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VMwareのSDDCソリューションとその代替案
VMware Cloud Foundation ( VCF )は、 Broadcom (旧 VMware 社)が提供する SDDC ( Software-Defined Data Center )ソリューションで、 vSphere や NSX など主要製品を統合したパッケージ製品です。サーバー・ストレージ・ネットワークなどのインフラを統合管理できるため、運用コストの削減や高い拡張性の実現が可能となります。
一方で、 Broadcom によるライセンス改定に伴い、 VCF の運用コストが従来よりも高額になる可能性があります。今後 VCF の導入を検討する企業は、クラウド基盤の選定において他社ソリューションも含めて比較検討することが重要です。
1. VMware Cloud Foundationの基本概念
VMware Cloud Foundation ( VCF )は、 SDDC の実現を目的に設計された統合インフラ基盤です。
SDDC(Software-Defined Data Center)とは?
SDDC とは、サーバー・ストレージ・ネットワークなど、データセンターの主要リソースをソフトウェアで定義・制御・自動化する概念を指します。
従来、各リソースは個別に構築・運用されていました。 SDDC を採用することで、これらを統合管理し、柔軟性と拡張性を持つクラウドライクな環境をオンプレミスでも構築できます。
VCF は Broadcom が提供する SDDC 製品で、 VMware の主要ソフトウェア群を統合したスイートとして構成されています。
主要コンポーネント
VCF を構成する主要なコンポーネントは以下のとおりです。
| 製品名 | 概要 |
|---|---|
| vSphere | サーバー仮想化の中核を担う基盤。物理サーバー上に複数の VM (仮想マシン)を構築・管理できる |
| vSAN | ストレージ仮想化ソリューション。サーバー内蔵ディスクを統合し共有ストレージとして利用できる |
| NSX | ネットワーク仮想化プラットフォーム。仮想ネットワークの構築やセグメンテーションによるセキュリティ制御ができる |
| Aria Suite(旧 vRealize Suite ) | 運用管理・監視・自動化を統合的に行うツール群。リソース最適化やライフサイクル管理を自動化し、運用負荷を軽減できる |
| SDDC Manager | VCF 全体の中核的な管理ツール。クラスタ構築、構成変更、パッチ適用などを自動化し、システム全体の一元管理ができる |
| Tanzu | コンテナ、 k8s ( Kubernetes )環境を統合的に管理するソリューション。 VM とコンテナの混在環境を一元的に運用できる |
VCF はこれらが一体となることで、インフラ運用管理の効率化を実現します。
2. VMware Cloud Foundationのメリット
VCF を導入する主なメリットは以下のとおりです。
インフラ環境の統合管理
VCF はサーバー・ストレージ・ネットワークなどのリソースを、すべてソフトウェアで統合管理できます。
従来は各リソースに対し、個別に構築やソフトウェアアップデートが必要でした。その際、各リソース間の連携や互換性を慎重に考慮しなければなりません。一方のコンポーネントのバージョンが上がると、他方との互換性が失われるリスクがあるためです。
VCF では SDDC Manager を中心に構成変更やパッチ適用などの運用タスクを自動化できます。運用管理の属人化を防ぎ、システム全体の一貫性と安定化が可能です。
クラウド環境との高い連携性
オンプレミス環境とクラウド環境を容易に統合できる点も VCF の大きなメリットです。
VMware Cloud on AWSやAzure VMware Solution ( AVS )など、クラウドサービスとの互換性が高く、ワークロード移行を容易に実施できます。オンプレミスシステムの一部をクラウドに拡張するハイブリッドクラウド運用により、ピーク時のリソース増強や災害対策(BCP)への柔軟な対応が可能です。
クラウド環境との接続時は VMware HCX を利用すると、よりスムーズな移行が実現します。
新技術への高い拡張性
VCF は VM だけではなく、 k8s を中心としたコンテナ環境にも対応しています。
VCF には Tanzu が統合されており、従来の VM 環境とコンテナ環境を同一基盤上で運用できます。これにより、アプリケーションのモダナイズやマイクロサービス化など、最新の IT 戦略にも迅速に対応可能です。
3. ライセンス体系と今後の選択肢
VCF はほかの VMware 製品と同様にライセンス改定が行われました。これにより、改訂前よりも導入・運用コストが高くなる可能性があります。
VMware Cloud Foundationのライセンス体系
VCF は 2023 年に、従来の永続ライセンス方式からサブスクリプション方式へ移行しました。
主な変更点は以下のとおりです。
- ライセンスキーが「個別コンポーネントのライセンスキー」から「ソリューション・ライセンスキー」へ移行
- 課金体系が「プロセッサ/ソケット数課金」から「物理コア数( per-core )課金」へ移行
- 最低購入コア数の設定
- クラウド環境への持ち込み( BYOL : Bring Your Own License )条件の強化
VCFのライセンス体系は「サブスクリプション+統合キー+コア課金」へと刷新されました。導入や更新時には、コスト構造と契約条件を踏まえた選択が重要です。
vSphere のライセンスは 16 コアが最小単位で、 vSAN のストレージはライセンスのコア数(最小 16 )×ライセンス数× 1 TiB が付与されます。よって、ストレージ容量を追加したい場合は vSAN の追加購入が必要です。
同様の他社製品
VCF と同様の機能を持つ他社製品には以下があります。
| 製品/選択肢 | 説明 | 今後の展望 |
|---|---|---|
| Nutanix Cloud Infrastructure ( NCI ) | HCI (ハイパーコンバージドインフラ)ソリューション | 「ワンクリックアップグレード」「ハイパーバイザ選択可」などの VCF と同等の機能を使いたい |
| Red Hat OpenShift | コンテナや k8s 基盤を重視したプラットフォーム | オンプレミス+クラウドで一貫したコンテナ基盤を構築したい |
| パブリッククラウド | VMware Cloud on AWS や AVS など、 パブリッククラウドが提供する VMware 環境 | ライセンス改定の影響を低減しつつ、既存の VMware 資産を活かしたい |
今後、 VCF を導入や更新を検討する企業は、上記を含めたコスト構造や将来性を比較することをおすすめします。
4. まとめ
VCF は vSphere 、 vSAN 、 NSX などの VMware 製品群を統合した SDDC ソリューションで、インフラの一元管理、運用の標準化・自動化を実現します。また、オンプレミスとクラウドのシームレスな連携や、 k8s への柔軟な対応も可能です。
VCF 導入は機能面でのメリットが大きい一方、近年のライセンス体系の刷新により、運用コストが従来より高くなる可能性があります。導入を検討する企業は、コスト構造や契約条件を十分に理解し、他社製品も含めた比較検討を行うことが重要です。
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Tag: VMware
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