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VMware Fusionをインストールする流れ、設定方法も解説
ソフトウェアの開発では、 Windows や Linux 、 macOS といった複数の OS (オペレーティングシステム)できちんと動作するかを検証しなければなりません。しかし、すべての OS に対応できる機器を揃えるのはコストや手間がかかります。
VMware Fusion を使えば、仮想環境を構築し、異なる OS 上での動作確認などを効率的に実施することが可能です。本記事では、 VMware Fusion の主要機能や設定方法、使用例について解説します。
1. VMware Fusionとは

VMware Fusionとは、 Mac 上で Windows や Linux などの異なる OS を仮想マシンとして実行できる仮想化ソフトウェアのことです。
VMware Fusion のプランは、 Fusion Player と Fusion Pro の 2 つとなっていましたが、 2024 年 5 月に Fusion Player の提供が終了しています。そのため、現在提供されているのは Fusion Pro のみとなっています。 Fusion Pro は個人であれば無料で利用することが可能です。
VMware Fusionの特徴
VMware Fusion を使えば、 Mac 上に仮想環境を構築し、 Windows や Linux 上でのテストを実施できます。特に複数の OS での動作確認を効率よく実施したいときに役立つでしょう。
VMware Fusion の仮想マシンには、サンドボックスと呼ばれる機能が搭載されています。このサンドボックス機能によって、仮想マシンとホスト OS を分離できます。
仮に仮想マシンが応答しなかったり、ウイルスに感染したりしても、ホスト OS や他のアプリケーションには影響が及びません。そのため、 Mac 全体の安全性を保ちながら動作確認などを実施できます。
2. VMware Fusionの主要機能
VMware Fusion の主要機能は、下記のとおりです。
- 複数のオペレーティングシステムの同時実行
- スナップショット機能
- Unity モード
- 仮想マシンのクローン作成
- DirectX と OpenGL のサポート
それぞれの機能について解説します。
複数のオペレーティングシステムの同時実行
先述したとおり、 VMware Fusion では、 Mac 上で Windows 、 Linux など、異なる OS を仮想マシンとして同時に動作させることが可能です。
たとえば、 macOS で日常業務を行いつつ、仮想化した Windows で他の業務や作業を同時に進めることができます。 Mac 上に仮想的な Windows 環境を構築し、 Windows 専用のアプリケーションを使うといった方法でも利用できます。
スナップショット機能
スナップショット機能は、仮想マシンの現在の状態を瞬時に保存し、後でその状態に戻せる機能のことです。たとえば、ソフトウェアのインストールや設定変更を行う前にスナップショット機能を使うことで、不具合が発生しても以前の状態に復元できます。
Unityモード
Unity モードとは、仮想マシンで動作している Windows や Linux のアプリケーションを Mac のデスクトップ上に直接表示・操作できる機能のことです。 Mac の操作環境で Windows や Linux のアプリケーションをそのまま使用できます。
Unity モードを有効に活用することで、作業効率を向上させることが可能です。
仮想マシンのクローン作成
仮想マシンのクローン作成機能とは、既存の仮想マシンをコピーし、同じ設定・状態の新しい仮想マシンを作成できる機能のことです。新しい仮想マシンを簡単に用意できるため、開発やテストを効率的に進められます。
DirectXとOpenGLのサポート
VMware Fusion は、 DirectX 11 と OpenGL 4.1 にも対応しています。そのため、 3D ゲームや CAD ソフトウェアなどのグラフィックを使用するアプリケーションを仮想環境で動かすことも可能です。
3. VMware Fusionのインストールと設定方法
ここでは、 VMware Fusion をインストールする流れや、基本的な設定方法について解説します。
1. システム要件と前提条件
VMware Fusion で推奨されているメモリは、下記のとおりです。
- Fusion 13.0.0 以降→最小で 8GB のメモリ
- 複数の仮想マシンを実行する→ 16GB 以上のメモリ
仮想マシンでは、ホスト OS (Mac)とゲスト OS (仮想マシン)の両方でメモリを使用することになります。快適に使うためには、十分なメモリが必要です。
2. VMware Fusionのインストール手順
VMware Fusion をインストールする際は、下記の流れで進めましょう。
1. VMware 公式サイトにアクセスし、 Fusion のダウンロードページから最新バージョンをダウンロードする
2. ダウンロードが完了したらインストールする
3. インストールが完了したら、アプリケーションフォルダから VMware Fusion を起動させる
3. 初期設定
VMware Fusion を起動させたら、下記の流れで初期設定を進めます。
1. 「新規仮想マシンの作成」を選択する
2. 仮想マシンにインストールする OS を指定する
※ Windows を仮想マシンとして使用したい場合、 Windows を選択する
3. ゲスト OS (仮想マシンにインストールする OS )の種類を選択し、インストールを進める
4. ライセンスの適用と管理方法
VMware 製品のライセンスは、製品を購入したときや、トライアル申し込み時に自動で作成されます。購入手続きが完了したタイミングでライセンスキーが発行される仕組みです。
VMwareのカスタマーポータルにログインすれば、ライセンスの状態(有効期限やバージョン、使用中のライセンス数など)を確認できます。
4. VMware Fusionの使用例
VMware Fusion は、さまざまな目的で使用することが可能です。ここでは、 VMware Fusion の使用例を3つ紹介します。
新しいソフトウェアやパッチのテスト
VMware Fusion を使えば、仮想マシンで新しいソフトウェアやパッチを安全にテストできます。新しいアプリケーションやシステムをリリースする前に、実環境に影響を与えずにテストを実施することが可能です。
複数のOSに対応しているアプリケーションの作成
VMware Fusion を使えば、複数の OS に対応するアプリケーションを効率的に作成できます。 Mac 上で同時に Windows や Linux 、 macOS といった異なる OS を仮想マシンとして動作させることで、開発のサイクルを短縮することが可能です。
ある機能が Windows で動作するか、 Linux で正しく表示されるかといった検証もスピーディーに実施できます。
ITトレーニング
VMware Fusion は、 IT トレーニングでも活用できます。仮想マシンを使うことで、受講者に Windows サーバーや Linux システムのインストールや設定、ネットワーク管理の方法などを実践させることが可能です。ハードウェアを用意せずに、 IT トレーニングを効率的に実施できます。
5. まとめ
VMware Fusion を利用すれば、ソフトウェア開発を効率的に進められます。本番環境に影響を与えずにテストを実行できるため、ソフトウェア開発のスピードや安全性を向上させることが可能です。
VMware Fusion はソフトウェアやパッチのテストだけでなく、 IT トレーニングや異なる OS 環境でのアプリケーションの動作確認など、幅広い用途で利用できます。柔軟かつ効率的な開発プロセスを実現するために、ぜひ導入をご検討ください。
Tag: VMware
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