Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

データの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成果を向上させるAzure Data Shareについて解説します!

Category: 入門編

2023.08.14

Azure Data Shareについて概要、機能、利用事例、設定方法について解説

近年、 DX 化の推進により様々な業務がインターネットを経由したクラウドサービスを利用して行う事が可能になりました。企業は社内、または企業間においてデータを共有し、コラボレーションするケースが当たり前になっています。

また共有したデータをリアルタイムに分析し、企業経営の意思決定にも活用されています。今後ますます簡単かつ安全にデータを共有し、コンプライアンスの要件を満たすことのできるサービスに注目が集まっています。

Azure Data Share は、 Azure のデータ共有プラットフォームです。データのセキュアな共有とコラボレーションを可能にします。本記事では Azure Data Share の概要、機能、利用事例、設定方法などについて解説します。

1. Azure Data Shareとは?

求められる背景

現代ビジネスにおいて企業がもつあらゆるデータは、重要な戦略的資産と見られています。そして大量のデータをリアルタイムに分析したり、あらゆるビジネスパートナーと共有したり、様々な活用が求められています。

現状では、 FTP 、メール、 API をはじめとした多くの手法が存在しますが、データ共有の管理は複雑で煩雑になりやすく、誰にどこまでの権限を与え共有したのかがわからなくなることがよくあります。

またリアルタイム性が求められる現代においては、大量のデータを瞬時に同期しなくてはいけません。 API などアプリケーションに実装される機能はともかく、普段の業務で利用する、 FTP 、メールなどのプロトコルでは限界があります。

そこで注目されているのが、Azure Data Share です。構造化データ、非構造化データ問わずサブスクリプションやテナント間でのデータ共有やコラボレーションを簡単かつセキュアに行うことができるようになります。

データ共有の仕組み

データ共有は、リアルタイムまたはスケジュールに基づいて自動的に行われるため、データの最新の状態を、共有先と同期させることが可能です。

共有方法にはスナップショットベース共有とインプレース共有の2種類が存在します。

スナップショットベースの共有

共有データはデータを提供する送信者側(データプロバイダー)の Azure サブスクリプションから受信者側(データコンシューマー)の Azure サブスクリプションに移動されます。データコンシューマーは共有されているデータのスナップショットの増分更新を定期的に受け取って、常にデータの最新バージョンを保持します。

スナップショットのスケジュールは、時間単位または日単位で提供されます。データコンシューマーは、データ共有を受け入れて構成すると、スナップショットのスケジュールも共有されます。

インプレース共有

データプロバイダーがデータをコピーすることなく、データが置かれている場所でデータを共有することができます。データプロバイダーからの招待フローを通じてデータコンシューマーと共有関係が確立されると、双方との間でシンボリックリンクが作成されます。

このシンボリックリンクを使用してリアルタイムにデータを読み取り、照会することができるようになります。

Azure Data Shareとは?

図版出典:Microsoft公式サイト

2. Azure Data Shareの利用事例

異なる企業間でのデータ共有

例えば、小売業者はサプライヤーと最新の販売時点データを共有したい場合、 Azure Data Share を使うと、小売業者はすべてのサプライヤーに対する販売時点データを含むデータ共有を設定し、1 時間または 1 日ごとに売上を共有することができます。

マルチクラウド環境でのデータ統合

企業が複数のクラウドプロバイダーを利用している場合、Azure Data Shareを使用することで、異なるクラウド環境間でのデータの双方向の共有が可能となります。

例えば、 AWS や GCP などの別のクラウドプロバイダーとの間でデータの統合や分析を行うことができます。これにより、企業は最適なクラウド戦略を追求し、データの効果的な活用を実現することが可能です。

ビックデータの共有

Azure Data Lake Storage は、ビックデータ環境を提供する Azure サービスです。組織は、 Azure Data Lake Storage に蓄積された大量のデータを、異なる部門やプロジェクト間で共有することが求められるケースがあります。

Azure Data Share を使用することで、Azure Data Lake Storage 内のビックデータも効率的に共有が可能となります。

3. Azure Data Shareの設定手順

Azure Data Share を活用しデータ共有するための基本的な設定手順について、重要なポイントに絞って解説します。

データ共有(送信側)の作成

1.Azure Portal からデータ共有の作成

Azure Data Share の [概要] ページから[ Start sharing your data ] を選択しデータ共有を作成します。

1.Azure Portal からデータ共有の作成

図版出典:Microsoft公式サイト

2.データセットの追加

共有にデータセットを追加するには、 [データセットの追加] を選択し追加します。

2.データセットの追加

図版出典:Microsoft公式サイト

3.データセットの選択と認証方法の設定

追加するデータセットの種類一覧が表示され、共有したいデータセットを選択します。 Azure SQL Database または Azure Synapse Analytics から共有する場合、テーブルを一覧表示するために認証方法の入力を求められます。

3.データセットの選択と認証方法の設定

図版出典:Microsoft公式サイト

ここまで送信側の Azure データ共有が作成され、データ共有の受信側が招待を受け取れる状態になりました。ここまでの詳細の手順については以下の公式サイトチュートリアルをご参照ください。本セクションにおける引用している参考図は公式サイトより引用です。

データの受け入れ(受信側)の作成

1.送信者側からの招待を開く

Azure Portal にログインし、送信側から送られたデータ共有の招待を開きます。

1.送信者側からの招待を開く

図版出典:Microsoft公式サイト

2.招待を受け入れる

表示されるフィールドを確認し、使用条件に同意し招待を受け入れる処理を行います。

2.招待を受け入れる

図版出典:Microsoft公式サイト

3. 受信した共有データを構成する

受信した共有を構成するために、データを受信する場所を構成します。[データセット] タブを選択し、ターゲット先を割り当て、ターゲットデータストアを選択します。 3. 受信した共有データを構成する

図版出典:Microsoft公式サイト

4.インプレース共有の場合

指定された場所にあるデータストアを選択します。選択することでシンボリックリンクが作成されます。

4.インプレース共有の場合

図版出典:Microsoft公式サイト

5.スナップショットベースの共有の場合

スナップショットスケジュールを設定します。スケジュールされた最初のスナップショットは、スケジュール時刻から 1 分以内に開始され、以降のスナップショットはスケジュール時刻から数秒以内に開始されます。

5.スナップショットベースの共有の場合

図版出典:Microsoft公式サイト

6.履歴の表示

スナップショットベースの共有にのみ適用されます。過去30日間に生成されたすべてのスナップショットの履歴が確認できます。

ここまで、設定手順の概要を重要なポイントに絞って解説しました。詳しい手順は公式サイトのチュートリアルをご確認ください。本セクションにおける引用している参考図は公式サイトより引用です。

4.まとめ

Azure Data Share は、企業やビジネスパートナー間でのデータ共有とコラボレーションを促進するためのパワフルなソリューションです。データの正確性とセキュリティを確保しながら、異なるAzureサブスクリプションやテナント間でのリアルタイムまたは定期的なデータの共有を実現します。

この共有プラットフォームは、ビジネスパートナーとの連携やマルチクラウド環境でのデータ統合を容易にし、企業の意思決定促進に役立てることができます。また、データ分析チームとの協業やクラウドベースのデータレイクの共有をサポートし、組織全体でのデータの効果的な活用を実現できます。

データの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成果を向上させるために Azure Data Share の活用を是非ご検討ください。

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Tag: Azure Data Share

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