Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

サブスクとは?Azureサブスクリプションについて解説します

Category: 入門編

2022.04.01

一般的なサブスクリプションの概念と Azure サブスクリプションとの違い、特徴、管理上の注意点について

最近よく耳にするようになった「サブスク」というサービス形態をご存知でしょうか?これは「サブスクリプション」という言葉の略であり、動画や音楽配信サービスによく用いられているサービス形態です。さらに最近では、洋服、家具、車、食品などでもサブスク型サービスが広がっています。このようにいつでも気軽にはじめられ、必要が無くなれば止める事ができる「月額定額制サービス」のイメージが定着しているのではないでしょうか?

Microsoft 社が提供するクラウドサービス「 Azure 」にもサブスクリプションという概念があります。しかし、実は最近浸透しているサブスクの概念とは違いもあり、間違った理解のまま使い始めてしまうと、予想以上にコストがかかってしまう可能性があるため注意が必要です。

本記事では Azure を適切に利用するために「 Azure サブスクリプション」について解説します。

1. サブスクリプションとは

まずは一般的なサブスクリプションの概念について解説します。もともと「予約購読」や「定期購読」の意味をもち、新聞や雑誌など定期購読で用いられていました。近年では、情報コンテンツのデジタル化が進み料金を支払うことで、製品やサービスを「利用」することができる形式のビジネスモデルに進化しました。

1.1 近年のサブスクリプションビジネス

代表的なサブスクリプションモデルのサービス事例では音楽配信サービス「 Apple Music 」、「 Spotify 」、動画配信サービス「 Amazon プライム」、「 Netflix 」などが有名です。またソフトウェアコンテンツでは、ワード、エクセルなど従来の Office 製品やオンラインストレージが手軽に利用できる「 Microsof 365 」、イラストレーター、フォトショップなどクリエーター向けのツールをパッケージした「 Adobe Creative Cloud 」などが有名です。

1.2 サブスクリプションと月額課金・定額課金との違い

現在、多くのサブスクリプションサービスは月額課金、定額課金で提供されるケースが多いですが、厳密に言えば、サブスクリプション=定額ではありません。 サブスクリプションは、「サービスを利用する権利」であることから、利用するユーザーのニーズによっては金額、サービス内容も変化する事もあるため注意が必要です。

2. Azureにおけるサブスクリプションの考え方

それでは Azure におけるサブスクリプションの考え方、扱い方とはどのようなものなのでしょうか?Azure サブスクリプションには契約内容、支払方法、サポートプランに関する情報が含まれています。これらは締結するライセンス形態により異なるため、まずは大前提である 4 つの Azure ライセンス形態を紹介します。

2.1 CSP(Cloud Solution Provider)

販売代理店を通して Azure 製品を利用する法人向けライセンスです。従量課金、再販可能で代理店から技術面やその他のサポートを受ける事が出来ます。

2.2 オープンライセンス

100 ドル単位のプリペイド方式で利用可能な法人向けライセンスです。残額が不足した場合は、いつでも追加が可能です。事前に費用を確定でき、コスト試算がしやすいのが特徴です。

2.3 EA( Enterprise Agreement )

3 年間の料金を事前に見積もって契約する法人向けライセンスです。ボリュームライセンスで契約できるため、大規模向けにメリットがあります。

2.4 MOSP( Microsoft Online Subscription Program )

法人、個人問わず、すべてのユーザーが利用できるライセンスです。通称「モスピー」と呼ばれています。ここで「サブスクリプション」という名前がついているので、混同しがちですが、あくまでこれはライセンスの名称です。

Web 上ですべての手続きを完結する事ができます。支払いはクレジットカードを登録する事で従量制課金による請求方式で、Azure ポータル上から契約や請求を管理します。

2.5 Azure におけるサブスクリプションとは

このように Azure を利用するためには 4 つのタイプからいずれかのライセンスを選択し契約することで利用を開始する事が出来ます。 Azure 上では契約したライセンスの実際の利用をサービス(プロジェクト)単位で管理しており、この単位を「サブスクリプション」と呼んでいます。

