Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Virtual Desktop における Runbook とは?活用方法について解説

Category: 入門編

2024.07.26

AVD 環境の運用タスクを自動化

Azure Virtual Desktop (以下、 AVD )は、クラウドサービスとして提供される仮想デスクトップ環境です。利便性が高い反面、運用にはさまざまな管理タスクが伴います。これらのタスクを自動化するために重要なのが、 Azure Automation の一部として提供される Runbook です。

本記事では、 AVD 環境における Runbook の活用方法とそのメリットなどについて詳しく解説します。

1. Runbookとは

Runbook(ランブック)とは、特定のタスクやプロセスを正確に実行するための手順書です。業務を効率的に進めるために、料理のレシピのように詳細な手順が記載されます。

IT システムにおいては運用手順書にあたり、「サーバーにパッチを適用する」といったメンテナンスや、「システムエラーを修正する」といったトラブルシューティングなどの手順も含まれます。

Azure Automation とは

Azure Automation とは、 Microsoft が提供するクラウドプラットフォーム Microsoft Azure 環境でさまざまなタスクを自動化するクラウドオートメーションサービスです。クラウド環境だけでなく、オンプレミスを含むハイブリッド環境にも対応しています。

Azure Automation では、テンプレート化された Runbook が用意されています。この Runbook を編集し、あらかじめ設定したスケジュールに応じて Runbook に記載されたスクリプトを実行することで、さまざまなタスクを自動化することが可能です。システム運用に必要な手間やコスト、人為的なミスを削減するために役立ちます。

つまり、 Runbook は Azure Automation を活用するうえで重要なツールです。

2. Runbook の種類

Azure Automation では、次のような種類の Runbook が用意されています。

PowerShell Runbook

Windows PowerShell スクリプトに基づくテキスト形式の Runbook です。 Azure portal のテキストエディタを使用して直接編集できるほか、オフラインのテキストエディタを使用して編集後に Azure Automation にインポートすることも可能です。

これにより、複雑なロジックを PowerShell コードで実装し、効率的な自動化を実現できます。 Windows と Linux の両方で動作し、迅速な実行が可能です。

PowerShell ワークフロー Runbook

Windows PowerShell ワークフロースクリプトに基づく、テキスト形式の Runbook です。 PowerShell Runbook と同様、 Azure portal での直接編集および外部で編集したものをインポートすることもできます。

複雑なプロセスを定義し、並列処理やチェックポイント機能を利用できるため、長時間実行されるタスクを管理するのに適しています。ただし、 PowerShell 7 以降のバージョンではサポートされないため注意が必要です。

Python Runbook

Python スクリプトに基づくテキスト形式の Runbook です。 Azure portal での直接編集および外部からのインポートも可能です。現在サポートされているバージョンは Python 2.7 、 Python 3.8 、 Python 3.10 になります。

スクリプト言語としての Python の柔軟性と堅牢なライブラリを活用して、さまざまな自動化タスクを実行することが可能です。とくにデータ操作や API 連携のタスクで効果を発揮します。

グラフィック Runbook

Windows PowerShell に基づき、 Azure portal のグラフィカルエディタで作成・編集できる Runbook です。 Azure portal での直接編集に限られ、外部での作成・編集はできません。

管理プロセスを視覚的に表現できるため、複雑なタスクの自動化を直感的に行えます。コーディングに不慣れなユーザーにとっても理解しやすく、効率的な自動化をサポートします。

3. AVD でも Runbook を活用できる

Runbook を活用した Azure Automation での自動化は、 AVD 環境にも適用できます。たとえば次のような運用管理タスクを自動化することが可能です。

  • セッションホストのスケーリング
  • 仮想マシンの自動起動・自動停止
  • ユーザーアカウントの管理
  • 定期的なパッチ適用やシステムアップデート
  • エラーログの自動収集・分析

これらのルーティン作業を自動化することで、管理者の負担を大幅に減らすことができます。

4. AVD における Runbook の活用方法

実際に AVD 環境で、Runbookを活用して仮想マシンの自動起・自動停止を設定する手順について解説します。

  1. Azure portal で Automation アカウントを作成します。
  2. Runbook ページのギャラリーを参照し、「 Simple-Azure-VM-Start-Stop 」をインポートします。
  3. Runbook を編集し、該当する仮想マシンの情報をパラメータに追記してテストを行います。
  4. AVD における Runbook の活用方法

    図版出典:株式会社Opening Line ブログ

  5. テストをして問題なければ、 Runbook を公開します。
  6. 公開後、実行スケジュールを設定します。
  7. 指定した時間に起動・停止することを確認できたら完了です。

5. まとめ

Runbook は、特定のタスクやプロセスを正確に実行するための手順書であり、IT システムをスムーズに運用するために役立ちます。Azure Automation では Runbook を活用してクラウド環境・オンプレミス環境の運用を効率化することが可能です。 Runbook は AVD 環境にも適用できるため、運用・管理タスクに負担を感じている場合は、ぜひ導入を検討してみてください。

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Tag: Azure Virtual Desktop

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