Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

データベース管理とアプリケーション開発を統合するプラットフォーム「Microsoft Dataverse」について解説します!

Category: 入門編

2023.10.12

Microsoft Dataverseの概要、機能、メリット、利用事例について解説

近年、ビジネス環境において大量のデータが生成され蓄積されています。またビジネスニーズに合わせ、これらのデータを活用し、迅速且つ柔軟にアプリケーションが開発されるようになりました。データの価値を最大限に引き出すために、効率的なデータベース管理と柔軟なアプリケーション開発が不可欠です。

Microsoft Dataverse は、データベース管理とアプリケーション開発をシームレスに統合する強力なプラットフォームです。本記事では、 Microsoft Dataverse の主な機能、特徴、メリット、利用事例について解説します。

1. Microsoft Dataverseとは

Microsoft Dataverse は、Microsoft 365 、 Azure 、 Power Platform 、 Dynamics 365にまたがって使用されるデータベースであり、ローコードの開発プラットフォームです。以前までは「 Common Data Service 」という名称でしたが、「 Database (データベース)」 ではなく、宇宙を意味する「 Universe 」や「 Metaverse 」を想起させる「 Dataverse (データバース)」へ変更されました。

Microsoft Dataverse はビジネス環境の急速な発展とデータ活用が求められる時代において、あらゆるデータ形式を統合的に管理し、データを保存するために統合的なデータベースの提供と、アプリケーションの迅速な開発ニーズを満たすサービスです。

さらに近年ではデータセキュリティとコンプライアンスは、ますます厳格化されています。データの保護、アクセス制御、監査などのセキュリティ機能によりコンプライアンス要件に対応できる仕組みも提供されます。

Microsoft Dataverseは、現代においてデータ管理、アプリケーション開発、セキュリティ、コンプライアンスの観点から重要なサービスとして注目されています。

Microsoft Dataverseとは

図版出典:Microsoft公式サイト

2. Microsoft Dataverse の機能

本章では Microsoft Dataverse の主な機能について解説します。

データモデリングと管理

データベースを作成し、データテーブル、エンティティ、フィールドを定義するためのツールを提供します。データモデルを作成し、関係を設定し、データの整合性を維持します。

データの一元化

組織内のさまざまなデータソースからデータを一元化し、データの重複、不整合のない一貫性のあるデータソースを提供します。

ローコードアプリケーション開発

ローコードのアプリケーション開発をサポートし、データモデルを活用してカスタムアプリケーションを迅速に構築できます。また Microsoft Dataverse で開発したアプリケーションは、モバイルデバイス上でも動作します。

ワークフローの自動化

データの変更に応じてアクションをトリガーし、ビジネスプロセスの自動化を可能にするワークフローとルールエンジンを提供します。

データ保護

データを保護するためのセキュリティ機能として、ロールベースのアクセス制御、データの暗号化、監査ログのトレースなどセキュリティ機能を提供します。

アプリケーションとの統合

Power BI 、 Power Apps 、 Dynamics 365 、 Azure Logic Apps など、 Microsoft の製品やサービスとシームレスな統合を実現するための機能を提供します。

データの視覚化と分析

Power BI との統合により、データを視覚化し、分析するためのツールとして活用できます。

これらの機能により、 Microsoft Dataverse は、データの価値を最大限に引き出すことができます。

3. Microsoft Dataverse のメリット

本章では Microsoft Dataverse のメリットについて解説します。

SQLの知識は不要で簡単に扱える

Microsoft Dataverse は、 Azure SQL 、 Blob Storage 、 Cosmos DB で構成されており、コンテンツの内容に応じて、自動で振り分けが行われるようになっています。

データに応じ適切なデータベースが用いられますが、Microsoft Dataverse でテーブルを設計する際には、従来のようなSQL言語は不要です。全て視覚的に簡単なクリック操作で実装することができます。

