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Microsoft 365とは?Office 365との違いやメリットを解説

Category: 入門編

2025.02.24

セキュリティとビジネスの生産性を向上するサービスとは?特徴を解説

近年、Microsoft 365 を導入する企業が増えていますが、Microsoft 365 とはどのような製品かご存じでしょうか。Microsoft 365 は多機能でプランも多いため、十分に把握できずに導入に踏み切れない企業も少なくありません。

また、従来の Office 365 や、最近では Windows 365 など、マイクロソフト製の製品・サービス名には「365」が付くものが多く、この点も利用者にとっては少々複雑でわかりにくくなっている一因と言えるかもしれません。

本記事では、こうした背景を踏まえ、マイクロソフトが提供している 3 つの 365 製品の概要や違いを整理した上で、 Microsoft 365 を導入するメリットやユースケース、料金プラン、注意点について解説します。

1. Microsoft 365 とは

Microsoft 365とは

Microsoft 365 とは、生産性向上のためのアプリケーション、セキュリティ機能、クラウドストレージを一つに統合したサービスです。 Word や Excel 、 PowerPoint といった業務で広く使用されるアプリケーションに加え、 Teams や OneDrive 、 SharePoint など、コラボレーションを強化するためのツールも含まれています。

クラウドベースのサービスのため、インターネット接続さえあればデバイスや場所を問わず利用でき、常に最新の機能が提供されることも特徴です。

さらに、 Microsoft 365 には生成 AI を活用した AI アシスタント「 Copilot 」が統合されており、文書作成やデータ分析、レポート生成、タスク管理などをサポートします。これにより、日々の業務を大幅に効率化し、ユーザーが重要な作業に集中できる環境を提供します。

Office 365 との違い

Office 365 は、従来から Microsoft が提供するクラウドベースの生産性向上ツールのスイートです。サブスクリプション型で Word ・ Excel ・ PowerPoint ・ OneDrive ・ Teams ・ SharePoint といったグループウェアを利用できるサービスでした。

2020 年に Microsoft 365 が登場すると、 Office 365 は Microsoft 365 に含まれるオフィススイートのプランの一つという位置付けになりました。しかし、 2022 年には Office ブランドの段階的な廃止が発表され、現在では Microsoft 365 に統合されています。

Office アプリはそのまま残りますが、ブランド名が Office 365 から Microsoft 365 へ変更されたのです。つまり、 Office 365 は Microsoft 365 の旧称であり、現在は「 Office 365 = Microsoft 365 」と考えるとよいでしょう。

ただし、現在でも大企業向けのプランでのみ「 Office 365 」という名前のプランが残されており、選択することはできます。 Office 365 プランでは主要な Office アプリが提供されますが、 Microsoft 365 プランと比較すると次のような違いがあります。

  • Office 365 プランのうち、低価格のプラン( E1 )ではデスクトップ版アプリが提供されない
  • Microsoft 365 プランの方が使用できるアプリが多い
  • Microsoft 365 プランの方がセキュリティが強化されている

Office 365 プランについて詳しくは以下をご覧ください。

※参考:Office 365 Enterprise のプランと価格をご覧ください | Microsoft 365

Windows 365 との違い

Windows 365 は、 2021 年 8 月 2 日 に正式発表された比較的新しいサービスで、 「 Windows 365 クラウド PC 」とも呼ばれます。クラウド上に仮想デスクトップとして設置された Windows OS を、インターネット越しにパソコンやタブレットから利用できる VDI ( Virtual Desktop Infrastructure )サービスです。

Microsoft Azure 上にすべてのアプリケーションやツール、データ、および設定などを展開し、個人や企業の場所およびデバイスを問わずに Windows OS や Office アプリを安全に利用できます。

Microsoft 365 がアプリケーションやクラウドストレージの提供により業務効率化を図るのに対し、 Windows 365 は物理 PC に依存せずにどこからでも Windows 環境を安全に利用できる柔軟性を提供します。つまり、 Microsoft 365 はツール群による作業支援、 Windows 365 は作業環境そのものをクラウド化するという役割の違いがあります。

2. Microsoft 365 のメリット

Microsoft 365 を導入するメリットは下記の通りです。

Office 365 と同様のサービスを利用できる

Office 365 は Microsoft の旧称です。従って、 Microsoft 365 では従来の Office 365と同様に Office アプリケーションやメール、Teams などのグループウェアを利用することができます。

セキュリティ強化

Microsoft 365 は、従来の Office 365 のサービスに加え、クラウドベースでデバイス管理・セキュリティ管理を担う Enterprise Mobility + Security( EMS )が一体となったサービスです。シングルサインオンや多要素認証などの認証まわりの強化や EDR 対策が可能となり、業務のセキュリティ強化に役立ちます。

