Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

オンプレを廃止し、Microsoft365を活用することで業務を効率化する方法

Category: 実践編

2022.08.24

Microsoft 365 と Azure ADとの連携、メール移行について

近年の DX 推進・働き方改革を目的として、Microsoft 365 を導入する企業が増えています。これまで個別にインストールしていた Microsoft の Office 製品をサブスクリプションで利用でき、クラウド上でデータ連携が可能なため、時間や場所にとらわれない多様な働き方を実現できます。

また、Microsoft 365 の導入をきっかけに、従来の Active Directory 機能やメール機能を、オンプレミスからクラウドサービスに切り替える企業も増えています。Microsoft 365 は Office 製品の利用にとどまらず、統合的に業務効率や生産性を向上できる画期的なサービスと言えるでしょう。

本記事では、Microsoft 365 の概要・メリットや、Azure ADとの連携、メール移行のユースケースについて紹介します。

1. Microsoft 365 の概要

Microsoft 365 は、Office 製品を始め様々なアプリケーションをサブスクリプションで利用できるサービスです。まずは、Microsoft 365 のサービス仕様、メリット、ライセンス、料金体系について解説します。

1.1 Microsoft 365 とは

従来、Word や Excel といった Microsoft 社製品を利用する場合、ライセンスを購入しデスクトップアプリケーションとして個別にインストールをしていました。そして一度インストールしてしまえば、その後は追加費用なく使い続けることができる買い切り型のライセンスでした。

Microsoft 365 は、月額料金を払って Microsoft 社製品をサービスとして利用するサブスクリプション型のライセンスです。従来のアプリケーションに加え、オンラインストレージのようなクラウドサービスも利用できます。

1.2 Microsoft 365 のメリット

Microsoft 365 には多くのメリットがあります。その一部を紹介します。

1.2.1 利用できるアプリケーションとクラウドサービスが豊富

Microsoft 365 は基本的なアプリケーションに加え、沢山のアプリケーションとクラウドサービスが利用できます。従来の買い切り型のライセンスでは、主に Word・Excel・PowerPoint・Outlook が含まれたパッケージが多く販売されていました。

Microsoft 365 のベーシックなプランでは、Word・Excel・PowerPoint・Outlook はもちろん、Access・Publisher・SharePoint・Teams・OneDrive 等、一般的なビジネスに必要とされるアプリケーションのほとんどが含まれます。

中でも特筆すべきは、クラウドサービスである SharePoint でしょう。SharePoint は、チーム間でのデータの共有だけでなく、オンライン上で共同作業を行うことができます。テレワークが普及した昨今、非常に有効的なコミュニケーションツールです。このような豊富なアプリケーションとクラウドサービスがパッケージに含まれているのが Microsoft 365 です。

1.2.2 導入コスト・運用コストの削減

従来の買い切り型のライセンスは、導入コストが高くなりがちです。特にパソコンを数台まとめて購入する場合などは、非常に大きな負担となるでしょう。Microsoft 365 は初期費が不要であるため、まとめて購入する場合でもキャッシュフローを安定させることができます。

また運用においても、従来の買い切り型ライセンスでは社員の増減を考慮する必要があり、どうしても余剰分の無駄が生じてしまいます。しかしサブスクリプション型であれば、月額単位ですぐに利用を開始でき、不要であればすぐに利用を停止できるので、最適な運用コストを実現します。ライセンスの管理においても、サブスクリプション型のライセンスは最新の割り当て状況をひと目で確認できる点がメリットでしょう

1.3 Microsoft 365 のライセンスと料金体系

Microsoft 365 のライセンスと料金体系 Microsoft 365 には、家庭利用向けの Microsoft 365 Personal、ビジネス利用向けには Business Basic・Standard・Premium、そして大企業向けに Microsoft 365 E3・E5・F3 等のラインナップがあります。

参考までに、執筆時点(2021年10月)では、ビジネス利用向けのBasicプランが月額540円/ユーザーで利用できます。先述した通り、Microsoftの様々なアプリケーションとクラウドサービスがWeb版・モバイル版共に利用可能です。プランに応じて提供される機能や利用できるサービス範囲が異なります。利用前には必ず公式サイトでご確認ください。

2. Microsoft 365 と Azure ADとの連携

ここからは、Microsoft 365 のユースケースについて紹介します。まずは近年、クラウドサービスの普及に伴い重要度が高まっている Azure AD とのシングルサインオンと、オンプレ環境との同期について見ていきましょう。

