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vMotion以外の選択肢を含めた主要製品の比較も紹介
ライブマイグレーションは、システムやアプリケーションの実行状態を維持したまま、 VM (仮想マシン)などのワークロードを別ホストへ移動できる技術です。ハードウェア保守や障害回避、リソース最適化など、現代の仮想基盤運用に不可欠な機能として利用されています。
ライブマイグレーションの代表例は VMware 環境の vMotion ですが、他社製品でも同様のライブマイグレーション機能を利用できるため、特定ベンダーに依存せずとも安定したシステム運用が可能です。
本記事では、ライブマイグレーションの基本とメリット、利用できる製品を整理します。将来的な基盤検討にお役立てください。
1. ライブマイグレーションの基本理解
ライブマイグレーションとは、稼働中のワークロード( VM やアプリケーションなど)を停止させずに、別の基盤へ移動させる技術です。 VM の場合、メモリや CPU 状態、ネットワーク接続を維持したまま移動できるため、アプリケーション利用ユーザーへの影響を最小限に抑えられます。
なお、コンテナ技術にもライブマイグレーションの概念は存在しますが、別の仕組みを採用するケースが多く見られます。例えば Kubernetes では、ライブマイグレーション機能は標準提供されておらず、代わりにローリングアップデートによって無停止でコンテナを置き換える方式が主流です。
VM におけるライブマイグレーションの基本的な流れは以下のとおりです。
2. コピーと並行して差分を継続的に同期
3. ある程度差分が縮まった段階で、仮想マシンを一瞬だけ停止させ、残りの差分を同期して切り替え
手順 3 の停止時間は極めて短いため、ユーザーからは操作が途切れずに VM が稼働し続けているように見えます。これが「無停止に近い」移行、すなわちライブマイグレーションと呼ばれる所以です。
2. ライブマイグレーションのメリット・ユースケース
ライブマイグレーションを行うメリット、および代表的なユースケースは以下のとおりです。
無停止でメンテナンスができる
ライブマイグレーションの最大のメリットは、サービスを停止させずにホスト OS のアップデートやハードウェア交換などの作業を実施できる点です。
ライブマイグレーションを利用しない場合、物理サーバーのメンテナンス時はサービスを停止する必要があります。しかし、基幹システムでは深夜帯であっても停止が難しいケースがあるでしょう。ワークロードを事前に他ホストへ移動しておけば、業務やサービスを止めずにメンテナンス作業が可能です。
これにより、夜間作業の削減や、利用者への影響範囲調整にかかる工数削減など、運用負荷そのものを小さくできます。
ホスト障害の事前回避
基盤側で CPU 温度の上昇やメモリエラーなどの異常を検知した際、ライブマイグレーションを用いて事前にワークロードを健全なホストへ退避できます。
多くの仮想化基盤では、予兆検知をきっかけに自動で VM を移動させる機能が備わっており、実際の障害発生前に予防可能です。この機能は、重要業務システムや 24 時間稼働が求められるサービスで特に有効となります。
リソース最適化
特定のホストで CPU やメモリ、ネットワークなどリソース負荷が高まった場合、ライブマイグレーションでワークロードを分散させれば、全体のリソースバランスを最適化できます。
例えば、月末処理で負荷が急増する業務システムや、アクセス増でリソースを消費するWebアプリなど、特定のタイミングで負荷が集中するシステムで有効です。
システムダウンの回避だけではなく、ハードウェアリソースの無駄がない利用につながり、基盤全体のリソースバランスが最適化されます。
運用負荷削減
ライブマイグレーションの活用は、運用担当者の業務負担軽減に直結します。
停止を伴う従来のワークロード移行では、停止調整、夜間作業、影響範囲の精査といったメンテナンス準備に多くの時間を要しました。ライブマイグレーションであれば、 GUI 操作やツールで容易に実行でき、大規模な調整も不要なため、運用担当者の負荷が軽減されます。
仮想化基盤側で自動的に負荷分散を行う機能と組み合わせれば、移行作業自体の自動化も可能です。
可用性とビジネス継続の向上
ライブマイグレーションにより無停止移行、障害の事前回避、リソース最適化が実現すると、システム全体の可用性が向上します。これは SLA 遵守率の向上や業務停止リスクの低減につながる重要な要素です。
BCP (事業継続計画)の観点でも、障害が発生しそうなホストからワークロードを迅速に退避できる環境は、安定したサービス提供を支える基盤となります。
3. 代表的なライブマイグレーション
ライブマイグレーションといえば VMware 環境の vMotion が有名ですが、現在では多くのハイパーバイザーで同等の機能が提供されています。各製品における呼称は以下のとおりです。
| 技術名 | 製品(プラットフォーム) | 提供企業 |
|---|---|---|
| vMotion | VMware vSphere | Broadcom(旧VMware) |
| XenMotion | Citrix Hypervisor(旧 XenServer) | Citrix |
| Live Migration | Nutanix AHV(Acropolis Hypervisor) | Nutanix |
| Proxmox VE | Proxmox Server Solutions | |
| Hyper-V | Microsoft | |
| Red Hat OpenShift Virtualization | Red Hat |
vMotion や XenMotion のように独自の呼び名がついているものもありますが、基本的に Live Migration という機能名がそのまま用いられています。
昨今、 VMware 製品のライセンス改定により、運用コストの増加が懸念されています。他社製品でもライブマイグレーションによって安定したシステム運用が可能であれば、 VMware に依存せず、要件に合わせて移行を検討してもよいでしょう。ライブマイグレーション技術は「 VMware だからできること」ではないと知っておくことで、柔軟な選択ができます。
4. まとめ
ライブマイグレーションは、ワークロードを無停止で別ホストへ移動させる技術であり、可用性の向上、運用負荷の軽減、リソースの最適化などを実現します。
ライブマイグレーションは特定ベンダーだけの専用機能ではありません。 VMware 製品の vMotion が広く知られていますが、他社製品でも同様の機能が標準的に実装されています。名称や実装方式に違いがあっても、無停止で移動させるという役割と効果は共通しており、どの仮想化基盤を選んでも安心してシステム運用が可能です。
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