Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Microsoft Purview の具体的な使い方は?連携できるサービスやデータ形式まで踏み込んで解説

Category: 入門編

2023.03.13

DX 時代を見据えた企業のデータ管理の在り方とは?クラウドを活用した方法を解説

DX を見据えたデータ活用の重要性が叫ばれるなか、自社の業務データを一元的に管理し、自社専用のデータ分析基盤の構築を進める企業が増えています。

データ分析基盤を構築するためには、自社が扱うデータの全てを把握し管理する「データガバナンス」の確立が重要です。マイクロソフトでは、企業のデータガバナンスを実現するために Microsoft Purview というサービスを提供しています。

本記事では、 Microsoft Purview の概要と料金体系から、連携できるサービスやデータ形式、利用方法など、 Microsoft Purview の具体的なサービスの内容について解説します。

1. Microsoft Purview とは

Microsoft Purview を利用してどのようにデータガバナンスを確立するのでしょうか。まず、 Microsoft Purview の概要と料金体系について解説します。

Microsoft Purviewの概要

Microsoft Purviewの概要

図版出典:Microsoft 公式サイト

Microsoft Purview とは、マイクロソフトが提供するサービスのひとつで、組織のデータガバナンス、コンプライアンス確立を目的とした、データ資産全体を管理や保護、管理するためのソリューションです。Microsoft Purview は、Azure Purview と Microsoft 365 のコンプライアンスとリスク管理ソリューションを統合したサービスになります。

Microsoft Purview は、オンプレミスと SaaS を含むマルチクラウドに物理的に分散しているデータ資産全体をカタログ化し、データマップという形でデータの一元管理と可視化、統制機能を提供します。

これらの機能により企業は下記のメリットを享受できます。

  • 組織全体のデータ資産の可視化
  • データやセキュリティ、およびリスクソリューションへのアクセスを有効化
  • クラウド、アプリ、エンドポイント間で機密データを保護および管理
  • エンドツーエンドのデータ リスクと規制コンプライアンスの管理
  • 組織が新しい包括的な方法でデータを管理・保護

Microsoft Purviewの料金体系

Microsoft Purviewは、利用した分だけ課金される従量課金制(※ 1 )となります。

データ検索や正常性分析を行うための Microsoft Purview Data Map と Data Estate Insights を利用する際は、「容量ユニット( CU )」という単位で時間課金が行われます。

また、データの検出、系列の関係性の特定などを行う Data Catalog については、データ資産の検索と参照およびビジネス用語集、データリネージの可視化は Data Map の料金に含まれます。

ビジネスワークフロー、セルフサービスによるデータアクセスはプレビュー段階では無料となります。

2. Microsoft Purviewと連携できるサービスとデータ形式

Microsoft Purview は、企業が扱う全てのデータ資産を管理・統制するために、数多くのサービスと連携し、さまざまなデータ形式を扱うことができます。ここでは Microsoft Purview と連携できるサービスと、利用できるデータ形式について解説します。

Microsoft Purviewと連携できるサービス

Microsoft Purview は Azure だけでなく、 AWS や Google 、 Oracle などのクラウドサービスや、サードパーティの SaaS など多くのサービス(データソース)と連携が可能です。

Microsoft Purview でサポートしているサービスは下記の通り(※ 2 )です。

  • Azure サービス
  • データベース製品/サービス
  • ファイルサービス
  • SaaS /クラウドアプリケーション

Azureサービス

Microsoft Purview は、下記の Azure サービスとの連携が可能です。

  • Azure Blob Storage
  • Azure Cosmos DB
  • Azure Data Explorer
  • Azure Data Lake Storage Gen1
  • Azure Data Lake Storage Gen2
  • Azure SQL Database
  • Azure SQL Database Managed Instance
  • Azure Synapse Analytics
  • Power BI
  • SQL Server