2.1 Azure ADとは

従来のオフィス内にパソコンや業務システムがある環境では、認証情報を取り扱う Active Directory は、オンプレミス環境で企業内の認証に利用するのが一般的でした。近年では、クラウドサービスが業務システムの主体にシフトしています。Azure AD とは、クラウド型の Active Directory サービスです。Microsoft が提供するクラウドサービスの認証に利用されています。

2.2 シングルサインオンとは

シングルサインオン( Single Sign-On )は、「シングル 」と「サインオン」を組み合わせた造語です。利用開始時にユーザーのログイン認証を 1 度行うことで、その認証情報を紐づけ、複数のシステムやアプリケーションを利用する仕組みです。

2.3 Microsoft 365 と Azure AD の連携

企業で Microsoft 365 を利用する場合、まず管理者が組織情報を登録し、ユーザー情報を追加していきます。このユーザー情報は組織単位の管理権限をもつ Azure AD に自動的に登録されます。つまり細かい設定は不要で、Microsoft 365 の利用登録した時点で、クラウドサービスのシングルサインオンが実現するということです。

2.4 Microsoft 365 とオンプレミス Active Directory の連携

では、企業内で利用しているオンプレミス Active Directory を利用し、Microsoft 365 へシングルサインオンさせることはできるのでしょうか。

それには、ADFS サーバー( Active Directory Federation Services )が必要になります。オンプレミス Active Directory で認証したユーザー情報を、ADFS サーバーを介して Microsoft 365 にログオンするイメージです。この時、実際には、クラウドサービスの認証をつかさどる Azure AD に認証情報が渡されます。

メリットとして、オンプレミス Active Directory は、ユーザー ID やパスワードだけでなく、多要素認証機能があります。オンプレミスだけでなく、クラウドサービスの管理についても厳格な運用ポリシーとセキュリティレベルを担保する必要がある場合、このような ADFS サーバーを立てる方法は大変有効です。また Azure AD Connect サーバーを利用することで、Azure AD とオンプレミス Active Directory 間のユーザー情報を同期できます。

2.5 Azure AD の有償エディション

Azure AD サービスにも、セキュリティ機能が強化された Premium P1・Premium P2 という有償のエディションが用意されています。より厳格な認証、条件付きアクセス管理、不正アクセスの検出、IP アドレス単位での制御、可視化された管理機能が提供されます。価格については利用前に必ず公式サイトでご確認ください。

3. Microsoft 365 のメール機能の活用

近年、様々なコミュニケーションツールが登場していますが、まだまだメールによるコミュニケーションが主流と言ってよいでしょう。ここからは、Microsoft 365 のメール機能についてユースケースを紹介します。

3.1 Microsoft 365 のメール機能とは

従来のメール環境は、Exchange サーバーなどで構築されていました。高度な運用スキルを要する点や、メール通信は様々なプロトコルの仕様変遷もあり、運用負荷が非常に高いシステムでした。Microsoft 365 のメール機能は、クラウドサービスとして提供されます。また従来のようにパソコンのメールアプリケーションとして設定するなど、利用者の環境に応じて利用方法を選択可能です。

3.2 メールサーバーを Exchange Online で運用したい

Exchange Online は、メールの送受信を行うクラウド環境のメールサーバーです。従来の Microsoft が提供していた Exchange サーバーをクラウドサービス化したものです。ハードウェアのメンテナンス、ソフトウェアの更新、セキュリティパッチの適用など運用作業が不要なため、管理負担の大幅な削減が可能です。

3.3 Outlook on the web で Web メールのみ利用したい

メールデータをパソコンに残すことで、セキュリティ上のリスクも高くなります。Outlook on the web は、Exchange Online に含まれる Web メールの機能です。パソコンにデータを残すことなく、Web ブラウザからメールを送受信できます。

3.4 使い慣れた Outlook をそのまま使いたい

従来のように、Outlook をメール送受信のクライアントソフトとして使用できます。Word・Excel のように Microsoft 365 のプランに含まれているアプリケーションです。

3.5 メールサーバーの管理負荷削減

ここまで紹介したユースケースのように、利用者だけでなくシステム管理者にとってもメールサーバーにまつわる煩雑な管理作業が大幅に削減できるのが大きなメリットと言えるでしょう

4. まとめ

本記事では、Microsoft 365 のサービスの概要と、Azure AD・メール機能のユースケースを紹介しました。近年 Microsoft 365 は、働き方改革やテレワークの普及、デバイスの多様化という時代背景から、ますます利用が広がっているサービスです。オンプレミスからの移行によって、様々な機能をクラウドサービスとして利用できるため、大幅な業務効率化が期待できます。ぜひ専門家の支援を受けながら、導入を検討してみてください。

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Tag: Azure AD ID Microsoft365 オンプレ廃止

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