Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

VDIとシンクライアントの違いとは?VDIを導入するメリットも合わせて解説

Category: 入門編

2022.12.09

シンクライアントの一部であるVDIは、情報漏洩のリスクを軽減するなどのメリットも

テレワークが普及してきたことにより、仮想デスクトップ基盤を導入する企業が増加しています。仮想デスクトップに関わっていく中で、「シンクライアント」と「 VDI ( Virtual Desktop Infrastructure )」という言葉を耳にすることは多いのではないでしょうか。これらの言葉は似たような意味があるため、正確に理解するためには、それぞれの定義を理解する必要があります。

本記事ではシンクライアントと VDI を正しく理解するため、シンクライアントとVDIについて、VDIの導入メリットなどを解説していきます。

1.シンクライアントとは

シンクライアントとは、ユーザーの端末で行う処理を最低限にして、サーバー側でほとんどの処理を行うシステムの構成のことを指しています。

シンクライアントは広義の意味と狭義の意味の 2 つが存在しています。広義の意味ではデスクトップの仮想化技術のことを広く指し、狭義の意味ではデスクトップの仮想化をするにあたって、必要最低限の機能を備えたパソコン端末を指して、シンクライアント端末という言い方をする場合があります。

2.シンクライアントの種類

広義の意味でシンクライアント(デスクトップの仮想化技術)を捉えたとき、 2 つの種類に分けられます。以下にそれぞれの種類を解説します。

ネットワークブート方式

ネットワークブート方式とは、サーバー上にあるイメージファイルをネットワーク経由で読み込むことにより、端末側でアプリケーションや OS をブート(システム起動)する方法です。

ネットワークブート方式

端末の起動時にアプリケーション、 OS のイメージ全体がネットワークを通じてサーバー側から端末に送信されるため、大容量の通信を行うことになります。そのため、ネットワークブート方式を使用する場合は高速で安定したネットワークが必要です。

また、ネットワークブート方式では端末で作業を行った場合、一旦端末でデータ保存がされたのち、ネットワークを通じてそのデータがサーバー側に送られるため、ネットワークを通じた情報漏洩のリスクが存在します。

画面転送型

画面転送型は、サーバー上で OS やアプリケーションの操作を行い、ユーザーの端末側では画面の表示のみを行う方法です。画面転送型では、ネットワーク上でサーバーと端末でやりとりされるのは、画面の情報や端末側で入力されたデータのみのため、ネットワークブート方式よりもネットワークへの負荷がかかりません。

加えて、画面転送型では OS やアプリケーションがサーバー側で動作するため、ネットワークを通じた情報漏洩のリスクがネットワークブート方式よりも少ないことが特徴のひと つです。

3.VDIとは

前項の通り、シンクライアントには大きく分けて、 OS やアプリケーションを端末側でブート(起動)するネットワークブート方式と、サーバー側でブートして端末には画面のみを転送する画面転送型が存在します。

画面転送型には、さらに細かい方式が存在し、サーバーベース型、ブレード PC 型等があります。これら画面転送型の方式のうちの 1 つが「 VDI 方式」です。以下に、 VDI について詳しく解説します。

VDI方式とは

VDI 方式とは、 Virtual Desktop Infrastructure の略で、サーバー上に仮想デスクトップ環境を作成し、作成した環境を端末から利用する方法です。

サーバー上に作成した仮想デスクトップを端末から利用するため、サーバー側で OS やアプリケーションを実行します。端末側では画面を見ることおよび情報を入力することのみを実施するため、ネットワークで通信されるのは画面情報と入力した情報のみです。

VDI 方式では、作成した仮想マシンをユーザーごとに使用するため、ユーザー数の台数分物理的なサーバーを用意する必要がありません。

VDI方式が主流になってきた理由

現在、多くのシンクライアントが VDI 型で実施されています。その理由は大きく分けて 2 つあます。

VDI方式が主流になってきた理由1:仮想化技術の進歩

1 つ目の理由は、仮想化技術の進歩です。サーバー側のハードウェアの性能が向上したことで、サーバー上でデスクトップの仮想化のハードルが下がりました。そのため、同一のサーバー上でデスクトップ仮想化をして、複数端末で利用する VDI 方式が以前に比べて容易に出来るようになった背景があります。

VDI方式が主流になってきた理由2:コロナ禍によるリモートワークの普及

2つ目の理由が、コロナ禍によるリモートワークの普及です。 VDI 方式はサーバー側で情報を管理することができるため、インターネットを介しての情報漏洩等のリスクがネットワークブート方式等に比べて低い特徴があります。

コロナ禍で自宅や外出先等、オフィス以外の場所で働く人が増え、セキュリティへの意識が高まった背景があり、セキュリティ性が高い VDI 方式を利用する会社が増えた背景があります。

4.VDIを導入するメリット

VDIを利用するメリットは、大きく分けて「セキュリティ面」と「管理の負担軽減」の2つがあります。ここではそれぞれのメリットについて詳しく解説します。

情報漏洩のリスク軽減

先述の通り、 VDI は画面転送方式の 1 つであり、ネットワーク上での主なやりとりは端末側に入力した情報と画面に表示する内容であるため、ネットワークを通じた情報漏洩のリスクが低いとされています。加えて、データの保存等はサーバー側で行われるため、万が一端末を紛失した等のトラブルが発生したとしても、端末からの情報漏洩のリスクは低く抑えられます。

このように情報漏洩のリスクが少ないことが、 VDI を利用する大きなメリットのひとつです。

管理の負担軽減

VDI方式では、クライアント端末で使用する OS やアプリケーションはサーバー側で一元管理されるため、 OS やアプリケーションのアップデートや、不正アクセスの監視等をサーバー側で一元実施が可能です。結果として、アップデートやメンテナンス、アクセス管理にかかる人件費を抑制することが可能になります。

5.まとめ

ここまで、シンクライアントと VDI について解説してきました。テレワークの導入や働き方改革などでこれから導入する場合には、それぞれの仕組みを理解し、自社のセキュリティポリシーや目的、状況に合わせて選択する必要があります。多種多用なサービスがあるため、どのサービスを選ぶべきか自社だけでの導入が難しい場合、一度専門家へ相談されることもお勧めします。

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Tag: VDI

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