Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Bot Serviceとは?ボットアプリの基礎知識とAzure Bot Serviceの概要と特徴を解説

Category: 入門編

2022.08.12

ボットはどんなことができる?Azure上での柔軟かつ多機能なボットの作り方を解説

最近、SNS などで「ボット」や「チャットボット」という言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか。ネット上では、ボットを利用したサービスが増えていますが、ボットとはどのようなものでしょうか。

ボットとは、単純な作業をコンピュータが代わりに行ってくれるアプリケーションのことを指します。シンプルですが、人間がやると時間がかかる面倒な作業を代わってくれるため、さまざまなサービスで活用されています。

Azure でもこうしたボットを簡単に作成・公開できる「 Azure Bot Service 」というサービスを提供しています。本記事では、ボットの基礎知識と、Azure Bot Service の概要や特徴、認証方法、連携できるサービスなどについて解説します。

1. ボットとは

ボットは Web 上や身近なデバイスでも活躍しています。まず、ボットの概要と身近な活用シーンについて解説します。

1.1 ボットの概要

ボット( Bot )とは、ロボット( Robot )から生まれた言葉で、コンピュータやインターネット上で、一定のタスクや処理を自動化するためのアプリケーションやプログラムのことを指します。一般的にボットは単純なプログラムで組まれていますが、人間がやると時間がかかる面倒な作業を代替するためにさまざまな場面で利用されています。

ボットは便利ですが、基本的にシンプルなプログラムであるため、事前に定められた単純な作業しかできず、人間と同じような臨機応変な対応や作業を行うことはできません。

1.2 身近で活躍しているボット

私たちの身近で活躍しているボットとして、下記のようなものがあります。

  • チャットボット
  • Siri/Google アシスタント
  • Web クローラ

チャットボット

チャットボットとは「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、AI (人工知能)を活用した自動会話プログラムです。企業の Web サイトやサービスにおいて、「ユーザーと企業」を結び付けるコミュニケーションツールとして活用されています。

Siri/Google アシスタント

Siri/Google アシスタントは、スマートフォンやタブレットに搭載されている AI アシスタントと呼ばれる機能です。AI アシスタントは、AI (人工知能)によって個人のタスクをサポートする機能で、持ち主の声を検知し、音楽の再生や Web での検索などさまざまなタスクをサポートします。

Web クローラ

Web クローラとは、インターネット上のあらゆる場所から動画、画像、テキストなどの Web コンテンツをクローリングし、情報を収集するプログラムです。 Web の情報を収集し検索しやすい状態にするため、検索エンジンなどに活用されています。

2. Azure Bot Service とは

マイクロソフトのクラウド、Azure では、ボットを簡単に作成できるサービスとして、Azure Bot Service を提供しています。ここでは、Azure Bot Service の概要と料金体系、必要なライセンスについて解説します。

2.1 Azure Bot Service の概要

Azure Bot Serviceの概要

図版出典:Microsoft 公式サイト

Azure Bot Service とは、Azure が提供する、ボットを作成するための統合開発環境です。テキスト形式のメッセージを処理するシンプルなボットから、他の Azure サービスと組み合わせて音声・言語認識などが可能な高機能なボットまでさまざまなボットを作成可能です。

また、チャネルと呼ばれる接続機能を使用することで、Facebook や Titter などの SNS や、Microsoft Teams 、Microsoft 365 メールなどのサービスと接続して柔軟なボットを作成することが可能です。

2.2 Azure Bot Service の料金体系

Azure Bot Service の料金体系は、Free ( F0 )と Standard ( S1 )の 2 つのプランがあります。それぞれのプランで、Standard チャネル、Premium チャネルの使用について下記のように定められており、基本的に Standard チャネルは無料で使用することができます。

Free プラン
Standard チャネル:無制限(無料)
Premium チャネル: 10,000 メッセージ / 月
Standard ( S1 )プラン
Standard チャネル:無制限(無料)
Premium チャネル: 1,000 メッセージあたり $0.50

