Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

App Serviceとは?素早い開発環境を実現するサービスを解説します

Category: 入門編

2023.01.11

App Serviceの概要、機能、メリット、料金体系について

近年テレワークの普及、 DX 化の推進に伴い、あらゆる業務システムにクラウド環境が利用されるようになりました。またコロナ禍によって企業や個人があらゆるサービスに対し直接接触することなく接点を持つことができるオンラインサービスのニーズが高まり急速に拡大しました。

そこで今注目を集めているのが、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスである Azure の App Service です。 App Service を上手く活用することで、Azure のもつ堅牢性を活かしながら Web アプリを短期間で実装することができます。

本記事では、 App Service の概要、機能、できることについて解説します。

1.App Serviceとは

App Service は、開発者向けのフルマネージドの PaaS ( Platform as a Service )です。例えば開発した Web アプリケーションを使えるようにするために必要なマシン環境、通信環境、デプロイ環境など Web アプリケーションをホストする環境を提供するサービスです。

OS は Windows 系、 Linux 系から選択ができ、様々な開発言語を選択することができます。また負荷分散、自動スケーリングなどの実行環境を提供してくれます。

<App Serviceの全体像>

App Serviceの全体像

図版出典:Microsoft 公式サイト

App Serviceの主な機能

対応言語とフレームワーク

ASP.NET 、 ASP.NET Core 、 Java 、 Ruby 、 Node.js 、 PHP 、 Python 、が利用可能です。また PowerShell で作成された実行可能ファイルもバックグランドで実行可能です。

高度なマネージド環境とコンテナ環境との連携

OS 、プラットフォームにまつわる運用管理機能を実装しています。自動パッチ適用や、アプリを Docker でコンテナ化することが可能です。コンテナ、アプリに関するサービスとして Azure DevOps 、 GitHub 、 Bit Bucket 、 Docker Hub 、 Azure Container Registry を設定することが可能です。これらを活用することでテスト環境やステージング環境を介して更新を反映できます。

高可用性の実現

手動または自動でスケールアップまたはスケールアウトの実行が可能です。マイクロソフト社のグローバルな設備を利用できます。世界中のあらゆるリージョンのデータセンターのどこへでもアプリをホストすることができることから、 SLA によって高可用性が保証されています。

SaaSプラットフォームおよびオンプレミス データへの接続

SAP 、 SaaS 、インターネットサービスと連携可能な50以上のコネクタを選択することができます。またハイブリッド接続と Azure Virtual Networks を利用して、オンプレミス環境にアクセスすることが可能です。

セキュリティとコンプライアンス

App Service は国際的な規格である ISO 、 SOC 、および PCI に準拠しています。 Azure AD 、 Google 、 Facebook 、 Twitter 、マイクロソフトアカウントでユーザーを認証することが可能です。認証に関しては IP アドレス制限、多要素認証、条件付きアクセスなどの機能を利用しサービス ID を管理し、アカウントの乗っ取りを防ぎます。

テンプレート、API、豊富な運用機能

App Service は、 WordPress 、 Joomla 、 Drupal など、有名なアプリケーションなどは Azure Marketplace からテンプレートとして選択できます。また RESTful API に対応し、認証、オフラインデータ同期、プッシュ通知などを有効にして、モバイルアプリへシンプルに実装が可能です。

2.App Serviceのメリット

メリット1:開発・運用負荷の低減

Azure App Service は多様な言語に対応しており、これまで使ってきた言語を用いて素早く開発に着手できます。サービスの導入にあたり新たな開発言語を習得する必要がありません。

Azure サービスとの連携、豊富なテンプレート、コネクタ、運用ツールとの統合環境も用意されており、シンプルに簡素化されたワークロードでアプリケーション開発・運用が可能です。

