Managed Service Column <システム運用コラム>

サーバーの種類と用途の解説

Category: 入門編

2020.07.22

はじめに

サーバーという言葉はよく耳にするものの、実際サーバーについて尋ねられると、具体的な回答に困るという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、サーバーと一言でいっても複数の種類があり、それぞれ用途も違います。
ここでは、サーバーとはどういったものかを理解したい初心者の方向けに、サーバーの種類や用途について解説します。

サーバーとは?

サーバーとは?
サーバーとは?

サーバーとは、英語で書くと「Server」となり、提供する側という意味を持つ言葉です。利用者の要求(リクエスト)に対して、それに応答したデータを提供するコンピュータやプログラムのことを“サーバー”と呼んでいます。

サーバーの役割をもう少し簡単にイメージできるように、身近な例で見てみましょう。例えば、インターネットでWebサイトを見るときを想像してみてください。

特定のWebサイトを見る際は、まずWebブラウザにURLを入力し、Enterキーで決定します。このとき私たち(クライアント)は、Web上の住所(IPアドレス)を管理しているサーバーに、表示させたいWebサイトの住所を問い合わせ、表示をリクエストしているということになります。

Webサイトのページのデータを保管しているサーバーは、リクエストのあったWebサイトの画像やHTMLファイルといったデータを提供します。この一連の流れの結果、該当するURLのWebサイトが表示されるのです。

サーバーについて、少しはイメージしやすくなったでしょうか?
サーバーは、Webサイトの表示のほかにも、動画サイトやSNSへの投稿やメールの送受信など、普段私たちが何気なく行なっているさまざまなことに深く関係しているのです。

サーバーの種類

サーバーの種類
サーバーの種類

コンピュータとしてのサーバーは、大きく分けて「物理サーバー」と「仮想サーバー」の2種類があります。これらがどういったものか、以下で簡単に解説します。

物理サーバーと仮想サーバーはそれぞれにメリット・デメリットがありますので、その違いをよく確認しましょう。

物理サーバー

物理サーバーとは、物理的に存在する1台のサーバーのことです。
物理サーバーにはさらに「共用サーバー」と「専用サーバー」の2種類に分けられます。

共用サーバー

共用サーバーとは、いわゆるレンタルサーバーのことです。1台の物理サーバーを、複数の利用者でシェアして使うことになります。
共用サーバーは、コストを抑えて利用できることが最大のメリットです。また、メンテナンスの手間もかかりません。
一方、複数の利用者でシェアして使うため、設定などがカスタマイズできないことや、ほかの利用者の使用状況によっては、こちら側の処理に影響が出る可能性があるといったデメリットもあります。

専用サーバー

専用サーバーは、物理サーバーそのものを1台レンタルするため、企業や個人で自由に使うことができます。ほかの利用者の影響を受けることなくサーバーが利用でき、さまざまなOSやアプリケーションをインストールするのも、利用者の自由です。
一方、サーバーの運用や構築も自分でしなければいけないことや、前述の共有サーバーよりもコストがかかるのが難点です。

仮想サーバー

仮想サーバーとは、1台の物理サーバー上で複数台のOSを動かすことで、“複数のサーバーと見なして”稼働させる仕組みのことです。
仮想サーバーはさらに「VPS」と「クラウドサーバー」の2種類に分けられます。

VPS

VPSとは、「Virtual Private Server」の略で、直訳すると、“仮想上の個人的なサーバー”という意味で、仮想専用サーバーとも呼ばれています。
共用サーバーと同様に、1台の物理サーバーをシェアしますが、利用者一人ひとりに対しての環境が仮想上に構築されているため、ほかの利用者の影響を受けにくいという利点があります。また、専用サーバーほどではないにしろ、OSやアプリケーションの自由度は高めです。

クラウドサーバー

クラウドサーバーは、クラウド環境に作られたサーバーのことです。
特定のサーバーではなく、サーバーの機能が複数台に分散されており、必要な分のCPUやメモリを自由に設定することができます。柔軟性が高いためより利用者のニーズに寄り添うことができ、費用は設定した機能の量やスペックに応じて変動します。

あわせて読む:オンプレからクラウド上の仮想マシンへシステム移行するメリット・デメリットを解説

サーバーの用途

サーバーの用途
サーバーの用途

これまでご紹介した4種類のサーバーは、コンピュータとしてのサーバーです。それに対して用途に応じてさまざまな機能の提供を実現するのがソフトウエアとしてのサーバーです。ここでは、それぞれのサーバーを簡単にご紹介していきます。

