Managed Service Column <システム運用コラム>

ストレージとは?

Category: 入門編

2020.09.11

はじめに

ストレージがデータを格納するメディアのことだと知っていても、ストレージとメモリの違いや、HDDとSSDの違いまでは把握しきれていない方もいるのではないでしょうか。実は、一口にストレージといってもさまざまな種類があり、設置方法も複数の種類があります。

ここでは、ストレージとは何か、メモリとはどう違うのか、あらためて確認したい方のために詳しい解説をしています。ストレージの種類や、現在主流になっているSSDとHDDの違いについても押さえておきましょう。

ストレージとは

ストレージは別名「記憶装置」とも呼ばれており、コンピューターにおいてプログラムやデータを記憶するパーツのことを指します。厳密には2つに大別され、CPUが直に情報処理を行なう「主記憶装置」と、「補助記憶装置(外部記憶装置)」に分けられます。

一般的にストレージは「補助記憶装置」のほうを指し、長期間にわたり保存したいデータやプログラムを格納するためのものです。ストレージにはいくつか種類があり、以下に代表的なストレージの種類とその例をあげます。なお、「主記憶装置」はメモリのことを指し、詳細は後述します。

  • フラッシュメモリ(SSD、USBメモリ、SDカードなど)
  • 光学ディスク(CD、DVD、ブルーレイディスクなど)
  • 磁気ディスク(ハードディスクなど)
  • 磁気テープ

ストレージは種類によって、読み出し速度や処理速度、容量、価格が変わります。容量に対する価格は、磁気テープが一番安く、次いで磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリの順です。

ストレージはコストの多寡でなく、用途によって選定することが大切です。法定帳票や契約書類など、使用頻度は低いが長期間の保存が必要なデータであれば、処理速度でなく長期間の保管でも劣化が起こりにくいストレージを選ぶと良いでしょう。

ストレージの種類

ストレージは設置する場所に応じて、次の3つの種類に分けされます。

  • 内部ストレージ
  • 外部ストレージ
  • オンラインストレージ
それぞれの特徴を以下で解説します。

内部ストレージ

内部ストレージとは、コンピューターなどの端末本体に内蔵される大容量の記憶装置のことを指します。特にスマートフォンやタブレットなどの小型携帯端末に関して、「内部ストレージ」の呼称がよく使われています。パソコンにおいては、内蔵HDDや内蔵SSDなどでマザーボードと直接接続したストレージがそれにあたります。

既存の内部ストレージは、大容量のストレージに換装したり、別途ストレージを追加したりする増設や、同種のストレージとの交換もできます。ただし、少し専門的な技術が必要だったり、ベンダーのサポート対象外になったりするため、既存の内部ストレージの取り外しは慎重に行ないましょう。

外部ストレージ

外部ストレージとは、パソコンなどの端末本体に端子や有線で接続して使うストレージのことです。USBメモリやSDカードなど、携帯に適した超小型ストレージのほか、大容量データの保存やバックアップを目的とした外付けHDDやSSDがあります。一般的な内蔵ストレージと違い、別の端末に接続してデータ閲覧や情報処理を行ないます。

オンラインストレージ

ストレージは物理的に端末内外に設置するだけでなく、クラウド上に設置することもできます。こうしたストレージはオンラインストレージと呼ばれています。

オンラインストレージはインターネット環境があれば、どこからでも自由に利用できるメリットがあります。有料と無料のサービスがあり、規定の容量を上限にデータの保管スペースがユーザーに貸し出されます。

サービス形態はさまざまで、ユーザー端末のストレージ容量を拡張する「クラウドストレージ」や、組織やグループでの利用を目的とした「ファイル共有サービス」、また大容量ファイルの送受信を目的とした「ファイル転送サービス」があります。

(あわせて読む:「ブロックストレージ・ファイルストレージ・オブジェクトストレージの違いを解説」)

