Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure PortalのIP制限とは?予期せぬアクセスからAzure Portalを守る方法を解説

Category: 実践編

2024.05.20

IP 制限を行うことで、適切なアクセス管理を実現できる

Webサイトへのアクセスを制限なく許容した場合、その Web サイトは無数の攻撃を受けるリスクがあります。特に、 IP アドレスを基にアクセス制限を設けることで、不正アクセスなどの攻撃からWebサイトを守ることが可能です。Azure Portal も同様に、IP アドレスによる制限を行うことで、セキュリティレベルの向上につながります。

本記事では、 Azure Portal の IP 制限について解説します。また、IP 制限を効果的に実装するためのポイントについても解説しますので、より強力なセキュリティ対策を実装する際の参考にご覧ください。

1. Azure PortalのIP制限とは

ここでは、 Azure Portalへのアクセスを制御するための IP 制限の基本について解説します。

IP制限の概要

IP制限とは、許可した IP アドレスからのアクセスのみを許可する、またはアクセスを拒否する IP アドレスを設定するセキュリティ対策です。IP制限では、単一の IP アドレスから IP アドレスの範囲指定まで、幅広くかつ柔軟なアクセス制御を行うことができます。

Azure Portal への IP 制限の適用は、不正アクセスの防止につながり、セキュリティを向上させる効果があります。またIP アドレスによる適切なアクセス制限を行うことで、 Azure Portal への攻撃を未然に防ぐことが可能になります。

Azure Portalへのアクセスを制御する機能

例えば、会社内の一部の従業員のみが操作できる Azure Portal で管理されているサービスがあるとします。このサービスへのアクセスを制御するためには、管理する従業員の IP アドレスからのみアクセスを許可することが一般的です。

これにより企業内部からの安全なアクセスを保証しつつ、外部からの不要なアクセスを阻止できます。

この場合、社外などの不特定多数の IP アドレスからのアクセスも制限する必要があるため、特定の IP アドレスのみを許可し、その他を拒否する設定が現実的です。このように、 IP 制限は用途に応じて Azure Portal へのアクセスを柔軟に制御できる機能を持ちます。

2. Azure Portal IP制限のメリット

ここでは、 Azure Portal の IP 制限を行うメリットについて解説します。メリットを把握することで、 Azure Portal の IP 制限を効果的に活用し、Azure環境のセキュリティを強化できます。

不正アクセスの防止

IP 制限により、認証されていない IP アドレスからの Azure Portal へのアクセスを全て制限できます。これにより、不正アクセスを防ぎ、 Azure Portal で管理されているリソースのセキュリティ保護につながります。

特定の地域からのアクセス制限

特定の地域からのアクセスのみ許可または拒否することで、地域の要件に沿ったセキュリティ制限を対応し、ネットワークを守ることにつながります。Azure Portal の IP 制限では、地域に基づいたアクセス制御を柔軟に設定可能です。

セキュリティポリシーの強化

セキュリティポリシーは、企業のセキュリティ基準やルールを明確に定めたものです。Azure Portal における IP 制限の設定は、自社のポリシーの準拠につながり、全体的なセキュリティ体制の向上に寄与します。他のセキュリティ対策と連動するように Azure Portal の IP 制限を行うとより効果的です。

3. IP制限の実装方法

ここでは、 Azure Portal で IP 制限を実装する方法として、 Microsoft Entra ID の条件付きアクセスポリシーを利用する方法を解説します。

条件付きアクセスポリシーの事前準備

Microsoft Entra ID を手軽に利用する方法として Free 版が提供されていますが、機能が不十分で、条件付きアクセスポリシーには対応していません。そのため条件付きアクセスポリシーを適用する際は、有償ライセンスである Microsoft Entra ID P1 や Microsoft Entra ID P2 を利用します。 Microsoft 365 管理センターよりライセンスを購入するなど、事前準備を整えておく必要があります。

また、条件付きアクセスポリシーを適用する前提として、ポリシーの範囲に含まれるネットワーク構成や各クライアントの情報を把握しておくことも重要です。

Microsoft Entra IDの条件付きアクセスポリシー

Microsoft Entra ID の条件付きアクセスポリシーは、アクセスしようとしている IP アドレスが関連付けられているグループなど細かい条件によりポリシーを定めて IP 制限を設定できます。 Microsoft Entra ID の条件付きアクセスポリシーは、 以下のような GUI により設定できるので、難しい操作は不要です。

Microsoft Entra IDの条件付きアクセスポリシー

図版出典:Microsoft公式サイト

Microsoft Entra ID の条件付きアクセスポリシーの設定の詳細については、Microsoft の公式サイトを参照することをおすすめします。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/entra/identity/conditional-access/concept-conditional-access-policies

4. IP制限を効果的に実装するためのポイント

ここでは、 Azure Portal の IP 制限をする際に、より高い効果を出すための実戦的なポイントについて解説します。実際に IP 制限を実装する際に、ここでの内容も参考にしてください。

信頼できるIPアドレスのホワイトリスト化

アクセスを許可する IP アドレスのみをホワイトリスト化することで、攻撃性のある IP アドレスによるAzure portal へのアクセスを全て拒否することができます。

リスト化の方法には、信頼しないアドレスのみをリスト化するブラックリスト方式もありますがブラックリストに入れていない予期せぬ IP を制限できないため、ホワイトリスト方式は効率的な IP 制限を実現する方法と言えます。

付与するアクセス権を最小限にする

Azure portalへのアクセスが許可された IP アドレスに対して、特定のサービスのみ使用可能に設定することで、アクセス権を最小限に抑えることができます。IP 制限とアクセス権による制限を組み合わせて活用することで、より効果的で決めの細かいセキュリティ対策が実現できます。

5. まとめ

Azure Portalの IP 制限を実装することで、予期せぬ IP アドレスからのアクセスを防ぐことができ、不正アクセスのリスクを減らせるなど期待できる効果は高いと考えられます。このような効果の高いIP 制限の実装は、 GUI 上で容易に行うことができるため、業務に導入してみるべきでしょう。

ぜひこの記事を参考にして、 Azure Portalの IP 制限について知見を深め、適切なアクセス管理を実現してください。

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Tag: Azure portal

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