目次
Web クライアントで手軽かつ安全に AVD を活用しよう
AVD ( Azure Virtual Desktop )は、 Microsoft が提供するデスクトップ仮想化サービスです。ユーザーの端末から AVD へ接続するには、それぞれの環境に合わせたクライアントをダウンロードする必要があります。
しかし、 Web クライアントを利用すれば Web ブラウザから直接 AVD へアクセスすることも可能です。本記事では、 AVD の Web クライアントの概要から機能、利用方法、注意点まで詳しく解説する。
1. AVD の Web クライアントとは
AVD の Web クライアントとは、 AVD へアクセスするためのクライアントの 1 つです。自身が利用する端末の Web ブラウザから、 AVD 上のデスクトップ環境へアクセスできます。 AVD では、 Web クライアント以外にもユーザーが利用する端末に合わせて次のような種類のクライアントが用意されています。
- Windows デスクトップクライアント
- Windows 用 Azure Virtual Desktop Store アプリ
- macOS クライアント
- iOS/iPad OS クライアント
- Android/Chrome OS クライアント
上記のクライアントはすべて利用する端末にクライアントアプリケーションをダウンロードしてインストールする必要があります。一方 Web クライアントはインストールが不要であり、この点が大きな違いです。
AVD Web クライアントの利用条件
Web クライアントを利用するには、インターネット環境が必須となります。また、サポートされる Web ブラウザと OS 、バージョンは次のとおりです。
Web ブラウザ | OS | バージョン |
---|---|---|
Microsoft Edge | Windows 、 macOS 、 Linux 、 Chrome OS | バージョン 79 以降 |
Google Chrome | Windows 、 macOS 、 Linux 、 Chrome OS | バージョン 57 以降 |
Apple Safari | macOS | バージョン 11 以降 |
Mozilla Firefox | Windows 、 macOS 、 Linux | バージョン 55 以降 |
ただし、モバイル Web ブラウザはサポートされないため注意が必要です。また、 Internet Explorer も 2021 年 9 月でサポートを終了しています。
AVD Web クライアントを利用するメリット
AVD Web クライアントはほかのクライアントを利用する場合と比較して、次のようなメリットがあります。
- 特定のアプリケーションをインストールする必要がないため、手軽に利用できる
- さまざまな OS やデバイスからアクセスできる
- Web クライアントの更新は自動で行われるため、ユーザーは対応する必要がない
このようなメリットから、 Web クライアントはとくに手軽かつ柔軟に利用できるクライアントといえるでしょう。
2. AVD Web クライアントの機能
AVD の Web クライアントで利用できる機能について紹介します。
スマートサイズ変更
ブラウザのウインドウサイズ変更に合わせて、リモートデスクトップのサイズを自動的に変更します。タスクバーの全画面表示を選択して、全画面表示に切り替えることも可能です。
表示モードの切り替え
画面をグリッドビュー(規定)もしくはリストビュー、ライトモード(規定)もしくはダークモードに簡単に切り替えられます。
さまざまな入力方法
デスクトップやアプリケーションの操作には、組み込みまたは外付けの PC キーボード、マウス、トラックパッドを使用できます。
リダイレクト
リモートデスクトップからローカルデバイス上のファイルやプリンタ、クリップボードへアクセスできます。リモートセッションに接続する際に、ローカルリソースに対するアクセスを許可するかを確認するメッセージが表示されるため、ここで許可する必要があります。
ファイル転送
リモートデスクトップとローカルデバイス間でファイル転送を行うことも可能です。ローカルからリモートデスクトップへアップロードしたファイルは、 Web クライアントからサインアウトするまでリモートデスクトップ上で利用できます。
3. AVD Web クライアントの利用方法
AVD Web クライアントを利用する手順は次のとおりです。
1. Web クライアントに対応している Web ブラウザを開きます。
2. 次の URL へアクセスします。:https://client.wvd.microsoft.com/arm/webclient/
3. ユーザーアカウントでサインインします。
4. 正常にサインインが完了すると、自分のワークスペースが表示されます。
5. ワークスペースには管理者によって用意されたデスクトップやアプリケーションのアイコンが表示されるため、目的のものを選択します。
6. ローカルリソースへのアクセスの許可を確認する [Access local resources] というプロンプトが表示される場合は、指示に従って選択します。
上記のように、 Web クライアントを利用すればサインインのみで簡単にアクセスすることが可能です。 Web クライアントに関するフィードバックを送信したい場合は、 Web クライアントのタスクバーから [ フィードバック ] を選択して送信できます。
4. AVD Web クライアントを利用する際の注意点
AVD の Web クライアントは非常に便利に利用できる反面、セキュリティ対策もきちんと行う必要があります。とくに以下のポイントに注意することで、安全性を高めることが可能です。
多要素認証の導入
ユーザー名とパスワードに加えて、電話番号や指紋認証などの別の認証要素を要求することで、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
条件付きアクセスの有効化
条件付きアクセス機能を有効化すると、 AVD へアクセスするユーザーのロケーションやデバイスの状態、サインイン方法などの条件を通じて、より柔軟なアクセス制御ができます。
監査ログの収集
監査ログの収集を有効化すると、 AVD 上でのユーザーの操作やイベントを確認できるため、セキュリティ侵害の調査やシステムの異常な挙動の早期発見に役立ちます。
5. まとめ
AVD の Web クライアントは、複数あるクライアントのなかで唯一インストールが不要で、 Web ブラウザから AVD を利用できます。さまざまな機能やデバイスに対応しており、手軽かつ柔軟に利用できることがメリットです。ただし、安全に利用するにはセキュリティ対策をきちんと行う必要があります。今回紹介した注意点を考慮して、安全に Web クライアントを活用しましょう。
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Tag: AVD Azure Virtual Desktop
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