Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Power AppsとDataverseをAzure環境と連携し、Azureサービスを活用する方法

Category: 入門編

2022.08.15

Azure のサービスと連携して柔軟なアーキテクチャを実現するユースケースをご紹介

ビジネス環境の変化に素早く対応するために、アプリケーション開発はアジリティ(俊敏性)が重視されており、スキルのない人でも開発が可能なローコードツールの導入が進んでいます。

マイクロソフトでは Power Apps というローコードツールを提供しており、データプラットフォームである Dataverse と組み合わせることで、セキュリティの高いアプリケーションを簡単に実現できます。
さらに、Azure と連携することで、Azure のサービスを利用できるようになり、柔軟なアーキテクチャを実現できるようになります。

本記事では、Power Apps と Dataverse を Azure 環境と連携し、Azure サービスを活用するためのユースケースについて解説します。

1. Power Apps とは

Power Apps は、マイクロソフトのクラウド上で動作するローコードツールです。まず、Power Apps の概要と Power Apps でできることについて解説します。

1.1 Power Apps の概要

Power Apps とは、Microsoft 365 や Dynamics 365 など、マイクロソフトのクラウド上で動作可能なアプリケーションをコーディング無しで簡単に作成する ローコードツール です。

PowerPoint のような視覚的かつ直観的な操作と、Excel のような関数を入力するだけで簡単に業務アプリケーションを作成することができます。

基盤データプラットフォームである Dataverse や、SharePoint 、Microsoft 365 、Dynamics 365 、SQL Server といったデータソースに接続することで、これら様々なデータを安全に保存・管理しながらアプリケーションの実行が可能となります。

1.2 Power Apps でできること

Power Apps は高い柔軟性が特徴です。Power Apps でできることは下記の通りです。

  • 現場レベルの要件で柔軟にビジネスアプリケーションを作成できる
  • 短期間・低コストで簡単にアプリケーションを作成できる
  • さまざまなデータ・サービスと連携できる

Power Apps は小規模な業務アプリケーションを柔軟かつ簡単に作成できることが大きな特徴です。プログラミングスキルのない人でも、数時間から数日でアプリケーションを作成できます。

Power Apps は、コネクタと呼ばれる、外部のサービスと接続するためのインターフェースが用意されており、マイクロソフト製品はもちろん、外部の数百以上のサービスと連携することができます。さまざまなデータ、サービスと連携しながら柔軟なアーキテクチャを実現可能です。

2. Dataverse とは

DataVerse の概要について解説します。

2.1 Dataverseの概要

Dataverse とは、ビジネスアプリケーションによって使用されるデータを安全に保存し、管理することができるクラウドベースのデータプラットフォームです。Power Apps を含む Microsoft Power Platform から接続して利用が可能です。セキュリティで保護されたクラウドベースのデータ用ストレージオプションが用意されており、Dataverse 内のデータはリレーショナルデータベースのテーブルのように保存されます。

2.2 Dataverse でできること

DataVerse でできることは下記の通りです。

  • データ管理を簡略化できる
  • データのセキュリティ保護ができる
  • ストレージの高い可用性と拡張性を確保
  • ニーズに合わせたさまざまな接続方法を提供

Dataverse は Azure のデータベースサービスをベースとして、視覚的なインターフェースを用意したソリューションです。データ管理を視覚的に行えるため管理が簡略化でき、Azure AD と 連携したアクセス管理を行うことで高いセキュリティを確保可能です。

また、マイクロソフトのクラウドが持つ高い可用性・拡張性も備えています。Power Apps を含む Power Platform 製品と連携が可能で、柔軟なアプリケーション実行環境を構築可能です。

3. ユースケース| Power Apps と Azure の統合

マイクロソフトの独自クラウドで動作する Power Apps と、Azure クラウドを接続し Power Apps から Azure 上のサービスを使用するユースケースを解説します。Azure と統合することで、Azure のさまざまなサービスを使用できるようになり、開発生産性の向上や、変化するビジネスニーズに対する適切かつ迅速な対応が期待できます。

