Managed Service Column <システム運用コラム>

DaaSとは?VDIとの違いや種類、テレワークへの有用性を解説

Category: 入門編

2021.07.01

はじめに

自社でテレワークを始めるにあたっては、社内にいるときと同じように自宅等で作業できる環境が必須です。そのためにはまず、テレワークのための環境構築に精通している技術者が必要となります。他にも、会社から離れた場所からアクセスすることから、セキュリティ対策、環境の維持費やエンジニアの運用負荷など、テレワーク導入の課題は複数あります。

それらの課題を解決する方法のひとつが「DaaS」です。この記事ではDaaSがどのようなものか、3つの分類とそれぞれのメリット・デメリットなどをご紹介します。

1.DaaSとは

DaaS(Desktop as a Service)とは、仮想デスクトップ(VDI)をクラウドサービスとして提供するものを指す概念です。インターネット経由で仮想デスクトップに接続することができるため、導入するにあたって既存の自社ネットワーク環境への影響を低減させることが可能です。

以下ではDaaSとVDIの関係やIaaS、PaaS、SaaSとの違いについて解説します。

1.1. DaaSとVDIの関係

仮想デスクトップ(VDI)とは、業務で利用するソフトウェアやデータなどを手元の端末に置かず、サーバー上に配置してリモートから操作できるようにしたものを指します。

通常の端末の場合、必要なソフトウェアやデータは端末の中にあり、アップデートやセキュリティ対策も端末ごとに行うことになります。それに対し仮想デスクトップ(VDI)の場合、端末からサーバー上にある仮想デスクトップ(VDI)を呼び出して利用します。クライアントとなる端末にはデスクトップ環境を呼び出すだけの性能があれば良く、端末にはデータを残しません。OSやアプリのアップデートやセキュリティ対策も一元管理することになるので、テレワークを安全に行えます。

一方のDaaSは、VDIをクラウド上で実現したサービスです。VDIは仮想デスクトップを指し、DaaSはVDIをクラウド上でサービス化したものであると言えます。

オンプレミスでVDI環境を実現するにはサーバーを用意する必要があり、その後もメンテナンスが必要であることなど導入・運用面で負荷がかかります。後述するDaaSの種類によって異なる部分はありますが、クラウドを活用したDaaSの場合は、初期費用が抑えられる、ユーザー数を問わず導入できて後で追加できるなど、クラウドならではの利点があります。

1.2. DaaSとSaaS、PaaS、IaaSとの違い

DaaSは、デスクトップ環境がクラウドで提供されるものです。前述の通りDesktop as a Serviceの頭文字を取った略称ですが、DaaSと同じように「●aaS」で表される概念があり、提供されるものによって大まかに下記のように分類されます。

  • SaaS(Software as a Service):クラウドで提供されるソフトウェア
  • PaaS(Platform as a Service):ソフトウェアが稼働するためのプラットフォームをサービスとして提供するもの
  • IaaS(Infrastructure as a Service):仮想サーバーやハードディスクなどのインフラをサービスとして提供するもの

ただし、IaaSで提供されるDaaS製品が存在するなど、概念が重複しているパターンもあります。

1.3 DaaSの種類

DaaSを提供する形態には以下の3つの種類があります。

  • プライベートクラウドDaaS:
    社内にオンプレミスで独自に構築したクラウド環境もしくは、クラウドベンダが提供するその会社専用のプライベートクラウドを用いてDaaSを提供する形態です。
  • バーチャルクラウドDaaS:
    クラウド事業者が提供するIaaSやPaaSを利用してDaaSを提供する形態です。
  • パブリッククラウドDaaS:
    クラウド事業者がDaaSそのものをサービスとして提供する形態です。

2.DaaSの特徴

DaaSは、VDIのメリットを享受することができ、総じて以下のような特徴があります。

2.1. セキュリティ強化

データはクラウド上にあり、クライアント端末は仮想デスクトップを通じてデータにアクセスすることになります。またデータはクライアントの端末には残らないので、情報漏えいのリスクが低減できます。

2.2. 初期費用削減

オンプレミスでVDIを構築すると、サーバー代など機器の費用や、運用・メンテナンスのための費用が必要です。DaaSはクラウドを用いてVDI環境を実現するため、自社で構築する場合に比べて初期費用が削減できます。

2.3. 運用負荷が少ない

DaaS運用にあたっては、OSやファームウェア、証明書などの更新が必要となります。基盤となるインフラなどクラウド事業者側の運用となる部分があるため、完全なオンプレミスの場合に比べると運用負荷は少なくなるでしょう。また、ユーザー数が増えても、比較的簡単に対応できます。