データベース製品/サービス

Microsoft Purview は、下記のデータベース製品やサービスとの連携が可能です。

  • Amazon RDS
  • Cassandra
  • Db2
  • Google BigQuery
  • Hive メタストア データベース
  • MongoDB
  • MySQL
  • Oracle
  • PostgreSQL
  • SAP Business Warehouse
  • SAP HANA
  • Snowflake
  • SQL Server
  • Azure Arc 上の SQL Server
  • Teradata

ファイルサービス

Microsoft Purview は、下記のファイルサービスとの連携が可能です。

  • Amazon S3
  • HDFS

SaaS・クラウドアプリケーション

Microsoft Purview は、下記の SaaS ・クラウドアプリケーションとの連携が可能です。

  • Erwin
  • Looker
  • PowerBI
  • Salesforce
  • SAP ECC
  • SAP S/4 HANA

Microsoft Purview で利用できるデータ形式

Microsoft Purview で利用できるデータ形式は下記の通り(※ 3 )です。
なお、 Microsoft Purview Data Map では、カスタム ファイル拡張子とカスタム パーサーもサポートされています。

  • 拡張子でサポートされる構造化ファイル形式
  • 拡張子でサポートされるドキュメントファイル形式

拡張子でサポートされる構造化ファイル形式

Microsoft Purview で利用できる構造化ファイル形式は下記の通りです。

AVRO、ORC、PARQUET、CSV、JSON、PSV、SSV、TSV、TXT、XML、GZIP

拡張子でサポートされるドキュメントファイル形式

Microsoft Purview で利用できるドキュメントファイル形式は下記の通りです。

DOC、DOCM、DOCX、DOT、ODP、ODS、ODT、PDF、POT、PPS、PPSX、PPT、PPTM、PPTX、XLC、XLS、XLSB、XLSM、XLSX、XLT

3. Microsoft Purview の利用方法

Microsoft Purview の具体的な利用方法について解説します。

  • アカウント作成
  • コレクションの作成
  • データソースの登録とスキャン

アカウント作成

Microsoft Purview を利用するためには、まず Microsoft Purview のアカウントを作成する必要があります。

Azure アカウントで Azure Portal へサインインし、 Microsoft Purview を検索します。
次に Microsoft Purview の画面から Azure Purview アカウントを新規作成することができます。

なお、アカウント作成は Azure PowerShell または Azure CLI を使用することでも可能です。また、Azure Portal だけでなく、マーケットプレイスから Microsoft Purview にアクセスし、そこからアカウント作成もできます。

コレクションの作成

Microsoft Purview アカウントを作成したら、コレクションを作成します。

コレクションとは、データ資産、データソース、および情報全体の所有権とアクセス制御を管理するための論理的な管理単位です。 Microsoft Purview のガバナンスポータルからコレクションを作成できます。

コレクション作成後は、コレクションに対するアクションを作成、読み取り、変更、および削除が可能な「データキュレーター」や、読み取りだけを許可する「データリーダー」などのロールを作成し、コレクションに対してユーザーアクセス許可を割り当てます。

データソースの登録とスキャン

Microsoft Purview の利用方法 データソースの登録とスキャン

図版出典:Microsoft 公式サイト

Microsoft Purview に管理対象となるデータソースを登録して管理します。

Microsoft Purview ガバナンスポータルから、 Azure Blob Storage などさまざまなデータソースを選択し、登録を行います。登録後、データソース内のファイルをデータ資産として登録・管理するため、データソースのスキャンを実施します。

データソースは作成したコレクションにグループ化して管理することが可能です。

4. まとめ

本記事では、 Microsoft Purview の概要と連携できるサービスやデータ形式、具体的な利用方法について解説しました。 DX を見据えたビジネスの見直しや新規ビジネス創出には、自社が扱うデータを把握し分析を行うためのデータガバナンスの確立が重要です。ぜひ専門家の支援を受けながら、 Microsoft Purview の導入を検討してみてください。

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Tag: Microsoft Purview

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