メリット2:セキュリティの強化

クラウドサービスの問題点としてよくあがるのがセキュリティです。特に脅威となるのは、不正アクセス、サイバー攻撃によるサービス妨害、情報漏えい、盗取、データの改ざんなどです。 App Service では PaaS として OS 、フレームワークをはじめフルマネージドで Azure 側に対策を任せることができます。

Azure は国際的な規格で運用されており、データの保護、ユーザーとアプリケーションのセキュリティ管理に重点を置いたさまざまな対策が講じられています。具体的にはアクセスキー、ライセンス情報の暗号化、多要素認証、アクセス制限の使用など、豊富な対策が可能です。

メリット3:開発プロセスの迅速化と運用プロセスの最適化

App Service では他 Azure サービスと連携することで早期にエラー検出することができます。このプロセスを追加することで、脅威の種類、 Azure が推奨する対策の一覧を確認でき、開発における手戻りを防ぎプロセスを迅速化することができます。

また運用プロセスにおいても自動的なスケールアップとスケールアウトの設定が可能であり、可用性を担保しながらも運用コストを最適化することができます。

さらに利用するサーバーのスペックも管理画面上で調整可能です。必要に応じたリソースの確保をすぐに行えることからメンテナンスにかける時間の最適化が期待できます。

3.App Serviceの料金体系について

App Service には、 5 つのプランが用意されています。導入前は無料の Free プランで試験的な動作確認を推奨します。有料プランは従量課金制で利用した分のみ料金が発生する仕組みです。利用する規模によって使用できるサービス内容やストレージ容量をご確認ください。

Freeプラン

実行できる Web アプリケーション、 API の数が 10 個までのプランです。ディスク領域は 1GB あり無料で利用できることから導入前の試験的なプランです。

Sharedプラン

実行できる Web アプリケーション、 API の数が 100 個まで利用可能なプランです。ディスク領域は Free 同様 1GB で時間あたり $0.013 ( 2022 年 12 月時点)の従量制プランです。

Basicプラン

実行できる Web アプリケーション、 API の数が無制限、ディスク領域が 10GB となるプランです。プラン専用の Azure 仮想基盤上でアプリケーションを実行でき、オンプレミスとのハイブリット接続、仮想ネットワーク接続も可能なプランです。時間あたり $0.075 ( 2022 年 12 月時点)の従量制プランです。

Standardプラン

Standardプラン以上のレベルでは、スケールアウト・スケールインの自動化が可能となるプランです。ディスク領域は 50GB まで拡張され、構築できるインスタンスも最大 10 までとなっています。時間あたり $0.10 ( 2022 年 12 月時点)です。

Premiumプラン

Premium サービス プランは、実稼働アプリ向けの優れたパフォーマンスを提供するために設計されています。ディスク領域は 250GB 、最大インスタンス数 30 、時間あたり $0.20( 2022 年 12 月時点)です。

さらにアップグレードした Premium v2 、 Premium v3 ではより大規模なスケールが可能となっています。

Isolatedプラン

Isolated レベルでは、ユーザー専用の Azure 仮想基盤上で実行されるため、セキュリティは厳重な仕様になっています。また急激なトラフィックの増大に対応する最大のスケールアウト機能も提供されています。インターネットバンキングなどのミッションクリティカルなアプリケーション向けに用意されたプランです。ディスク領域は 1TB 、最大インスタンス数 100 、時間あたり $0.40 ( 2022 年 12 月時点)です。

App Serviceの料金体系

図版出典:Microsoft 公式サイト

4.まとめ

Apps Service は Web アプリケーションの開発に注力することができるサービスです。 App Service を活用することでビジネススピード、社会の変化に対応し企業の事業遂行、生産性向上に役立てることのできる開発環境と言えるでしょう。

多様な言語に対応し、セキュリティ性に優れた環境で、素早く開発に取り組めるでしょう。 Free プランも提供されているため、実際に利用してから検討してみてはいかがでしょうか。自社での活用が難しく感じる場合、詳細の導入に当たっては専門家への相談をお勧めします。

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