Managed Service Column <システム運用コラム>

サーバーOSとミドルェアの解説

Category: 入門編

2020.07.23

はじめに

システムの構築や運用をする際には、サーバーOSやミドルウェアの理解が必要となります。しかし、「ややこしくてきちんと理解できていない」「なんとなくはわかるけれど、説明はできない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はサーバーOSやミドルウェアの基礎知識をはじめ、サーバーOSの種類、ミドルウェアの種類やそれぞれの役割について解説します。

サーバーOSやミドルウェアの基本を理解し、新たなシステム構築やシステム運用にお役立てください。

サーバーOSとは

サーバーOSとは
サーバーOSとは

コンピューターの制御には、OSが欠かせません。
個人で使うパソコンにもOSが入っており、これを“クライアントOS”や“デスクトップOS”といいます。1人でパソコンを占有している場合は、クライアントOSで問題ありませんが、オフィスなど複数の人が同時に利用するOSとしてはあまりおすすめできません。

理由は、クライアントOSでは同時に接続できる数に制限があることと、サーバーOSに比べるとクライアントOSはセキュリティ機能が1人で利用することに特化していたり、複数の人が使った場合の性能が考慮されていないという点もあります。オフィスのように、多数のパソコンを同時に接続したり常時稼働が求められたりする場合では、クライアントOSでは心もとないのです。

サーバーOSとは、コンピューターに入っているOSのうち、サーバー専用に開発されたOSのことをいいます。多数のパソコンの同時接続が可能で、常に安定して稼働できるようにする役割を担っており、複数人が同時に利用することを前提としたセキュリティや耐久性の面でも優れています。

ただし、サーバーOSは常に人間が操作するわけではないため、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を持たないものも多いです。GUIとは、人間にとっての操作性の良さや見た目の美しさが重視されたユーザーインターフェースで、コンピューターへの指示をよりわかりやすく直感的に出せるようにするものです。

簡単にいうと、マウスのポイントやタッチパネルで操作可能なアイコンやボタン、メニューなどのことです。
クライアントOSは家庭用、サーバーOSは業務用という位置づけになります。

サーバーOSの種類

サーバーOSの種類
サーバーOSの種類

サーバーOSには、「Windows系」「UNIX系」「Linux系」の3種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

Windows系

Windows系は、マイクロソフト社が展開しているサーバーOSで、クライアントOSのWindowsと画面や操作の仕方が非常に似ています。ただし、サーバーOSのほうが複数人で使用することを前提とした最適化が行われています。

クライアントOSのWindowsを使用している場合、親和性の高さや管理のしやすさによりWindows系のサーバーOSを導入するという事例も多く、サーバーOSでは後発組であるものの近年シェア数を増やしています。

ただし、ソースコードが非公開でライセンス料が必要であったり、同時接続の分だけ利用料が高くなったりするために、使いやすい反面コストがかかるサーバーOSであるといえるでしょう。

UNIX系

UNIX系は、初期の段階からサーバー機能を持っていた、いわば元祖のサーバーOSです。セキュリティが高く安定しており、スペックが低いマシンであっても起動しやすいというのがUNIX系のサーバーOSの特徴です。
多くの企業がこのUNIX系のサーバーOSを採用しており、サーバーOSのシェアとしては最も多いといわれています。

必要な機能はすべて備えていますが、サポートは有料で、知識や技術を持った人でないと操作が難しいといった難点があります。

Linux系

Linux系は、UNIX系の派生形のサーバーOSです。Linux系のサーバーOSはオープンソースのため、多くの技術者によって研究され、さまざまなバージョンがあります。なかにはUSBを挿入するだけで使えるようなものもあります。

ライセンス料がいらず低コストで利用開始できる反面、マニュアルが少ないことや機能によっては日本語対応が進んでいないといった難点があります。また、UNIX系と同様、操作には知識と技術が必要となります。

ミドルウェアとは

ミドルウェアとは?
ミドルウェアとは?

