目次
シンプルな操作でAzureサービスと連携したリアルタイムのデータ分析を実現
Azure Managed Grafana は、 Microsoft 社 が提供する Azure 環境に最適化されたフルマネージドのデータ可視化サービスです。 Azure 環境での効率的な監視や分析を行いたい方にとって、最適なソリューションとなることが期待されます。
この記事では、 Grafana と Azure Managed Grafana の概要から、導入するメリット、具体的な利用法、料金体系までわかりやすく解説します。
1. Azure Managed Grafana とは
Azure Managed Grafana は、 Grafana を提供する Grafana Labs 社と Microsoft 社がパートナーシップを結んで開発した分析および監視のためのフルマネージドサービスです。まずは Grafana と Azure Managed Grafana の概要について解説します。
Grafana とは
Grafana とは、Grafana Labs 社が開発したログ・データを可視化するためのツールです。オープンソースのWebアプリケーションで、さまざまなデータベースやデータソースからリアルタイムで情報を取得して可視化し、ダッシュボード上にまとめて表示できます。
また、表示する期間の長さや時間帯の変更、特定のノードだけのデータを表示したりなど、インタラクティブな操作が可能です。さらにログの探索やアラートルールの設定などもできます。
Grafana によって、管理者はシステムの統計情報の把握やデータの分析が容易になり、プロセスを効率化することが可能です。
Azure Managed Grafana とは
Azure Managed Grafana は、 Azure 環境に最適化された Grafana を提供するフルマネージドサービスです。 Azure や Grafana でサポートされるさまざまなデータソースにアクセスし、ログやグラフ、アラートなどを組み合わせてインフラストラクチャとアプリケーション全体を可視化できるダッシュボードを作成します。
また、フルマネージドサービスならではの高可用性、 SLA の保証、ソフトウェアの自動更新などが提供されるため、大幅な運用負荷の軽減も期待できます。
2. Azure Managed Grafana のメリット
Azure Managed Grafana を導入することにより得られる具体的なメリットについて解説します。Azure サービスとのシームレスな連携
Azure Managed Grafana は Azure 環境に最適化されているため、Azure Monitor や Azure Data Explorer などの Azure サービスとシームレスに連携し、すべてのデータを一箇所にまとめることができます。
これにより複数のデータソースからの情報を簡単に統合して分析することが可能です。たとえばアプリケーションなどのトラブルシューティングにおいて、より総合的で正確な判断ができます。
Azure Active Directory による統合管理
Azure Managed Grafana では、 Azure Active Directory ( Azure AD )を使用して ID 管理を一元化できます。 Grafana インスタンスを使用するユーザーの制御や、マネージド ID を利用した 他の Azure サービスへのアクセスが可能なため、セキュリティの強化や管理負荷の軽減に効果的です。
ワンクリックでダッシュボードを作成
Azure Managed Grafana を使用することで、 Azure Portal 上の既存のグラフからワンクリックでダッシュボードを作成できます。テンプレートなども用意されており、直感的な操作が可能です。また、組織内外のユーザーとの共有も簡単にできます。
3. Azure Managed Grafana の利用方法
Azure Managed Grafana の利用方法について解説します。
前提条件
Azure Managed Grafana を利用するには、以下の前提条件が必要です。
- Azure アカウントとアクティブなサブスクリプションがあること
- リソースグループ共同作成者以上のロールがあること(新規にインスタンスを作成する場合)
- リソースグループ所有者以上のロールがあること(インスタンスにアクセスする場合)
Azure Managed Grafana のワークスペースを作成
まずはワークスペースを作成します。
1. Azure Portal にアクセスし、サインインします。
2. 検索ボックスから「 Azure Managed Grafana 」を検索し、選択します。
- サブスクリプション ID
- リソース グループ名
- 場所
- 名前
- ゾーン冗長性

図版出典:Microsoft公式サイト
4. 必要に応じて API キーの作成やアクセス許可などのオプションを設定します。
5. [確認と作成]タブで設定を確認して検証を行い、「作成」を選択するとリソースの作成が開始されます。
Managed Grafana インスタンスへのアクセス
次に、Managed Grafana インスタンスへアクセスします。
1. ワークスペースの作成が完了したら、対象のリソースにアクセスします。
2. [エンドポイント]に表示されている URL にアクセスすると、 Managed Grafana の利用を開始できます。

図版出典:Microsoft公式サイト
4. Azure Managed Grafana の料金体系
最後に、Azure Managed Grafana の料金体系について解説します。
作成するリージョンによって価格は異なりますが、現在は日本リージョンには対応していません。ここでは、米国西部リージョンに作成した場合のタイプごとの料金を紹介します。タイプ | 価格 |
---|---|
インスタンス ※最初の 30 日間無料 |
¥12.853 / 時間 (既定でインスタンスごとに 2 つのノード) |
アクティブユーザー ※月ごとに Grafana インスタンスにアクセスしたユニークユーザー 1 人当たり |
¥867.271 / 月 |
ゾーン冗長 | ¥7.7231 / 時間 |
Grafana Enterprise ライセンス |
5. まとめ
Azure Managed Grafana は、 Azure 環境に最適化されたフルマネージドのデータ可視化サービスです。他の Azure サービスと連携してデータを一箇所にまとめ、統合して効果的な分析を実現できます。また、フルマネージドサービスのため管理負荷が軽減され、操作が容易であることもメリットです。
Azure 環境に分散したデータを簡単かつ効率的に取りまとめて可視化・分析し、ビジネスに活かすために Azure Managed Grafana の導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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