※参考Azure Bot Service の価格

3. Azure Bot Service の特徴とメリット

他のサービスと比べて、Azure Bot Service を使用するメリットはどのようなものでしょうか。ここでは、Azure Bot Service の特徴とメリットについて解説します。

3.1 さまざまな言語に対応

Azure Bot Service は多くの言語に対応しています。対話型 UI を持つボットアプリ作成のためのフレームワークである Bot Framework を活用することで C# 、JavaScript 、Python 、Java (※プレビュー版)などさまざまな言語を使用してボットを作成することができます。

3.2 コードを書くことなく簡単にボットを作成可能

Azure Bot Service は、ローコードプラットフォームである Power Virtual Agents と連携することで、コードを書くことなく簡単にボットを作成することが可能です。

3.3 さまざまなサービスと連携させることが可能

チャネルを使用することで、Facebook や Slack など、普段使い慣れているサービスなどと接続し、ユーザーと通信させることができます。チャネルにより柔軟で高機能なボットを作成することができます。

4. Azure Bot Service の認証方法と連携サービス

Azure Bot Service は、マイクロソフトのサービスを含め、多くの外部サービスと連携することができます。ここでは、外部のサービスと連携する際の認証方法と、連携できるサービスについて解説します。

4.1 Azure Bot Service の認証方法

Azure Bot Serviceの認証方法

図版出典:Microsoft 公式サイト

Azure Bot Service でボットがユーザーに代わり、電子メールのチェック、カレンダーの確認、SNSなどの外部サービスへの投稿などを実行するためには、アカウント情報などセキュリティで保護されたリソースにアクセスし認証を行う必要があります。

Azure Bot Service では下記の認証を提供しています。

  • ボット認証
  • ユーザー認証

ボット認証

Azure Bot Service では、ボットを作成・登録すると、Azure AD( Azure Active Directory )への登録が行われます。 Azure AD では OAuth2.0 など標準のプロトコルを使用し、認証接続を生成します。

その接続をボットへ追加することで、ボットは認証接続に基づいてさまざまなトークンを使用して、ユーザーの保護されたリソースにアクセスができるようになります。

ユーザー認証

ユーザー認証は、ボットが Facebook や Slack などの外部サービスを呼び出す場合に行われる認証です。Azure Bot Service には OpenID プロバイダーを利用した OAuth 認証機能が組み込まれており、設定を行うことでユーザーの認証とボットの承認を行うことができます。

ボットが外部サービスを呼び出すには、外部サービスのユーザーを識別する「ユーザートークン」を使用します。 OAuth によりトークンが取得され、さまざまな外部サービスにアクセスが可能となります。

Azure Bot Service と連携できるサービス

Azure Bot Service では、下記のチャネルを介して外部のサービスやアプリケーション、Web サイトと接続して通信を行うことができます。チャネルごとに接続可能なサービスについて解説します。

  • Standard チャネル
  • Premium チャネル

Standard チャネル

Standard チャネルでは、 Microsoft のファーストパーティサービスおよび、一般提供されているボット API を使用するサービスとの接続が可能です。

  • Alexa
  • Direct Line
  • Microsoft365メール
  • Facebook
  • GroupMe
  • Kik
  • Line
  • Microsoft Teams
  • オムニチャネル
  • Outlook (プレビュー版)
  • Dynamics365 (プレビュー版)
  • Skype
  • Slack
  • Telegram
  • テレフォニー
  • Twilio
  • WeChat

Premium チャネル

Premium チャネルを使用すると、上記に加え、ユーザー独自のアプリケーションや Web サイトとの接続が可能となります。

5. まとめ

ボットは、シンプルなプログラムですが、 Web サイトや Web サービス、スマートフォンやタブレットなど、さまざまな場面で活躍します。 Azure Bot Service では、シンプルながらもマイクロソフトのサービスや多くの外部サービスと連携することで、柔軟で高機能なボットを作成できます。専門家のサポートを受けながら導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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Tag: Azure Bot Service

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