3.1 Power Apps と Azure を統合する方法

PowerAppsとAzureを統合する方法

Power Apps と Azure を統合して利用するには、下記のステップで Power Apps から Azure の API を呼び出すことで Azure のサービスを利用することができるようになります。

  • Azure Functions で処理を作成
  • Azure API Management への登録
  • コネクタの作成と Power Apps アプリケーションからの呼び出し

Azure Funcitons で処理を作成

Power Apps から Azure の機能を利用するには、Azure Functions を使用します。 Azure Functions により、Azure のサービスと連携が可能です。例えば、HTTP トリガーにより HTTP 要求で実行可能な関数を作成したり、ファイルのアップロードを検知してデータベースサービスへの登録したりなどさまざまな方式で、Azure サービスと連携する関数を作成できます。

Azure API Management への登録

Azure API Management とは、Azure が提供するフルマネージドな API ゲートウェイサービスです。自作のさまざまな Web API を一括で統合管理し、呼び出し側に対して API を介して様々なサービスを仲介します。

先ほど作成した Azure Functions の関数を Azure API Management へ追加することで、機能を管理し、Power Apps のアプリケーションへ Azure Functions の関数経由で Azure のサービスを提供することができます。

コネクタの作成と Power Apps アプリケーションからの呼び出し

コネクタとは、 Power Apps と通信できるようにするためのプロキシ、ラッパーとして動作するオブジェクトです。 Power Apps のアプリケーションは、コネクタを使用することで Azure のサービスと連携することができます。

Azure API Management へ追加した API を、Power Apps へコネクタとして読み込ませて名前を付けることでコネクタとして利用可能となります。
その後 Power Apps アプリケーションからコネクタを指定して、Azure API Management と Azure Functions 経由で、Azure サービスを利用することができるようになります。

4. ユースケース| Dataverse と Azure の統合

Dataverses を Azure 上で使用するユースケースについて解説します。Power Apps と同様に、Azure と統合することでさまざまなサービスと連携が可能となり、ニーズに合わせてさまざまなアーキテクチャのアプリケーションを実現できるようになります。

4.1 DataVerse と Azure を統合する方法

DataVerseとAzureを統合する方法

図版出典:Microsoft 公式サイト

Dataverse は、Azure との統合に対応しているため、Azure と統合するための手段が多数用意されています。Dataverse と下記 Azure のサービスを接続するためのプラグインが提供されており、それを利用することで Azure のサービスと連携させることができます。

Azure Logic Apps
ワークフローを作成し、ビジネスプロセスをフロー化してクラウドやオンプレミス上のサービスと連携させたい場合
Azure Service Bus
オンプレミスとクラウドベースのアプリケーションやサービスに接続して、メッセージングワークフローを実装したい場合
Azure API Management
社内の開発者用と社外の開発者用の API を発行し、さまざまな場所でホストされているシステムへの接続に使用できるようにしたい場合
Azure Event Grid
イベント駆動型のパブリッシュ / サブスクライブモデルを使用して、Azure サービスやサードパーティ製のサービスに接続し、イベント駆動型アプリケーション開発を行いたい場合
Azure Event Hubs
最大数十万件のデータソースからデータをリアルタイムに取得し、1 秒あたり 100 万件レベルのイベントをストリーミングしたい場合

5. 必要なライセンス

Power Apps では、従量課金プランとサブスクリプションプランが用意されています。Office 365 のプランの中でも Power Apps を利用可能なものがありますが、Azure と連携するためのカスタムコネクタに対応していないため、本ユースケースでは選択しません。

参考記事:
  • a href=”https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/pricing/” target=”_blank” rel=”noopener”>Power Apps の価格

6. まとめ

本記事では、Power Apps と Dataverse を Azure と接続・統合して利用するユースケースを紹介しました。それぞれ単独でも柔軟な業務アプリケーションを実現可能なソリューションですが、Azure と統合することで Azure のサービスと連携しさまざまなアーキテクチャのアプリケーションを開発できるようになります。ぜひ専門家の支援を受けながら、導入を検討してみてください。

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Tag: Power Apps

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