ミドルウェアとは、コンピューター内のアプリケーションとクライアントOSの中間的な処理を行なうソフトウェアのことをいいます。

アプリケーションとは、パソコン上で使いたい機能を使えるようにするために追加していくものをいいます。例えば、WordやExcel、インターネットを閲覧するためのChromeやSafariなどのブラウザがアプリケーションです。OSはコンピューターの制御・管理を担う基本的なソフトウェアです。

OSは、コンピューターの基本となる制御や管理を行なうのみで、アプリケーションは業務に応じた処理のみを行ないます。ミドルウェアは、OSとアプリケーションの間に入り、両者の機能を補佐する役割を果たします。ミドルウェアの存在によりお互いの動作がより円滑になり、複雑な動作も可能になるのです。

ミドルウェアの種類

ミドルウェアには「Webサーバー」「アプリケーションサーバー」「データベース管理サーバー」の3つの種類が存在します。これらは互いにクライアントとサーバーのように非対称な役割を持っており、「Web3層構造」と呼ばれています。
大規模なシステムの場合は、基本的にこのWeb3層構造がベースになっています。

Web3層構造
Web3層構造

以下では、ミドルウェアのそれぞれの種類について、詳しくご紹介します。

Webサーバー

普段私たちがパソコンやスマートフォンで見ているコンテンツは、Webサーバーから送られてきた文字や画像などが集まったものです。
私たち利用者(クライアント)が見たいものをリクエストし、そのリクエストに応じて、必要なデータや情報を提供してくれているのです。

Webサーバーの役割は2つです。
1つは、誰が見ても常に同じ内容である“静的コンテンツ”を見せることです。静的コンテンツは、Webサーバー内のディスクに保存されているため、リクエストが来ればそのまま表示できます。

もう1つは、銀行の残高やショッピングサイトのカートなど、見る人や時間によって内容が変わる“動的コンテンツ”を見せることです。
ただし、Webサーバー内では動的コンテンツを処理することができないため、アプリケーションサーバーに動的コンテンツを要求し、返ってきた処理結果を見せるという流れになります。

(あわせて読む:「(Apache/Nginx/IIS)Webサーバー機能とは?よく使われるサーバーごとの違いについても解説」)

アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーはWebサーバーからのリクエストに応じて、JavaやPHP、Rubyなどで作成されたアプリケーションを実行し、動的コンテンツを生成してWebサーバーへ引き渡す役割を持っています。

場合によっては、データベースサーバーにリクエストして必要なデータをもらい、処理した上でWebサーバーに返します。

データベースサーバー

データベース管理システムが動作しているサーバーを、データベースサーバーといいます。

アプリケーションサーバーからリクエストを受けると、SQLというデータベース言語を実行してリクエストに応じた情報を抽出し、アプリケーションサーバーに返します。
データベースサーバーには、ユーザーデータや商品データなど、より詳細な情報が管理されています。

おわりに

システム運用をする際に身につけておきたい、サーバーOSやミドルウェアについて解説しました。

サーバーOSとは、コンピューター制御に必要不可欠なOSで、サーバー専用に開発されたものです。多数のパソコンを同時接続することが可能で、安定性や耐久性、セキュリティにも優れています。

ミドルウェアは、アプリケーションとOSの中間にあり、より複雑な動作を可能にするソフトウェアです。ミドルウェアはWeb3層構造がベースとなっており、多くのWebサイトやWebシステムに採用されています。

システム構築の際には、Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーと3層構造にすることによって、情報へのアクセスが複雑になりセキュリティが高くなるほか、万が一の故障でシステムが止まっても、すぐに復旧しやすいといったメリットがあります。

新たなシステムを導入する際にはシステム運用を考えたうえで、コスト面をはじめ、管理のしやすさやセキュリティについても考慮し、検討する必要があります。
システム導入やシステム運用を円滑に進めるためにも、サーバーOSやミドルウェアの理解を深めるようにしましょう。

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Tag: ミドルウェア サーバー

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