Managed Service Column <システム運用コラム>

VMware製品のサポート期限に注意! vSphere 7終了の影響と移行先の選び方

Category: 入門編

2025.11.28

Broadcom体制で変わるVMwareサポートと移行のポイントを徹底解説!

企業の基幹システムや業務アプリを支える仮想基盤として広く利用されている VMware 製品ですが、サポート期限を正しく把握していないと大きなリスクにつながります。特に利用者の多い vSphere 7.0 は General Support が 2025 年 10 月 2 日に終了する予定であり、以降は新たなセキュリティパッチやベンダー保守が受けられなくなる可能性があります。

本記事では、 VMware 製品のサポートポリシーの基本から、期限切れがもたらす影響、最新の vSphere 8.0 の特徴までを整理します。

1. VMware製品のサポートポリシーとは

VMware 製品には、リリースからサポート終了までの期間を定めたライフサイクルポリシーが存在します。

ライフサイクルポリシーの全体像

VMware のサポートは、リリース後に段階的なサポートを提供する構造をとります。最初の期間は手厚い対応が行われますが、次第に範囲が縮小していきます。この仕組みにより、企業は「いつまで安全に運用できるか」を把握し、計画的に新バージョンへの移行を進めることが可能です。サポートポリシーは単なる期間設定ではなく、企業が自社の IT 運用計画を立てるうえでの重要な基準となっています。

Broadcom買収後の方針変更

2023 年の Broadcom による買収後、新規のサブスクリプション契約では Technical Guidance 期間が廃止され、 General Support 終了と同時にサポートも終了します。一方、既存の永続ライセンス契約では従来どおり Technical Guidance が適用される場合もあります。

Broadcom 移行後は、従来の「永続ライセンス+保守契約」モデルが廃止され、サブスクリプション契約への移行が進んでいます。この契約では「契約期間=サポート期間」となるため、契約更新を怠るとサポートを受けられません。企業は契約とサポートを一体的に管理する必要性が生じています。

2. サポートサービスの種類と特徴

VMware 製品のサポートは、リリースから終了までを「 General Support 」と「 Technical Guidance 」の 2 段階で提供するのが基本です。一部の製品では、追加契約により「 Extended Support 」が設けられる場合もあります。

<VMware 製品のサポート種別>
VMware 製品のサポート種別
<VMware 製品のサポートライフサイクル>
VMware 製品のサポートライフサイクル

General Support(一般サポート)

リリースからおおむね 5 年間提供される標準サポートで、セキュリティパッチやバグ修正、新しいハードウェア対応、技術サポートなどが含まれます。この期間中に最新アップデートを適用し、次期バージョンへの移行を計画することが推奨されます。

Technical Guidance(技術的助言)

General Support 終了後に設けられる限定的な期間で、新しい修正や機能追加はなく、既知の問題への情報提供や回避策の提示に限られます。 Broadcom 買収後も既存契約では継続していますが、新規のサブスクリプション契約では廃止されており、 General Support 終了と同時にサポートも終了します。

Extended Support (延長サポート※一部製品のみ)

一部製品では、 General Support 終了後に追加契約でサポートを延長できる場合があります。ただし対象は限定的で、追加費用や期間、提供範囲も製品により異なります。実質的には次期バージョンへの移行猶予期間と位置づけられます。

サブスクリプション型への移行

従来の「永続ライセンス+保守契約」から、サブスクリプション型への移行が進んでいます。契約満了がそのままサポート期限に直結するため、更新漏れは即サポート終了につながります。今後は契約と運用を一体的に管理する体制の整備が重要です。

3. 注意すべき制限事項

VMware 製品は、サポート期限を過ぎると運用リスクが急速に高まります。セキュリティ更新が停止するだけではなく、サードパーティ製品やハードウェアとの互換性にも影響が及ぶため注意が必要です。

サポート期限切れ製品の制限

期限を過ぎた製品は、新機能追加や修正プログラムの提供対象から外れます。新たな脆弱性が見つかってもパッチは提供されず、システム全体の安定性とセキュリティ低下につながります。特に仮想化基盤は重要な基幹システムのサーバーやデータベースが稼働するため、 1 件の脆弱性が重大な障害や情報漏洩を招くおそれがあります。 Technical Guidance 期間中でも、新規修正やハードウェア対応は行われません。

サードパーティ製品・ハードウェアの互換性リスク

サポート対象外となったバージョンでは、ストレージやネットワーク機器、バックアップツールなどが動作保証外となるおそれがあります。障害発生時にメーカー間の連携が取れず、復旧が遅れるリスクがある点に注意が必要です。さらに、ファームウェア更新やドライバ適用が制限され、性能低下や動作不良を引き起こす可能性もあります。

4. VMware vSphere 7.0のサポート終了とvSphere 8.0の特徴

<vSphere 7.0と8.0の比較図>
vSphere  7.0と8.0の比較図

VMware vSphere 7.0 は、 2025 年 10 月 2 日をもって General Support (一般サポート)が終了します。以降は新たなセキュリティパッチや不具合修正が停止し、標準的なサポートを受けられなくなります。 Broadcom 体制下では、新規のサブスクリプション契約で Technical Guidance が廃止されており、この日付が実質的なサポート最終期限とされています。

サポート終了による影響

期限後は新たな脆弱性への対応が行われず、仮想マシンを含む環境全体が攻撃リスクにさらされます。ハードウェアベンダーによる互換性検証やドライバ提供も終了し、機器更新時の動作保証が得られない可能性があります。さらに、バックアップソフトや監視ツールなどサードパーティ製品も対象外となり、障害対応が難しくなるでしょう。

vSphere 8.0での強化ポイント

後継の vSphere 8.0 では、 DPU ( Data Processing Unit )を活用した「 vSphere Distributed Services Engine 」により、ネットワーク処理のオフロードでホスト負荷が軽減されます。最新 CPU や DirectPath I/O 拡張、最新 OS 対応なども強化され、 Kubernetes 統合( vSphere with Tanzu )も継続されています。

移行を検討すべきタイミング

サポート期限が明確に定められていることから、企業は vSphere 8.0 への移行計画を早期に立てる必要があります。基幹系や長期運用サーバーでは、ハードウェア保守期限と合わせた計画的な更改が重要です。

5. まとめ

Broadcom 買収以降、 Technical Guidance の扱いが変わり、サポート期限を過ぎた製品の継続利用は、これまで以上にリスクを伴うようになっています。企業はサポート期間と契約期間を正確に把握し、早期に移行計画を立てることが重要です。

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