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実効性の高いBCP訓練を実施するために必要なこと
BCP 訓練は、災害やシステム障害発生時に事業を継続・復旧するための重要な取り組みです。近年では、一般的な安否確認や避難訓練に加え、情報システムを起点としたリスク(ランサムウェア感染やクラウド障害など)への備えも不可欠となっています。特にバックアップやシステム復旧などを含めたシステム運用体制の整備は、 BCP の実効性を大きく左右するポイントです。
本記事では、 BCP 訓練の基本的な種類や進め方、システム運用を含めた BCP 訓練を実効性高く実施するポイントを解説します。
1. BCP訓練とは?
BCP 訓練とは、企業が策定した事業継続計画( BCP=Business Continuity Plan )が、実際の緊急時に有効に機能するかを検証する取り組みです。 BCP は、自然災害やシステム障害などで業務が停止した場合でも、可能な限り事業を継続し、早期に復旧することを目的としています。
BCP の内容を文書化しただけでは、いざというときに従業員は適切に対応できません。そのため、 BCP 訓練を実施し、行動手順を確認しながら緊急時の対応力を高めることが重要です。
日本は地震や台風、土砂災害などの自然災害が多く、近年はランサムウェア感染やクラウドサービスの障害など、情報システムを起点としたリスクも増加しています。こうした背景から、 BCP には「システム運用の継続性」を検証する訓練が欠かせません。
BCP訓練の主な目的
BCP 訓練の最大の目的は、従業員が緊急時にとるべき行動を理解し、迷わず実践できる状態をつくることです。訓練を通じて、従業員は災害時に必要な知識や技能を習得できます。特にシステム部門においては、システムの復旧手順や代替環境の有効性を確認し、業務継続を支える体制を整備することが重要です。
BCP訓練を実施している企業の割合
内閣府の「令和 5 年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」によると、 BCP 訓練を実施している企業の割合は 83.2 %です。ただし、この数値には安否確認や避難訓練、連絡体制の確認などが含まれており、システム障害を想定した訓練(代替機でのリストアや切替など)まで実施している企業は限定的だと推察できます。
※参考:内閣府「令和 5 年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」P49
2. BCP訓練の種類
ここでは、代表的な BCP 訓練を 5 つ紹介します。
机上訓練
想定した災害や障害のシナリオをもとに、関係者が会議室などに集まり、緊急時の行動を議論しながら進める訓練です。避難や現場対応を伴わないため、低コストかつ短時間で実施できるメリットがあります。
従業員の安否確認訓練
災害発生時に従業員の安全状況を迅速に把握するための訓練です。安否確認システムや連絡網を利用し、実際に連絡が確実に届くか、応答を得られるかを検証します。
代替施設への移動訓練
本社や主要拠点が利用できなくなった場合に備え、代替オフィスやサテライト拠点へ移転して事業を継続する手順を確認する訓練です。移転手順や必要な設備の準備、業務切替方法などを確認し、課題を整理します。システム部門は、代替施設から社内システムやクラウド環境に問題なくアクセスできるかを検証することが重要です。さらに、システム自体が災対機へ自動または手動で切り替わることを想定した準備も必要です。
バックアップデータの復旧訓練
災害・障害発生時に、重要データを迅速かつ確実に復旧できるかを確認する訓練です。バックアップの保存先、世代管理の状況、復旧手順、RTO/RPOの達成可否などを検証し、業務再開までの流れを確認します。
総合訓練
複数の訓練(机上訓練・安否確認・代替移転など)を組み合わせ、実際の災害発生を想定して行う訓練です。代替施設への移転や現場での避難行動、情報共有の流れなどを確認し、組織全体の対応力を高めます。
3. BCP訓練の進め方
続いて、 BCP 訓練の基本的な進め方を見ていきましょう。
目的・想定シナリオの設定
まず、 BCP 訓練の目的(例:初動対応の確認や代替拠点への移転手順の検証、データ復旧手順の実行確認)や、想定する災害・障害の種類、規模、被害状況を明確にしましょう。「何を確認したいのか」「どのような行動を目指すか」を明確にすることで、訓練内容の精度と実効性を高められます。
体制・役割の整理
訓練に参加するメンバーを選定します(経営層、各部門責任者、現場担当者など)。 また、参加者には、事前に自らの役割と行動範囲を通知しましょう。
訓練計画の策定
目的、シナリオ、役割が定まったら、訓練計画を策定します。手順書や連絡フロー、使用するツール(安否確認システム、チャット、メールなど)を整理しましょう。特にシステム関連の訓練では、以下の項目を組み込むのが効果的です。
- バックアップデータのリストア確認
- RTO (目標復旧時間)/ RPO (目標復旧時点)の測定
- 代替機への切替
- 障害検知〜通知〜復旧までの模擬実行
訓練の実施
策定したシナリオに基づき訓練を実施します。訓練中は進行管理担当者が全体を記録し、後の振り返りに活用します。システムの観点では、代替環境への切替手順や復旧処理の妥当性を実際に検証することが重要です。
振り返り・改善
訓練終了後は、必ず振り返りの場を設け、発生した課題や問題点を共有します。切替や復旧のためのフロー・手順書に変更点や改善点があれば、速やかに反映しましょう。
4. BCP訓練を成功させるポイント
BCP 訓練を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
最新のシステム構成や組織変更を反映させる
以下の要素は、日々のシステム運用で変更される可能性があります。
- システム構成図
- バックアップ先
- アプリケーションの依存関係
- 担当部署
- 人員体制
これらは訓練計画書や手順書の前提となるデータであるため、内容が古いままだと訓練と実際の環境にズレが生じるおそれがあります。 BCP 訓練では、最新のシステム構成や運用体制を前提とし、災害・障害といった非常時を想定した現実的なシナリオを設計することが重要です。
システム運用の専門パートナーと連携して現実的な訓練シナリオを設計する
システム面の BCP 訓練(バックアップデータの復旧や代替環境への切替など)には、高度な専門知識が求められます。そのため、システム運用の専門パートナーと連携し、復旧手順の妥当性や冗長構成の有効性を第三者視点で確認することがおすすめです。また、実環境に近い形で復旧テストを行うことで、緊急時にも迷わず対応できる体制を構築できます。
5. まとめ
BCP 訓練は、災害や障害発生時に事業を迅速に継続・復旧するための重要な取り組みです。しかし、実効性の高い訓練を実施するためには、最新のシステム構成を反映したシナリオ設計や、バックアップ・切替手順の検証など、専門的な知識と日々の運用管理が欠かせません。
Rworks では、システム構成の棚卸しから、復旧手順書の整備、バックアップや監視といった日常運用の最適化まで一貫して支援しています。 BCP 訓練の実効性を高めたい企業様や、運用体制に不安を抱える企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
Tag: BCP
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