Azure Managed Service Column ＜Azure運用コラム＞Azure Portalの障害とは？障害に対処する方法を解説

障害に対して適切かつ迅速に対応を行うことが求められている

障害が発生した時に、障害が発生してから対策を考える場合と、日常的に障害への対策を考えている場合では大きな違いがあります。

日常的に障害への対策を考えている場合、障害が発生してから復旧するまでの流れもスムーズに行える場合が多いです。このことは、 Azure Portal の障害についても同様のことが言えます。

本記事では、 Azure Portal の障害について解説します。また、障害発生時の初期対応、トラブルシューティングの手順を取り上げ、障害への対応フローを具体的に説明します。さらに、回避策と解決策も解説するので、日常的に障害への対策を考える際の参考にしてください。

1. Azure Portalの障害

ここでは、 Azure Portalで起こりうる一般的な障害の内容について解説します。 Azure Portal 障害に関連するトラブルシューティングの前提知識として、理解しておくとよいでしょう。

一般的な障害の種類

Azure Portalの一般的な障害の種類として、 Azure Portal にサインインできないなどの認証上の障害が挙げられます。また、Azureが提供するサービス自体がダウンしている場合や、サービスのレスポンスが落ちている場合もあります。

さらにセキュリティ上の障害として、 Azure Portal が外部からの不正アクセスやセキュリティホールを狙って攻撃を受けることも考えられます。

障害を示す兆候やサイン

認証上の障害を示す兆候やサインとしては、正しい Azure アカウントとパスワードで Azure Portal にサインインしようとしても、サインインできないことが挙げられます。 Azure が提供するサービスに問題がある場合の障害は、 Azure Monitor を利用するなどして検知できます。

不正アクセスについては、 Azure AD Identity Protection を活用することで、リスクを事前に防ぐことができます。また、セキュリティホールについては、 Azure Security Center を活用しセキュリティ上の障害の兆候やサインを調べることができます。

2. 障害発生時の初期対応

ここでは、 Azure Portal の障害が発生した時に、初期に対応すべき内容について解説します。適切な初動対応を行えるようにするために、ここでの内容を参考にしてみてください。

Azureサービスヘルスダッシュボードを確認する

Azureサービスヘルスダッシュボードでは、 Azure が提供するサービスの障害を即座に確認できます。このため、 Azure Portal に障害が発生し、原因が不明な場合は、 Azure サービスヘルスダッシュボードを確認することから始めると障害の原因の切り分けにつながりやすいです。

Azureコミュニティを活用する

Azureコミュニティでは、 Azure に関する技術者同士による情報共有が行われます。このため、 Azure Portal の障害に関する情報も Azure コミュニティで確認できる場合があります。

また、既存の情報が存在しない場合も、発生した障害の情報を Azure コミュニティで発信することで、他の技術者の力を借りて障害の解決につなげることができる場合があります。

Azureの公式ドキュメントを参照する

Azureの公式ドキュメントには、通常の運用の方法だけではなく、障害時のトラブルシューティングについても情報が提供されています。まさに起きている事象と同様の障害事例が掲載されていることもあり、 Azure の公式ドキュメントを参照することで、障害を解決できる場合も多いです。

3. トラブルシューティングの手順

ここでは、 Azure Portal の障害の実際のログの確認や、具体的な障害への対処について解説します。手順を身に付けることで、冷静にトラブルシューティングをできるようになります。

Azure Portalのログより障害原因を特定する

Azure Portalのログには、アクティビティログと監査ログが存在します。アクティビティログは、 Azure が提供するサービスで行われた操作に関してログを出力します。

このため、 Azure が提供するサービスに問題がある場合の障害は、 Azure Monitor と併用してアクティビティログを確認するとより効果的です。

監査ログは、セキュリティ上の障害などに関してログを出力します。このため、セキュリティ上の障害に関しては、 Azure AD Identity Protection や Azure Security Center と併用して監査ログを確認するとより効果的です。

例えば、許可されていないユーザーから Azure Portal にアクセスしたときのログは、以下のように表示されます。

図版出典：Japan Azure Identity Support Blog

Azure Portalの障害に対処する

Azure Portalの障害に対処するには、ここまでの解説で説明した、 Azure サービスヘルスダッシュボードを確認すること、 Azure コミュニティを活用すること、 Azure の公式ドキュメントを参照すること、 Azure Portal のログより障害原因を特定することを組み合わせて対処する場合があります。

例えば Azure サービスヘルスダッシュボードを確認しただけでは、 Azure Portal の障害に対処できないような場合も、 Azure サービスヘルスダッシュボードを確認したことにより得た情報を基に、 Azure コミュニティで有識者の知見を求めるなど、組わせて応用的に対応することで障害に対処できる場合も多いです。

4. 回避策と解決策

ここでは、 Azure Portal の障害への回避策と解決策を解説します。未然に障害を回避し、実際にトラブルが起きた時に解決する方法を理解して、業務で活用してください。

Azureのステータスを参照する

Azureの状態に変化が生まれると、 Azure のステータスにも変化が生まれます。このため、 Azure Portal が危険な状態になった場合、早めに Azure のステータスを確認することで、深刻な障害が発生することを事前に回避できる場合があります。

Azureのステータスを確認するためには、次の Microsoft Azure のリンクから参照できます。

https://azure.status.microsoft/ja-jp/status

上記のページは、指定の時間間隔で自動更新されるので、定期的に Azure のステータスを確認する習慣付けをすると良いです。

Azureのサポートに問い合わせる

Azure Portalの障害が起きた場合の、最終的な解決策は Azure のサポートに問い合わせる方法によります。過去に同様の障害の事例もなく、対処できない障害に出くわした場合は、専門知識を持った Azure のサポートの担当者の協力を得て個別に対処する必要があります。

Azureのサポートは、 Azure Portal について最もプロフェッショナルであるとも言え、 Azure のサポートから得た知識は以後の業務でも活用すると良いです。留意点としては、Azure のサポートを活用する場合、コストも考える必要がある点です。

5. まとめ

Azure Portalの障害に対処することで、 Azure Portal を障害から復旧させることができ、損害の発生を最小限に抑えることができます。このため、 Azure Portal の運用において、障害対応は最も重要な内容であるとも言えます。障害が発生する可能性がある危機感を持ち、良い意味での緊張感を持つと良いでしょう。

ぜひこの記事を参考にして、 Azure Portal の障害に対処する方法を理解し、業務で活用してみてください。

Microsoft Azureを利用したシステムの設計・構築を代行します。お客様のご要件を実現する構成をご提案・実装いたします。

Tag： Azure portal

• 

  Azure Portalへのアクセスに必要なURLや操作方法、設定から運用のポイントまでを詳しく解説

• 

  AVDクライアントとは？種類や機能、使い方をわかりやすく解説