目次
Azure Monitorログの保存先や保存期間、利用料金も詳しく解説
Azure Monitor の機能の一つである Azure Monitor ログは、ログやパフォーマンスデータなどを収集できます。インシデントの状況・原因の分析やシステムの利用状況の把握などに役立ち、何百万単位のレコードであってもスピーディーに分析できる点が魅力です。
また、トラブルがあった際のアラートルールの設定やダッシュボードでのデータの可視化など、ユーザーが運用しやすい機能を多く搭載しています。本記事では、 Azure Monitor ログの特徴、利用するメリットについて解説します。
1.Azure Monitorログとは
Azure Monitor ログとは、 Azure Monitor のログ収集をサポートしているデータプラットフォームのことです。 Azure Monitor の様々な監視対象からログやパフォーマンスデータ等をスピーディーに収集します。収集したデータは、アプリケーションのパフォーマンスを把握したり、システムが継続して稼働できるかどうかの目安にしたり、幅広い用途で利用可能です。
Azure Monitor は、何百万単位のレコードやログデータをスピーディーに分析できます。大量のログデータの分析には KQL ( Kusto Query Language )と呼ばれる高度なクエリ言語を利用しています。この KQL を活用すれば、特定のレコードを取得したり、監視データのパターンを特定したり、高度なデータ分析も可能です。

図版出典:Microsoft 公式サイト
他にも、 Log Analytics を使用してログクエリを対話形式で操作したり、アラートルールを設定してトラブルを事前に通知される仕組みを構築したり、ダッシュボードでログの状況・結果等を視覚化したりできます。
Azure Monitor をサポートするデータプラットフォームは 2 つあり、 1 つは Azure Monitorログで、もう 1 つが Azure Monitor メトリックです。 Azure Monitor メトリックは時系列のデータベースに数値データを格納する役割を担います。 Azure Monitor メトリックは Azure Monitor ログよりもデータが軽いため、リアルタイムで問題の警告や検出等を行える点が大きな魅力です。
2.Azure Monitorログの特徴
Azure Monitor ログでは、スピーディーに収集したデータを有効に使える機能を多く搭載しています。この章では、 Azure Monitor ログの特徴や特徴を活かしてどのようなことができるのかを簡潔に解説します。
分析
Log Analytics を使用してログクエリを書き込み、強力な分析エンジンを使用してログ データを対話形式で分析することが可能です。
Alert
クエリの結果が特定の結果に一致したときに、アラートで知らせたり、自動化されたアクションを実行したりします。ログ警告ルールの構成も可能です。
視覚化
テーブル、グラフに表示されているクエリ結果を Azure ダッシュボードにピン留めします。クエリの結果を Power BI にエクスポートし、 Azure を利用している外部ユーザーと共有するといったやり方も可能です。他にも、クエリの結果を Grafana にエクスポートし、ダッシュボート機能を使って他のデータソースと結合することもできます。
エクスポート
Azure ストレージ アカウント、または Azure Event Hubs へのログデータの自動エクスポートも可能です。 Azure Logic Apps を使用し、ログデータの取得や任意の場所へのコピー、ワークフローの構築などもできます。

図版出典:Microsoft 公式サイト
3.Azure Monitorログの保存先や保存期間、料金について
この章では、 Azure Monitor ログで収集したログの保存先や保存期間、料金について解説します。
ログの保存先・保存期間
Azure Monitor ログは、「 Log Analytic ワークスペース」に様々なデータを収集します。
この Log Analytics ワークスペースに取り込まれたデータは、最初の 31 日間までは無料で保持することが可能です。無料期間を超えてから保持されたデータに関しては、 1 か月間保持されたデータ( 1 GB ごと)に対して料金が請求されます。これらは日割りで計算される仕組みです。 1 GB あたりの料金は、 $0.13 /月になっています。
Log Analytic ワークスペースに取り込まれるデータは、「 Analytics Log 」と「 Basic Logs 」の 2 種類のログが存在します。 Analytics Log を使用すれば、最大 2 年間の保持オプションを利用でき、さらに最大 7 年間のデータアーカイブを使用した上で強力な分析クエリを使用できるようになります。
基本ログを使用する場合、最大で 8 日間対話形式でデータを検索できます。このデータは最大で 7 年間アーカイブできる点がメリットです。基本ログの場合、デバッグやトラブルシューティング、監査に使用でき、大量のログを格納するためのコストを削減できるのがメリットになります。しかし、詳細な分析・アラートには使用できません。
Azure Monitorログの料金
Analytics Log のデータに関する料金は、従量課金制とコミットメントレベルの 2 つの方法があります。従量課金制の場合、取り込まれたデータ量に応じて、適切な価格が設定される仕組みです。容量 1 GB につき、 $2.99 となっています。
コミットメントレベルの場合、想定されるデータ量に対して固定料金が 1 日あたり 100 GB から請求される仕組みです。コミットメントレベルを超過して取り込まれたデータは、現在のレベルと同じ GB あたりの価格で課金されていきます。
詳しくは Microsoft 公式サイトをご参照ください。
- 参考記事:
- Azure Monitor の価格
4.Azure Monitorログを利用するメリット
この章では、 Azure Monitor ログを利用するメリットについて解説します。
内部のインシデントの状況や原因などを分析できる
1 つ目のメリットは、内部のインシデントの状況や原因などを分析できる点です。
例えば、操作ミスや内部の人間による情報漏えいなどのインシデントが発生した際に、ログを分析することによって、状況・原因などを即座に分析できます。
Azure Monitor ログでは、 KQL を利用し、何百万単位のログデータの収集・分析をスピーディーに行えるのが大きな魅力です。ログデータの収集・分析を即座に行えれば、インシデントの被害を最小限に抑えるための対策も立案しやすいでしょう。
システムの利用状況把握にも役に立つ
2 つ目のメリットは、システムの利用状況把握に役に立つ点です。 Azure Monitor ログで収集したログは、システムの利用状況の把握にも役に立ちます。
例えば、 Web サイトのアクセスログから、ユーザーが参照している画面や画面遷移情報などの、 Web マーケティングに役立つデータ収集が可能です。システムの監視としての利用だけではなく、企業のマーケティング活動の利用にも対応できます。
5.まとめ
Azure Monitor ログでは、スピーディーに収集したデータを有効に使える機能を多く搭載しています。 Azure Monitor の監視対象からログやパフォーマンスデータ等をスピーディーに収集でき、 Azure のアプリケーションのパフォーマンスを把握したり、システムが稼働状況を把握したり、様々な用途で利用できます。
Azure Monitor ログを利用すれば、内部のインシデントの状況・原因などを素早く分析できるようになるため、インシデントの被害を最小限に抑えられるようになるでしょう。
Azure Monitor ログの利用料金は、取りこんだデータに応じて大きく変動します。そのため、自社の規模・扱うデータ量を考慮した上での導入の検討をお勧めします。自社で設定・運用が難しい場合、詳細の導入に当たっては専門家への相談をご検討ください。
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Tag: Azure Monitorログ
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