Webサーバー

Webサーバーとは、利用者からのリクエストに応じて、Web上のデータを送り返すサーバーで、Webサイトやブログなどを表示するために必要不可欠なものです。
Webサーバーには、HTMLやCSS、画像ファイルなど、コンテンツに必要なファイルが保管されています。

あわせて読む:(Apache/Nginx/IIS)Webサーバー機能とは?よく使われるサーバーごとの違いについても解説

メールサーバー

メールサーバーは、メールの送受信サービスを提供するサーバーです。送信と受信はそれぞれ別のサーバーになっており、送信側をSMTPサーバー、受信側をIMAPやPOP3サーバーといいます。

メールを送信するときには、SMTPサーバーが、あとにご紹介するDNSサーバーと協力して宛先を割り出し、送信されます。IMAPやPOP3サーバーには、それぞれの利用者ごとに割り当てられたメールボックスがあり、送信されたメールはこのメールボックスに入れられます。

ファイルサーバー

ファイルサーバーとは、ネットワーク上でデータを共有・使用するためのサーバーです。
ファイルサーバー機能を利用すると、複数のサーバーおよび WindowsやMacなどさまざまなOSのクライアントPC間でのデータ共有をスムーズに行うことができます。

あわせて読む:ファイルサーバ(NFS、SMB)とは?ネットワークファイルシステムの違い

データベースサーバー

データベースサーバーとは、利用者からのリクエストに応じて、データベース上にあるデータを送り返すためのサーバーです。データベース管理システムを使って、データを整理しています。

例えば、ショッピングのためにWebサイトを見ているとき、条件の絞り込みなどをして商品を選ぶ方も多いと思います。このとき、色や価格、商品名などの条件に合う商品のデータを、データベースから探して結果を返すといった役割があります。

DNSサーバー

DNSとは「Domain Name System」の頭文字をとったもので、DNSサーバーは、利用者のリクエストに応じてIPアドレスとドメインを結びつける役割を担うサーバーです。IPアドレスとは、Web上の住所のようなもので、ドメインは独自のWebサイトの名前だと思ってください。

DNSサーバーは、Web上の住所であるIPアドレスをWebサイトの名前(ドメイン名)に変換して、表示させたいWebサイトにアクセスできるようになっているのです。

あわせて読む:DNSとは?インターネットを支える仕組み – ルートサーバーとキャッシュサーバーについても解説

アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、利用者からのリクエストに応じて、Javaやphpなどのプログラムを実行して必要なデータを取り出す、特定の条件に応じた結果をWebサーバーに戻す役割を持っています。

FTPサーバー

FTPとは「File Transfer Protocol」の頭文字で、ファイル転送プロトコルとも呼ばれています。FTPサーバーは、Webサーバーとのファイルの送受信を行なうサーバーです。

リクエストがあったときだけにファイルを送信するWebサーバーとは異なり、FTPサーバーは、利用者がコンピュータからサーバーにデータをアップロードしたり、サーバーからデータをダウンロードしたりすることができます。

おわりに

今回は、サーバーの基礎をはじめ、サーバーの種類や用途についてご紹介しました。

サーバーとは、利用者のリクエストに応じて、データやファイルなどの情報を取り出したり送り返したり、あるいはデータの保管・整理をするコンピュータやプログラムのことです。

あわせて読む:サーバーOSやミドルウェアとは?それぞれの種類や役割について

ひとくちにサーバーといっても、WebサーバーやDNSサーバーなど、さまざまなサーバーが存在し、WebサイトやWebサービスにおいてはこれらのサーバーが連携しながら構築されています。普段、私たちが何気なく行なっているメールやWebサイトの閲覧には、こういったサーバーの働きが必要不可欠で、快適にWebを利用できるのはこれらのサーバーのおかげだといっても良いでしょう。

サーバーの種類には、大きく分けて物理サーバーと仮想サーバーが存在し、それぞれに特徴があるため、サーバーを選ぶ際にはサーバーの使用用途などによって慎重に検討する必要があります。 今回ご紹介したサーバーの種類や各種サーバーの役割を理解し、自社のサーバー選びやWebサイト構築などに活かしましょう。

また、サーバーを正常に稼働させ続けるには「監視」が欠かせません。サーバー監視(システム監視)についても理解を深めましょう。

あわせて読む:システム監視とは?サービスの正常性確認、障害の予防と原因特定

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Tag: サーバー

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