Managed Service Column <システム運用コラム>

変更管理とは?重要性や実施ステップ、注意すべきポイントを解説

Category: 入門編

2026.01.17

変更管理を確実に実施してシステム運用の安定化を実現しよう

変更管理とは、 IT サービスやシステムに加える変更を事前に評価し、リスクを最小限に抑えながら計画的に実施するための管理プロセスです。構成変更や設定変更、機能追加などを適切に統制することで、変更に伴う障害やサービス停止といったトラブルを未然に防ぎます。

変更管理のプロセスは「変更要求の受付」「変更の計画作成」「変更要求のレビューと承認」「変更の実施」「変更後の評価とクローズ」の 5 ステップからなり、特に変更の目的、変更によるインパクト、リスクなどを明確にすることが重要です。

本記事では、変更管理の概要と重要性、具体的なプロセス、実践のポイントを解説します。

1. 変更管理とは何か

変更管理とは、 ITIL ( Information Technology Infrastructure Library )におけるプロセスの一つで、 IT サービスやシステムへの変更を事前に評価し、リスクを抑えて計画的に実施するためのものです。変更管理を適切に行うことで、変更作業による障害や業務影響を最小限に抑えられます。

具体的には、変更内容、影響範囲、実施手順を明確にし、適切なレビューと承認を経てから作業を実施します。さらに、変更後の評価や記録も行うため、継続的な改善や監査対応につながり、サービスの安定運用と品質を維持することが可能です。

2. 変更管理が重要な理由

システム変更において、影響範囲を事前に把握し、障害を回避することは極めて重要です。また、変更を確実に実施するためには、承認フローの明確化や変更履歴の記録も欠かせません。ここでは、変更管理が重要な理由について解説します。

変更の影響範囲を可視化し、障害を未然に回避できる

変更によって発生する想定外の障害を回避するには、影響範囲を事前に分析し、可視化することが重要です。

変更の影響は、システムの機能のみならず、サービス全体、関連システム、ユーザー業務など多岐にわたります。例えば、システムの入力項目を追加・変更する場合、画面操作の見直しだけではなく、連携先とのデータ形式や、取引先へ提供する帳票・データ内容まで変更が必要となることがあります。

変更箇所を十分に分析することで、システム停止やサービス提供への支障といったリスクを未然に防げるでしょう。

作業手順・承認の標準化により、属人化を防止できる

変更の申請手順、作業手順、承認フローを標準化することで、特定の担当者に依存する属人化を防止できます。例えば「システムの設定変更は開発担当の A さんしかできない」といった事態を避け、手順書に沿って誰でも一定の品質で作業できるようになります。

また、作業ミスを防ぐための承認フローの構築も重要です。承認者の判断基準を明確にすれば、変更内容の見落としや誤判断を防げます。「システムを理解している B さんしか承認できない」といった依存状態からの脱却も可能です。

変更履歴や資料の最新化により、監査対応が強化される

変更の申請内容、承認記録、作業ログ、検証結果をドキュメントとして残すことで、監査に必要な証跡を適切に提示できる体制が整います。これにより、内部・外部監査における説明責任を果たしやすくなり、監査対応が強化されます。

現在、多くの企業では SOX 法に代表される内部統制の強化が求められており、「いつ・誰が・何を・なぜ変更したか」といった記録を最新の状態で管理することが不可欠です。必要な履歴を迅速に提示できれば、監査対応の効率化だけではなく、企業の信頼性向上にも寄与します。

ダウンタイムの明確化により、業務影響を最小化できる

変更管理によって、作業に伴うサービス停止(ダウンタイム)を事前に把握し、ユーザーや業務部門へ共有することで、業務影響を最小限に抑えられます。必要な作業を洗い出して作業時間とダウンタイムを明確にすれば、関係部署との作業実施日の調整もスムーズになるでしょう。顧客向けオンラインシステムであれば、事前にメンテナンス告知を行うことで、利用者の混乱を防げます。

変更履歴の蓄積により、改善活動に活用しやすくなる

問題管理や変更管理で蓄積されたナレッジは、トラブルの根本原因分析や改善に役立ちます。例えば、アプリケーションのバグが発生した際、過去にどのような変更が行われ、どの変更後に問題が発生したかを追跡することで、原因特定や修正方針の検討が可能です。変更管理は単なる管理業務にとどまらず、運用改善のデータ基盤としての役割も果たします。

3. 変更管理プロセスと実践のポイント

システムを変更する際のプロセスは以下の 5 ステップです。

1. 変更要求の受付

変更管理の起点となる工程であり、この段階での情報精度が後続工程の質を左右します。変更目的・理由、影響範囲、インパクトなどが曖昧だと、誤った判断や作業ミスにつながるため、変更要求( RFC : Request for Change )には必要な情報を漏れなく記載することが重要です。

また、優先度や変更区分を適切に分類することで、その後の分析や承認プロセスがスムーズになり、判断の齟齬を防げます。

<変更要求( RFC )に含める項目>
  • 基本情報(申請者、申請日、変更区分)
  • 変更内容
  • 優先順位(通常変更、緊急変更)
  • 変更の目的・理由
  • 変更計画(スケジュール、変更方法、予算など)
  • 変更によるインパクト
  • 影響範囲(システム、ユーザーなど)
  • 想定されるリスクと対応策

2. 変更の分析と計画作成

提出された変更要求をもとに、影響範囲、作業内容、リスク、スケジュールを分析し、変更計画として整理します。事前分析が不十分な変更ほどトラブルにつながりやすいため、技術面・業務面の両方から影響とリスクを詳細に洗い出すことが重要です。承認されることを前提に計画を作成するのではなく、客観的に妥当性を示す姿勢が求められます。

3. 変更要求のレビューと承認

作成した変更計画について、 CAB ( Change Advisory Board )や管理者がレビューし、承認可否を判断します。レビューでは、変更目的、内容、リスク、スケジュールが適切に整理されているかを確認し、切り戻し手順や変更後の確認方法も含めて検証することが重要です。曖昧な点を残したまま承認すると手戻りの原因となるため、不明点はこの段階で必ず解消します。

4. 変更の実施

承認された変更にもとづき、変更を実施します。本番環境へのリリースについてはリリース管理にて行い、作業時のタイムテーブル、作業手順、切り戻し手順といった項目を詳細化して承認を得ます。なお、リリース作業中はログを取得し、チェックポイントごとに進捗報告を行うことも重要です。

5. 変更後の評価とクローズ

変更が計画どおりに実施されたかを評価し、変更要求をクローズします。変更内容を記録し、気づきや改善点を振り返ることで、変更管理プロセス全体の品質向上につなげられます。

また、変更内容、承認記録、作業ログといった証跡を適切に整理しておくことは、監査対応の観点からも重要です。これらの記録はインシデント管理・問題管理とも連携させ、トラブル分析や再発防止に活用します。

4. まとめ

変更管理とは、 IT サービスやシステムに対する変更を事前に評価、承認し、計画にもとづいて実施するための管理プロセスです。システム変更にあたっては、影響範囲の把握と障害回避、承認フローの確立、変更に関する事項の記録が重要です。

変更管理は「変更要求の受付」「変更の計画作成」「変更要求のレビューと承認」「変更の実施」「変更後の評価とクローズ」の 5 ステップで行われます。

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