各種管理機能の強化

Enterprise Mobility + Security( EMS )はセキュリティ強化に加え、モバイルデバイスとアプリケーション管理機能を備えています。 EMS が持つモバイルデバイス・アプリケーションの実行制御や OS アップデートの管理、 ID 管理などの各種管理機能を利用することで、ビジネスの生産性向上に役立ちます。

3. Microsoft 365 のユースケース

次に、 Microsoft 365 の具体的なユースケースについて紹介します。

プロジェクトでの文書やデータの一元管理

新製品の開発プロジェクトなどにおいて、 Word で作成した企画書や Excel でまとめた進捗管理表を SharePoint で一元管理できます。これによりチームメンバー全員が常に最新の情報にアクセスすることが可能です。データのバージョン違いによるミスや、情報の検索にかかる時間が削減され、プロジェクト進行がスムーズになるでしょう。

AIを活用した資料の迅速な作成

営業活動で使用する提案資料などの作成時、 Word で提案の概要やクライアントのニーズを箇条書きで入力すると、 Copilot がそれをもとに洗練された文章を自動生成します。

また、 Excel で市場動向や製品の売上予測のデータを入力すれば、それをもとに Copilot が最適なグラフを自動生成することも可能です。営業担当者は資料作成に費やす時間を短縮でき、クライアントへの提案内容に集中できるようになるでしょう。

リモートワークでのチームの連携強化

リモートワーク環境において、 Teams で定期的にビデオ会議を実施しながら、 OneDrive で共有されたプレゼン資料を全員で確認するといった使い方もあります。

たとえば、企画会議中にリアルタイムで共同編集機能を利用してプレゼン資料をブラッシュアップすることで、効率的に意思決定を進められるでしょう。これにより、地理的な制約を超えて効率的にチームワークを強化できます。

4. Microsoft 365 の料金プラン

一般企業向けの Microsoft 365 の料金プランについて解説します。

プラン 料金(※年払いの場合) 特徴
Microsoft 365 Business Basic( 旧 Office 365 Business Essentials ) ¥899/ ユーザー / 月
  • Microsoft 365 Business Basic は、メールや Teams などのグループウェアのみを利用したい企業向けのプランで、300 名まで利用できます。
  • Office 製品は Web 版のみ利用可能です。
  • アドオンとして Microsoft 365 Copilot を利用できます。
Microsoft 365 Business Standard( 旧 Office 365 Business Premium ) ¥1,874/ ユーザー / 月
  • Microsoft 365 Business Standard は、Business Basic プランの内容に加え、デスクトップ版の Office 製品を利用したい企業向けのプランです。
  • 動画編集やデザインのためのツールも利用できます。
Microsoft 365 Business Premium ¥3,298/ ユーザー / 月
  • Microsoft 365 Business Premium は、Business Standard プランの内容に加え、テレワークに必要な環境を一通り揃えたい企業向けのプランです。 高度なセキュリティ対策とデバイス管理機能がセットになっています。
Microsoft 365 Apps for business( 旧 Office 365 BusinessとOffice 365 ProPlus ) ¥1,236/ ユーザー / 月
  • Microsoft 365 Apps for business は、Office アプリケーションのみ利用したい企業向けのプランです。ファイル共有は可能ですが、メールやグループウェアは利用できません。

※2025年1月時点

料金プランについて詳しくは以下をご覧ください。

Microsoft 365 のすべてのプランを比較する | Microsoft

5. Microsoft 365 導入時の注意点

Microsoft 365 を導入する際は、自社の目的やニーズに合ったプランを選定し、スモールスタートを心がけることが重要です。いきなり全社へ導入するのではなく、特定のチームや業務領域での試験的な運用から始めることで、課題や適合性を早期に把握できます。

また、既存のシステムやデータを安全に移行できる手順も検討する必要があります。社内のリソースに不安がある場合は、専門家へサポートを依頼することもおすすめです。

6. まとめ

Microsoft 365 は、生産性向上のためのアプリケーションやクラウドストレージ、 AI 機能を統合したクラウドベースのプラットフォームです。 Office 365 はその前身で、現在は Microsoft 365 に統合されています。また Windows 365 は、クラウド上で Windows OS を利用できる仮想デスクトップサービスで、場所やデバイスを問わず安全に業務を行う環境を提供します。

社員が利用する端末やソフトウェア、それらを管理する端末管理機能やセキュリティ機能など、業務を安全かつ円滑に進めるための仕組みを導入するには専門知識とコストが必要です。しかし Microsoft 365 を利用することで、こうした環境を簡単かつミスなく導入することができます。

ビジネスの生産性向上やセキュリティ面向上のために、Microsoft 365 の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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Tag: Microsoft 365 Office 365 Windows 365

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