Kubernetes Managed Service Column <Kubernetes運用コラム>

Kubernetes Statefulsetとは?ステートレスな環境が業務に及ぼす効果を解説

Category: 入門編

2024.02.05

システムやインフラで、ステートフルで可能性が高い状態が求められている

Statefulsetの名前にあるステートフルとは、データの状態を保持し、次の処理にもデータを反映させることを言います。これに対して、ステートレスとはデータの状態を保持しないので、次の処理にデータを反映させることができません。

システムにおいてデータの活用が多様化される中で、データの状態を保持できることが実用的です。 Kubernetes においては、データをステートフルに扱う際に Statefulset が活用できます。

本記事では、 Kubernetes Statefulset (以下、 Statefulset ) について説明するので、 Statefulset を導入する際の参考にしてください。

1. Kubernetes Statefulset導入の前提知識

ここでは、 Statefulset を実際に導入する際に、必要となる前提知識について解説します。まずは、前提知識を理解することで、 段階的に Statefulset に対する理解を深めてください。

Statefulsetの基本的な役割と概念

Statefulset にはユニークな識別子を持つ Pod が属します。 Pod が Kubernetes クラスター内でデータの状態をステートフルに保持することで、データは永続化されます。次の参考図は、 Pod がデータの状態をステートフルに保持している具体的な例です。

Statefulsetの基本的な役割と概念

Pod は順序付けて保持することができ、参考図の場合は、 mysql-0、 mysql-1、 mysql-2と順序付けられています。また、 Statefulset はネットワークの状態を維持するために活用することもできます。

なぜStatefulsetが必要なのか

データを用いる作業において、多くの場合はデータが消滅することなく、永続化される必要があります。このため、データを永続化できる Statefulset はデータを用いる作業で必要となります。

また、 Statefulset を使用することで、Pod を順序付けて保持できるため、デプロイも順序付けて行うことができます。さらに、ネットワークの状態の安定性を高め、可用性の高いネットワーク環境を構築することができます。このような利点から、Statefulset が不可欠です。

2. Statefulsetの使用にあたって

ここでは、 Kubernetes Statefulset を使用する際に、知っておくと役に立つ内容について解説します。システム管理者やデータベースエンジニアといった、特筆すべきポジションの方に向けた内容も解説しますので、参考にしてください。

デプロイメントとアップデートにおいて

Statefulset でデプロイするためには、 Statefulset の定義の中で必要な Pod を指定します。デプロイ時に、Pod がユニークな識別子を持ち、デプロイメントが行われます。 Statefulset の定義については、以下の Kubernetes の公式サイトを参照することをおすすめします。

https://kubernetes.io/ja/docs/concepts/workloads/controllers/Statefulset/

Pod をアップデートする際には、アップデート方法を選択して行うことができます。アップデート方法の 1 つであるローリングアップデートでは、段階的なアップデートを行うことができます。

システム管理者のためのStatefulsetの設定、運用

システム管理者は、 Statefulset の設定において、 Pod の指定などを行います。 運用においては、 Pod の状態を確認し、可用性を高めることにより障害に対する対策を行います。

システム管理者は、日々の運用の中で、ログを確認する際はコマンドラインで確認することもできます。コマンドのオプションを使うことで Pod 内の特定のコンテナについてのみログを確認することができるなど、さまざまな運用方法が可能です。

データベースエンジニアのためのデータベースデプロイメント

データベースは、集合的にデータの状態をステートフルに管理するために用いられます。このため、 Kubernetes 内でデータベースを利用する際に、 Statefulset が活用できます。

データベースエンジニアは、データベースの設定や、運用を主な作業とします。このような作業を行うデータベースエンジニアにとっての、データベースデプロイメントにおいて Statefulset はとても有効です。

3. Statefulsetの活用

ここでは、 Statefulset の活用方法を解説します。 Statefulset の利用範囲や効果に関する情報を提供しますので、 業務でStatefulset を活用する際の参考にしてください。

Statefulsetの利用範囲

Statefulsetは Kubernetes クラスター内で状態をステートフルに保持する必要がある場合に利用されます。既に解説したデータベースやネットワーク以外にも、アプリケーションやストレージなどにも利用することができます。

このため、 Statefulset はシステム開発やインフラ構築において、広く利用することができます。

Statefulsetを導入することで、ビジネスに与えるメリット

Statefulset は高い可用性を提供し、障害が発生しても、システムの運用を継続することができます。ビジネスにおいてシステムの停止は、業務自体が止まることに直結するため、 Statefulset を導入することで、こうしたリスクを低減することが可能です。

また、ビジネスにおいては、効率的なリソース管理が望まれます。Statefulset を導入することで、デプロイ時に必要な Pod だけデプロイし、不要なリソースの削減が可能となります。これにより、最小限の管理タスクに抑えることができ、効率的なシステム運用が実現されます。

Statefulsetを導入することで、コスト対効果へどのように寄与するか

障害発生時にシステムが停止すると、企業にとってコストの面の損失は甚大なものになりえます。Statefulset を導入することで可用性が高まり、そのような損失を未然に防ぐことが可能になります。

また、 Statefulset により、必要なリソースのみを効率的に利用することができるため、無駄なコストの削減にも寄与します。結果として、 Statefulset は、システムのダウンタイムを減少し、不要なリソースによる余分なコストを削減することで、コスト効率を改善する効果が期待できます。

4. まとめ

システムやインフラストラクチャにおいて、データ状態を保持する機能は非常に重要です。Statefulset はその中心的な機能の役割を果たします。

Statefulset を利用することで、システムの可用性を高め、業務の停止リスクを減らすことができます。さらに Statefulset によりデプロイ時に不要なリソースの削減も可能になります。これにより、システムの効率化やコスト削減が期待できます。

ぜひこの記事を参考にして、 Kubernetes の Statefulset を導入し、業務で活用してみてください。

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