2.4. 障害発生時の影響が大きい

運用負荷が軽減される反面、障害が発生したときの影響が大きくなることがDaaSのデメリットです。万が一DaaSが使えなくなれば、接続しているすべてのユーザーに影響があります。障害とまではいかなくてもネットワークの状況によっては、クライアント端末の動作が不安定になることもあり得ます。

3.DaaSの種類ごとのメリット・デメリット

次は、3種類のDaaSそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

3.1. プライベートクラウドDaaS

プライベートクラウドDaaSでは、さまざまな事業者が提供する仮想デスクトップ製品を利用してサービスを実現します。DaaSではありますが、専用のハードウエアではなくプライベートクラウド環境を利用するという点のみが異なるだけで、それ以外はオンプレミスでVDI環境を構築するのと同じと言えます。

メリットとしては、プライベートクラウドDaaSは自社のみでクラウド環境を構築するため、他企業からのアクセスがなく、したがって不正アクセスなどのセキュリティリスクが低減されます。 また、後述の他のDaaSに比べてカスタマイズが柔軟に行え、自社が採用しているセキュリティポリシーを適用させることも可能です。

一方で、自社でサーバーを準備する、セキュリティ対策を施すなど、環境構築の責任範囲が自社にかかってきます。カスタマイズが行える分、プライベートクラウドDaaSの運用には専門知識を持つ技術者が必要です。

3.2. バーチャルクラウドDaaS

バーチャルクラウドDaaSは、AWS, Azure, GCP などのパブリッククラウドの各種IaaSやPaaSを利用してサービスを実現します。プライベートクラウドDaaSと同様に、何らかの仮想デスクトップ製品も利用します。

メリットとしては、後述のパブリッククラウドDaaSと比べて、比較的カスタマイズ性が高いという特徴を持ちます。また、少なくともインフラは提供されるため、コストや運用負荷はプライベートクラウドDaaSほど高くなりません。

一方で、クラウドベンダが提供するのはIaaSやPaaSといったベースのインフラのみとなり、DaaSの仕組に対する運用は自社で行う必要があります。インフラ部分についてはクラウドベンダが責任を持つためプライベートクラウドDaaSに比べれば自社の責任範囲は狭くなりますが、DaaS自体については専門知識を持つ技術者が必要です。

3.3. パブリッククラウドDaaS

パブリッククラウドDaaSは、クラウドベンダがサービスメニューとして提供するDaaSを利用して実現します。

メリットとしては、クラウド事業者が提供する環境を複数の企業で使うことになるので、自社でサーバーを用意する必要がなく、他の2つのDaaSに比べて費用が低額です。また、メンテナンスもDaaSそのものの環境を含めてクラウド事業者側が行うため、導入や運用が容易です。

一方で、不特定多数の企業と同じ環境を使うことになるため、セキュリティ面に不安が残ります。またカスタマイズが容易ではないため、サービスによってはDaaSの仕様に業務を合わせるなどの調整が必要となる場合もあります。

4.パブリッククラウドDaaSの活用

DaaSの3種類の形態を紹介してきましたが、テレワークを想定した場合、セキュリティを確保しつつも、いろいろな場所から利用できることの必要性が高まってくるでしょう。基盤のインフラ運用をクラウドベンダに任せることができ、かつ、任意の場所から利用できる環境を実現しやすいパブリッククラウドベンダが提供するDaaSは今後注目を集めてくるでしょう。

パブリッククラウドDaaSの代表的なサービスとしては、Amazon WorkSpacesや、MicrosoftのAzure Virtual Desktop(旧:Windows Virtual Desktop / WVD)が挙げられます。

あわせて読む:
ホワイトペーパー:<VDI 導入ガイド> 安全なリモートワークを実現!Azure Virtual Desktop と AWS WorkSpaces の比較表・価格例付き!

その中でもおすすめなものは、MicrosoftのDaaSである、「Azure Virtual Desktop(旧:Windows Virtual Desktop / WVD)」です。Microsoft製品との親和性が高く、オンプレミスで構築したシステムとの間のユーザーアカウントの共通化もでき、操作も容易で既存の社内システムからの移行もしやすい事が特徴です。ユーザーが管理する範囲の料金は必要ですが、OSのライセンスを既に保持していれば追加費用は不要で、比較的低コストで導入することができます。

あわせて読む:Azure Virtual Desktop(旧:Windows Virtual Desktop)とは?今こそ知りたい基本情報

まとめ

この記事では、DaaSについて言葉の意味やVDIとの違い、パブリッククラウドDaaSなどの種類とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介しました。
テレワークの導入を検討しているなら、概念だけでも覚えておいて損はありません。技術者が不足しているなどの課題を現状でお抱えであれば、DaaSの導入を支援している企業と提携して検討していくのも1つの手です。当社でも DaaS 導入のご支援をしております。お気軽にお問合せください。

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Tag: DaaS

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