、同部が期待する通り Linux ベースの独自 OS で稼動する。

独自 OS での運用を正式にサポートしてくれるベンダーは少ないと思います。しかし、Pandora FMS では、何の制限もなく導入でき、サポートも受けられます。特に、導入してから満足しているのは、そのサポート対応の品質と迅速さです。障害が発生すると、アールワークスで修正できるものは、短時間でパッチがあがってきます。仮に、開発元のスペイン Artica 社での対応となっても、外資系企業の製品とは思えない速さで、修正が提供されます。その速さと正確さには驚かされました」 と大野氏は導入後に感じたサポートの品質について触れる。

アールワークスには、Pandora FMS のコミッターと 呼ばれるエンジニアが 3 名おり、オープンソース版への変更権限を持っているのはもちろん、 Enterprise 版に対しても変更権限を持つ。これらのコミッターは、常にスペイン Artica 社の開発者たちと緊密なコミュニケーションをとり、問題解決への対応でも速さと品質を競い合っている。そうした取り組みによって、Pandora FMS のオープンソース版および Enterprise 版双方の安定した稼動が支えられている。

4. 今後

サーバーなどの機器にも 監視対象を広げていく

ビッグローブ株式会社

「当初は、Pandora FMS Enterprise による監視の領域は、ネットワーク機器だけと考えていました。しかし、今回の導入成果を実感してから、ネットワーク以外の領域にも使えるのではないかと考えています。
現在は、複数の監視ツールが混在している状況なので、将来的には Pandora FMS Enterprise で統合化できれば、メタコンソールによる一元的な運用管理が可能になります」と長田 氏は今後に向けた展望を語る。

BIGLOBE のデータセンターは、顧客満足度を高めるために、ネットワーク機器の性能監視をはじめとして、サーバーや各種のリソースを継続的にモニタリングして、安定稼働と性能の維持を心がけている。その大切なリソースの監視システムとして、今後も Pandora FMS を活用していく。

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    大規模システム向け統合システム監視ツール Pandora FMS Enterprise

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