つまり Azure サブスクリプションとは、ひとくくりの「管理単位」であり、Azure 利用料の支払いやリソース等に対する「権限の単位」となります。例えばサブスクリプション A が、サブスクリプション B の課金に影響を及ぼすことはありません。

またサブスクリプション毎のリソース(仮想マシン、データベース等)を作成したり、削除したり、監視したり等の操作の権限も影響を及ぼすことはありません。 これは企業利用によくある Azure 利用に際し、部門や担当チーム毎に利用料金や利用サービスを、個別に管理したいというケースに対応する仕組みです。

このように Azure サブスクリプションは利用料金の支払い区別の役割と、リソース利用の区別の役割担っているのです。近年浸透しているサブスクリプションのような月額定額課金のような考え方とは異なるため、知らずに利用すると、予期せずコストが膨らんでしまうリスクがあるので注意が必要です。

3. Azure サブスクリプション管理方法の注意点

ここからは Azure サブスクリプションの管理方法における代表的な注意点をご紹介します。

3.1 サブスクリプション管理のポータルについて

Azure サブスクリプションの管理には、エンタープライズ向けの管理者が操作できる EA( Enterprise Agreement )ポータル、アカウント管理者以上が操作できるアカウントポータル、サービス管理者以上が操作できる Azure ポータルの 3 種類のポータル機能が存在します。本記事で紹介したサブスクリプションを管理できるのは Azure ポータルとなります。

Azure ポータルのサブスクリプションのページへアクセスすることで、サブスクリプションの利用状況の確認、リソースの割り当てを行う事ができます。各ポータルについての詳細や操作方法は公式ドキュメントをご確認ください。

3.2 アカウント管理者とサービス管理者について

Azure サービスはライセンスを締結するアカウント管理者と、サブスクリプションを管理するサービス管理者という別の権限が存在します。 アカウント管理者は、サブスクリプションを作成する事ができ、そのサブスクリプションを管理するためのサービス管理者をアサインする事ができる権限を持ちます。サービス管理者はサブスクリプションを作成する事が出来ないので注意が必要です。

各種アカウント権限は階層的に構成され管理されています。他にもいくつかの権限が存在し、それぞれに出来る事、出来ない事があります。権限について詳しくは公式ドキュメントをご確認ください。

3.3 Azure サービスの SLA( Service Level Agreement )について

Azure サービスの SLA は Azure で提供されるサービス毎に細かく定められています。それぞれのサービスに対する制約事項はサブスクリプション単位となります。そのためサブスクリプション毎に制約事項の範囲内で利用しなくてはいけないため注意が必要です。
制約事項の詳細は公式ドキュメントをご確認ください。

4. まとめ

本記事ではここまで、一般的なサブスクリプションの概念、Azure サブスクリプションについてと注意点について解説してきました。

一般的になりつつあるサブスクリプションモデルのサービスから、月額定額、使い放題を想像しがちですが、Azure はライセンス契約の内容に準じ、従量制であり、その課金区分やリソース使用範囲区分を明確にするための境界線としての役割を担う意味をもっています。

ライセンス内容、サービスの制約、SLA など、Microsoft 社より日々、更新情報がリリースされており、クラウドに関するサブスクリプションについての在り方も、まだまだ発展途上であると言えるでしょう。Azure サービスの利用に際し、専門家に相談の上、ご検討いただく事を推奨いたします。

Azure の導入について相談したい

Azure構築サービス

Azure 導入支援サービス

お客様の業務やシステムを把握し、最適なサービス選定、移行の実現性の検証、導入計画の立案から、Azure 移行後の運用設計、バックアップ計画までご支援します。

Free

資料ダウンロード

課題解決に役立つ詳しいサービス資料はこちら

資料ダウンロード
  • Azure導入支援・構築・運用サービス総合カタログ

    Microsoft Azure サービスの導入検討・PoC、設計、構築、運用までを一貫してご支援いたします。
    Azure導入・運用時のよくあるお悩み、お悩みを解決するためのアールワークスのご支援内容・方法、ご支援例などをご確認いただけます。

Azure導入個別相談会(無料)

Tag: Azure サブスクリプション Azure運用管理

Contactお問い合わせ

お見積もり・ご相談など、お気軽にお問い合わせください。

single.php