Category: 入門編
2024.04.05
目次
機能の追加や不具合の修正、セキュリティの改善などを行うことが求められている
一般的にシステムをアップデートすると、機能の追加や不具合の修正、セキュリティ強化などが行われます。このため、多くのシステムでは定期的なアップデートが実施されるように運用されています。
Kubernetes においても定期的なアップデートが必要であり、アップデートを怠ると Kubernetes に欠陥を残し続けるおそれがあります。
本記事では、 Kubernetes のアップデートの基本的な知識について説明します。また、 Kubernetes をアップデートする際に参考になる情報や、アップデートによる効果も紹介するので、 Kubernetes をアップデートする際の参考にしてください。
1. Kubernetesのアップデートとは
ここでは、 Kubernetes をアップデートする前に、理解するべきである基本的な知識を解説します。まずは、基本的な知識を理解して、 Kubernetes をアップデートする前の準備としてください。
Kubernetesのアップデートの基本的な概念
Kubernetesがアップデートされると、 Kubernetes クラスタに含まれる Node や Pod などのリソースがアップデートされます。リソースがアップデートされる際に、機能の追加や不具合の修正、セキュリティの改善などが行われます。
Nodeや Pod などのリソースは、依存関係を持っており、リソース間にバージョンのずれがあると適切に動作しないおそれもあります。 Kubernetes クラスタ全体をアップデートすることで、各リソースのバージョンを最新化し、適切な依存関係を持つ状態にできます。
なぜアップデートが必要なのか
Kubernetes は日々改良が進められており、機能の追加や不具合の修正が行われています。 Kubernetes 自体が改良されても、 Kubernetes を使用している環境でアップデートが行われないと、 Kubernetes の改良による恩恵を受けることができません。
このため、定期的に Kubernetes クラスタ内を最適な状態にするために、 Kubernetes をアップデートする必要があります。
2. Kubernetesアップデートのガイドライン
ここでは、 Kubernetes をアップデートする際に役立つ情報について解説します。開発者やシステム管理者の方は このガイドラインを参考にしてください。
アップデート前の準備
運用環境で Kubernetes を実際にアップデートする前に、検証環境でのテストが不可欠です。最新バージョンのKubernetesを導入し、クラスタ内の正常な動作が保たれることを検証しましょう。検証結果が問題なければ、実際に本番環境へのアップデートを進めます。
このように、段階的なアプローチを行うことで、予期せぬ事態の発生を検証段階で発見することができます。
アップデート手法
Kubernetesをアップデートする際は、ローリングアップデートの手法により行います。ローリングアップデートとは、システムを停止せず段階的に更新する手法のことです。次の参考図は、ローリングアップデートの様子を示しています。
図版出典:ASA Blog
ローリングアップデートの手法を取ることで、 Kubernetes クラスタ内の可用性は保たれ、アップデート時も通常の運用を行うことができます。
バージョン管理
Kubernetesをアップデートする際は、マイナーバージョンを飛ばしてアップデートすることはできません。このため、 Kubernetes が更新された各バージョンに従って順次アップデートする必要があります。
このようなアップデートにおける制約により、段階的な Kubernetes のバージョン管理につなげることができます。
セキュリティ向上
Kubernetesがアップデートされずに、セキュリティの脆弱性が放置されると、クラスタを潜在的なサイバー攻撃のリスクにさらすことになります。これは、 Kubernetes クラスタ内のセキュリティにおいて致命的な弱点となります。
このような事態を防ぐため、 Kubernetes をアップデートし、セキュリティパッチを適用することでセキュリティの脆弱性を修復し、セキュリティを向上させる必要があります。
3. Kubernetesをアップデートする効果
ここでは、 Kubernetes をアップデートすることで生まれる効果を解説します。 アプリケーションアーキテクトや意思決定者が Kubernetes のアップデートを検討する際に、参考にしてください。
冗長性と可用性の向上
Kubernetesをアップデートすることで、スケーラビリティの向上につながります。新しいバージョンでは、スケジューリング、ロードバランシング、自動修復などの機能が改善することで、負荷の軽減が可能です。 Kubernetes クラスタ内の余剰を生むことにより、システムの冗長性の向上につながります。
冗長性が向上することで、リソースに障害が発生した場合に、冗長な他のリソースが稼働することができます。その結果として、可用性の向上にもつながります。
コスト削減
オートスケーリングの機能が改善することで、リソース管理が効果的に行われ、不要なリソースの削減につながります。使用していないリソースの自動スケールダウンがより効果的に行えるようになることで、 Kubernetes クラスタ内のリソースの使用状況は最適化されます。このことが、結果としてコスト削減につながります。
ビジネスへの影響
ビジネスにおいて、システムが稼働し続けることは必須の場合があります。このため、ビジネスで使用するシステムは高い冗長性と可用性を持っている必要があります。また、不要なコストを削減することは、多くのビジネスの場で望まれます。
このため、冗長性と可用性の向上やコスト削減を生む Kubernetes のアップデートの効果は、ビジネスの場でも期待される効果を生むことになります。
SLA向上
SLA( Service Level Agreement )とは、事業者がサービス内容と品質を明確にし、利用者とした合意内容を指します。 Kubernetes をアップデートすることで、機能の追加や不具合の修正、セキュリティの改善が行われると、提供できるサービス内容と品質も向上し、 SLA 向上につながります。
4. まとめ
Kubernetes は改良が重ねられており、改良の効果を得るために Kubernetes の利用者はアップデートを行う必要があります。 Kubernetes をアップデートすることで、 Kubernetes の機能の追加や不具合の修正、セキュリティの改善などできます。
また Kubernetes をアップデートすることで、冗長性と可用性の向上、コスト削減、ビジネスへの良い影響、 SLA 向上など期待できる効果は高いと考えられます。
ぜひこの記事を参考にして、 Kubernetes をアップデートし、グレードアップした状態のKubernetes を業務で活用してみてください。
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Tag: Kubernetes
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