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無償化によるメリット・デメリットを含めて詳しく解説
VMware Workstation Pro は、 IT エンジニアや開発者の間で広く利用されているソリューションです。同製品は Broadcom による VMware の買収に伴い、2024年末に個人・商用利用ともに無償化されました。これにより、多くの人が手軽に仮想マシンを構築できるようになった一方で、サポート体制について不安を感じる声が多く聞かれます。
本記事では、無償化された VMware Workstation Pro の概要や、無償化のメリット・デメリットについて解説します。企業が検討すべき代替ソリューションも紹介しますので、最後までご覧ください。
1. VMware Workstation Proとは
VMware Workstation Pro とは、 Windows または Linux のパソコン上で複数の OS を同時に実行できる仮想化ソフトウェアです。たとえば、 Windows 11 の PC 上で Linux や旧バージョンの Windows などの複数の OS を同時に動作させ、開発環境やテスト環境を柔軟に構築・管理できます。
VMware Workstation Proの主な機能
VMware Workstation Pro の主な機能は下記のとおりです。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| 複数 OS を同時に実行する | 1台の PC 上で複数の OS ( Windows 、 Linux 、 BSD など)を同時に起動・操作する |
| 仮想ネットワークを構築する | 仮想マシン同士で通信したり、外部ネットワークへ接続したりする |
| スナップショットを取得する | システムの状態を保存・復元する |
| クローンを作成する | VM の複製を行う |
| vSphere との連携 | VMware vSphere 環境へ接続する |
VMware Fusion Proとの違い
VMware Workstation Pro は、 VMware Fusion Pro と混同されがちです。VMware Fusion Pro は macOS 上で動作する仮想化ソフトウェアです。 Mac 上で Windows や Linux を利用したいときに適しています。そのため、 Workstation Pro は Windows / Linux 用、 Fusion Pro は Mac 用という形で分類できます。
VMware Fusion の設定方法や使用例については、下記の記事を参考にしてください。
2. VMware Workstation Proの無償化とその背景
先述したとおり、VMware Workstation Pro は個人・商用利用ともに無償化されました。ここでは、無償化されたきっかけや背景、具体的な変更点について解説します。
BroadcomによるVMware買収がきっかけ
2023年、アメリカの Broadcom (ブロードコム)は VMware 社を約 610 億ドル(約 8 兆円)で買収しました。この買収により、 VMware は Broadcom 傘下のソフトウェア事業の中核に組み込まれることになったのです。VMware Workstation Pro が無償化されたのは、この Broadcom による VMware の買収がきっかけです。
具体的な変更点
Broadcom は一般ユーザー向けの有料製品を縮小・統合する一方で、法人向けサービスに経営資源を集中させることを目指しました。その方針のもと、 Workstation Pro や Fusion Pro といった一般ユーザー向けの製品を無償化しました。まず 2024 年 5 月に個人利用に限り無料化され、同年 11 月に商用利用も無料化されました。
VMware 買収の変更点や影響について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
3. 無償化によるメリット・デメリット
続いて、 VMware Workstation Pro の無償化によるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
無償化によるメリット
これまで有料だった VMware の高機能な仮想化ソフトが無料になったことで、幅広い層(学生・開発者・個人技術者など)が仮想環境の構築・検証を気軽に行えるようになりました。特に学習目的で利用しやすくなり、教育現場や自己学習の環境整備につながっています。
また、運用管理の負担が大きく軽減された点もメリットです。従来はライセンスの購入・更新・管理に手間やコストがかかっていましたが、無償化によりこれらの作業が不要になり、導入・継続のハードルが下がりました。
デメリット・懸念点
無償版では VMware による公式サポートが基本的に提供されないため、トラブル発生時にはユーザー自身での解決が求められます。特に業務での利用や高度な構成・設定を実施する際は、大きな不安要素となる可能性があるでしょう。
また、パッチやアップデートの提供スピードも懸念されており、セキュリティや機能改善のタイミングが遅れる可能性があります。さらに、製品の将来的なライフサイクルが不透明なこともデメリットの一つです。無償版が今後も継続される保証はなく、将来的に打ち切られたり、有償に戻ったりするケースも考えられるでしょう。
4. 検討すべき代替案
VMware Workstation Pro の無償化は多くのメリットをもたらします。しかし、将来的なライフサイクルが不透明であることなどを踏まえると、他の仮想化ソリューションを検討すると良いでしょう。ここでは、オンプレミス型とクラウド型の2つの代替案を紹介します。
オンプレミス型の仮想化ソフトを検討する
オンプレミス型の仮想化ソフトの代表的な選択肢は下記の 2 つです。いずれも Workstation Pro と同様に、ローカル PC 上で複数の仮想マシンを実行できるソフトウェアです。
- Oracle VM VirtualBox Oracle VM VirtualBox は、無料で利用可能なオープンソースの仮想化ソフトです。Windows や Linux だけでなく、 macOS にも対応しています。
- Microsoft Hyper-V
Microsoft Hyper-V は、 Windows 10 Pro や 11 Pro に標準搭載されている仮想化機能です。Windows 環境との親和性が高く、 Windows ベースの開発やテスト環境に適しています。
VirtualBox と Hyper-V の詳細については、以下の記事をご覧ください。
クラウド型の仮想化サービスを検討する
クラウド型の仮想化サービスの代表的な選択肢は下記の2つです。リモートで仮想マシンを構築・運用したい場合や、クラウド移行・インフラ拡張を見据えた環境整備には有効な選択肢です。- Azure Virtual Machines(VM)
Azure Virtual Machines は、 Microsoft Azure 上で仮想マシンを構築・運用できるサービスです。必要なスペックを柔軟に選択できるほか、スケーラビリティや BCP(事業継続計画) 対策にも優れています。
- Azure VMware Solution
Azure VMware Solution は、既存の VMware 環境をそのまま Azure に移行できるサービスです。オンプレミスと同様の管理方法で運用できるため、既存の VMware 資産を活かしつつクラウド移行を進めたい企業に適しています。
Azure Virtual Machines と Azure VMware Solution の詳細については、以下の記事をご覧ください。
5. まとめ
VMware Workstation Pro の無償化により、高機能な仮想化環境を手軽に構築できるようになりました。一方で、サポート体制やパッチ・アップデートの提供スピードについては懸念の声も多く聞かれます。
特に、業務システムなど高い安定性や継続運用が求められる環境で利用する場合には、一定のリスクを伴う点に注意が必要です。将来的な運用や保守体制を見据え、代替基盤の検討を進めておくことが重要といえるでしょう。
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