運用・保守の手間がない

Microsoft Dataverse は、 SaaS 型のサービスであり、パフォーマンスチューニングやスケーリング、インデックスなどはすべて Microsoft 側で行われます。よって自社での管理負担が大きく削減することができます。

Microsoft Dataverse は世界中の企業で利用され多くのビックデータ取り扱いの実績があり、あらゆる運用・保守に対応することができます。

高度なセキュリティ機能

Microsoft Dataverse は、 Azure の堅牢なインフラ基盤上に構築されています。機能としても高度なセキュリティ機能がローコードで実装できます。

データは行単位に制御を行うことが可能で、複雑なセキュリティ設定を行うことが可能であり、データの自動バックアップも提供されていることから、データ保全に関して、あらゆる対策が取られています。

高度なカスタマイズ開発にも対応

標準で Web API があり、作成したテーブルは Web API 経由でアクセスできるようになります。 SDK を利用することで Power Platform 、 Dynamics 365 以外にも自社の要件に合わせて高度なデータ連携が可能です。

4. Microsoft Dataverseの利用事例

Microsoft Dataverse 機能の位置付け

Microsoft の各サービスはそれぞれが連携しており、複数のサービスを掛け合わせることで何通りもの機能を実現しています。この機能を実現するために Microsoft Dataverse が裏で動いており、利用者が意識しなくても Microsoft Dataverse が機能しています。

Microsoft Dataverseの利用事例

APIとして利用

Microsoft Dataverse は、「 Microsoft Dataverse Web API 」を公開しています。 Web API は、データやテーブルと列の定義を操作するために使用でき、多様なデータソースに対して RESTful API を構築して使用するための標準規格に対応しています。

オープンスタンダードに基づいて構築されるので、様々なサードパーティのライブラリを使用して必要な任意の言語またはプラットフォームに対応することが可能です。

クラウドデータベースとして利用

Microsoft Dataverse は、クラウド型データベースとしての役割も持っています。先述したとおり、コンテンツの内容に応じて、自動で振り分けが行われるようになっているため、利用者が意識することはなく利用できます。

データベースにはテーブルが存在し、アプリを開発する場合は、標準テーブル、カスタム テーブル、またはその両方を使用できます。またカラムに制約をかけるなど、リレーションシップ設定を柔軟に拡張することもできます。

Microsoft Dataverseの利用事例

ALMとして利用

Microsoft Dataverse は、Application Lifecycle Management( ALM )を実現することができます。これは、アプリが作成されてから使用されなくなるまで継続的・統合的に管理することを意味し、Microsoft Dataverseを活用することでより最適なALMを実現することができます。

Microsoft Dataverseの利用事例

図版出典:Microsoft公式サイト

ALM は、ガバナンス、開発、メンテナンスを含む、アプリケーションのライフサイクル管理です。さらに、要件管理、ソフトウェア アーキテクチャ、開発、テスト、メンテナンス、変更管理、サポート、継続的インテグレーション、プロジェクト管理、展開、リリース管理、およびガバナンスの分野も含まれ統合的な管理を行うことができます。

Microsoft Dataverse では、 ALM を実現するために「ソリューション」という単位でデータを管理しています。「ソリューション」というのは、アプリやフローなどをまとめて管理する仮想フォルダです。

例えば、 Power Automate では「ソリューション」からデータのインポート・エクスポートが可能であり、アプリケーションの ALM をより最適に行うことができるようになります。

5.まとめ

Microsoft Dataverse は、データベース管理とアプリケーション開発をシームレスに統合する強力なプラットフォームです。組織にとってデータ管理とアプリケーション開発の分野で新たな可能性を切り拓くプラットフォームであり、データの一元化、柔軟なアプリケーション開発、データセキュリティ、統合性、データ分析など、多くのメリットを提供してくれます。

データの価値を最大限に引き出し、ビジネスの成功に貢献するMicrosoft Dataverse は、現代のデジタルビジネス環境において、今後ますます重要性を増していく分野のサービスとして注目されています。

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Tag: Microsoft Dataverse

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