Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure DevOpsとは?構成ツールやメリット、料金を解説

Category: 入門編

2023.06.16

DevOpsを実現するためのAzureのソリューションを徹底解説

Azure DevOps とは、 Azure 上で DevOps を実現するためのプラットフォームです。 DevOps とはシステム開発において提唱される概念で、開発担当者と運用担当者が連携することで開発スピードと品質の向上を目指します。

本記事では、 DevOps のメリットから、 Azure DevOps の概要や構成するサービス、料金体系まで詳しく解説します。

1. Azure DevOpsとは?

まずは DevOps の概要とメリットについて解説した上で、それをクラウド上で実現する Azure DevOps についてご紹介します。

DevOpsとは

DevOpsとは、「 Development (開発)」と「 Operation (運用)」を組み合わせた言葉です。開発チームと運用チームが連携しながら開発・運用することで、システムの価値を継続的に向上させる取り組みのことを指します。開発と運用の隔たりをなくすことで、柔軟性やスピード、信頼性を高めることが目的です。

これまで、開発チームと運用チームは環境や目的の違いからサイロ化され対立構造が生まれることが多くありました。しかし、近年特に IT技術の進化や顧客ニーズの変化は目まぐるしく、ビジネスにおける機会損失を防ぐには柔軟な変化やスピードが求められています。

そのため、開発チームと運用チームが理解し合って対立構造を解消し、同じ目標を持って価値を高める DevOps の考え方が注目されています。

DevOpsのメリット

DevOps を導入することで得られる具体的なメリットは以下のとおりです。

開発スピードと品質の向上

DevOps のアプローチでは、開発チームと運用チームが密接に連携し、自動化されたプロセスとツールを活用してシステムの迅速な開発・デプロイを目指します。開発・運用のシームレスな統合により、早期の課題発見や柔軟な修正対応が可能になることで、スピードと品質の両方を確保できます。

生産性の向上

DevOps は開発チーム・運用チーム両方の生産性を向上させます。開発チームはプロセスの自動化や運用チームからのフィードバックにより効率的なシステムの改善が可能です。また、運用チームは要望を反映させた信頼性のあるシステムの安定的な運用を実現できます。両者の密接な連携により無駄を省きながら業務を効率化し、生産性を高められます。

ヒューマンエラーの防止

DevOps は効率化や品質向上のために作業の自動化・標準化に重点を置きます。人の手で行っていた作業を自動化ツールなどで代替することにより、ヒューマンエラーのリスクを減らせるメリットがあります。

Azure DevOps とは

Azure DevOps とは、 Azure 上で DevOps を実現するために必要なサービスが揃ったプラットフォームです。これらのサービスを活用することにより、 DevOps のプロセスである「計画→開発→デリバリー→運用」を Azure 上でワンストップに実現できます。

Azure DevOps Server とは

Azure DevOps は クラウド上で展開される SaaS です。しかし、オンプレミス環境で利用したい場合、あるいはインフラ環境まで自社で管理したい場合は 「 Azure DevOps Server 」という選択肢があります。 Azure DevOps Server とは、Azure DevOps のオンプレミス版で、マシンに DevOps サービスをインストールして使用することができます。

2. Azure DevOps の構成要素

ここでは、 Azure DevOps を構成する具体的なサービスについて解説します。すべてのサービスを利用することも、既存のワークフローを補完するために必要なサービスのみを利用することも可能です。

Azure Boards

Azure Boards は、プロジェクト管理サービスです。チームでの作業において、カンバンボード、バックログ、チームのダッシュボード、カスタムレポートなどを使用してチーム全体のタスクや進捗状況を可視化して管理します。

<Azure Boardsのダッシュボード>
Azure Boardsのダッシュボード

図版出典:Microsoft公式サイト

Azure Pipelines

Azure Pipelines は、アプリケーションの継続的インテグレーション( CI )と継続的デリバリー( CD )を実現するためのサービスです。あらゆるプラットフォームや言語に対応し、ビルド・テスト・デプロイといった作業を自動化します。

Azure Repos

Azure Repos は、ソースコードのバージョン管理サービスです。「 Git 」のプライベートリポジトリが無制限に提供されており、チームメンバーと開発履歴を共有・管理することで作業を効率化します。

Azure Test Plans

Azure Test Plans は、 Web ・アプリケーションのテストサポートサービスです。手動テストの設計・実行・結果を管理します。開発ライフサイクル全体の品質を評価することが可能です。

<Azure Test Plansのダッシュボード>
Azure Test Plansのダッシュボード

図版出典:Microsoft公式サイト

Azure Artifacts

Azure Artifacts は、パッケージ管理サービスです。成果物を共有するためにコードやライブラリをまとめたパッケージを作成・管理します。 Maven 、 npm 、 NuGet 、 Python などに対応しています。

3. Azure DevOps の料金体系

Azure DevOps の料金体系は、個別サービスとユーザーライセンスの 2 種類があります。

個別サービス

個別で利用できるサービスは、 Azure Pipelines と Azure Artifacts です。

Azure Pipelines

Microsoft ホステッド CI / CD 1 個、セルフホステッド CI / CD 1 個までは無料で使用できます。それ以降は追加の Microsoft ホステッド CI / CD 並列ジョブごとに $40 、および追加のセルフホステッド CI / CD 並列ジョブごとに $15 (時間制限なし)が加算されます。

Azure Artifacts

2 GiB までは無料で使用できます。それ以降は GiB あたり $2 が加算されます。

ユーザーライセンス

ユーザーライセンスは、 Basic プランと Basic + Test プランの2種類です。

Basic プラン

Azure Pipelines 、Azure Borads 、Azure Repos 、Azure Artifacts が利用できます。5 ユーザーまでは無料、その後 1 ユーザーあたり $6 / 月が加算されます。

また、それぞれのサービスには無料の範囲が設定されており、それを超えるとそれぞれ追加料金が加算されます。

Basic + Test プラン

Basic プランに Azure Test Plans が追加されます。 1 ユーザーあたり $6 / 月です。 30 日間の無料試用版があるため、実際に試してみて利用を検討できます。

4. まとめ

DevOps は、これまでサイロ化していた開発チームと運用チームが密接に連携することで、開発スピードや品質の向上を目指すための取り組みです。変化の激しい市場でビジネスチャンスを逃さないための有効な手段と言えます。

Azure DevOps は、Azure 上で DevOps を実現するために必要なサービスが揃ったプラットフォームです。それぞれのサービスを有効活用することで、より利便性や柔軟性の高い DevOps 環境を構築できます。ぜひ Azure DevOps を活用して、ビジネスに最適な開発環境を目指してみてください。

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Tag: Azure DevOps

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