ストレージとメモリの違い

ストレージと同じ記憶装置として、メモリがあります。前半のストレージの紹介部分でも少し触れましたが、このメモリは「主記憶装置」と呼ばれ、ストレージとは違った用途で使用されます。ここではストレージとメモリの違いについてみていきましょう。

メモリ

通常メモリとは、各種制御やデータ処理を行なうCPUが直接アクセスして演算を実行する「主記憶装置」を指します。高速な処理を実現させるため、電気伝導性が極めて高い半導体集積回路(IC)を使用しており、別名「半導体メモリ」または端的に「メモリ」と呼ばれます。

メモリにより高速な処理が可能になりますが、コストや設置要件の制約からわずかな容量しか搭載できないのがネックです。また、一般的な半導体メモリは通電しないとデータが失われる「揮発性」です。そのため、コンピューターのシステム上、大容量の外部記憶装置(ストレージ)が別途用意されるのが一般的です。

揮発性のものが多い半導体メモリですが、なかには不揮発性のものもあります。例えば「フラッシュメモリ」は不揮発性になり、主記憶装置ではなく外部記憶装置として使われています。近年、汎用フラッシュメモリのSSD容量が向上しており、パソコンに標準搭載されるようになってきています。なお、現在の汎用フラッシュメモリの容量は4GB~1TB程度が主流です。

ストレージ

ストレージは通電しなくてもデータが保持される不揮発性の記憶装置です。データの長期保存を目的として、コンピューターシステムに用意されます。CPUによる制御・処理用の揮発性メモリに比べ、はるかに膨大な容量を持てますが処理速度は劣ります。

ストレージの形態はさまざまで、端末内蔵のストレージのほか、携帯可能な外付け式もあります。ストレージの容量は、HDDであれば1TB以上が主流です。

SSDとHDDの違い

最後に、各種ストレージのなかでも、内蔵ストレージとしてよく使われているHDDとSSDについて比較します。それぞれの特徴や長所と短所を理解したうえで、用途に応じたストレージを選定しましょう。

SSD

SSDとは半導体メモリの一種で、電源なしでデータを保持できる不揮発性のフラッシュメモリを使用した記憶装置です。従来型ストレージのHDDの代替として普及が進んでおり、データ容量が1TB以上のSSDも多く市販されています。

半導体素子で構成されるSSDは、電気的な高速処理が可能です。しかも消費電力が少なく済み、装置自体も軽量・薄型、小型化できるのがメリットです。

ただし、SSDのデータ容量あたりのコストは磁気ディスクに比べると高い傾向にあり、フラッシュメモリは書き換えによる劣化が早く、磁気ディスクに比べると寿命が短いといわれています。これを防止する制御システムがSSD製品に搭載されていますが、データ書き換え可能な回数はHDDのような磁気ディスクと比較すると少なめです。

HDD

HDDとは、パソコンやサーバーの主要な外部記憶装置(ストレージ)として使われている大容量の磁気ディスクです。HDDの主な構成は磁気ディスク(通常3.5インチ[約9cm])と読み取りヘッド、回転用モーターです。そのためSSDよりも大きく、パソコン本体を覆うケース(筐体)なかである程度のスペースを必要とします。また、データ読み込み時のモーターによる回転動作や、ヘッドで読み取りを行なうため、振動や駆動音が発生し、衝撃に弱いという欠点があります。

しかし、HDD1台あたりのデータ容量は、SSDをはじめ他のストレージ製品に比べて大きいという利点があります。さらにメモリやSSDと比較して、データ容量あたりのコストが安いのもメリットです。

おわりに

今回はストレージの概要をはじめ、ストレージの種類やメモリとの違い、SSDとHDDの違いを解説しました。

ストレージは本体内蔵と外付け式の2つのタイプがあり、近年はオンラインストレージの利用も進んでいます。高速処理が可能な半導体メモリは、コンピューターシステムの制御や処理用途だけでなく、大容量のデータ記憶装置としても使われるようになっています。

今回紹介したストレージの種類や、長所と短所を理解し、適切にストレージを選定、利用していきましょう。

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Tag: ストレージ

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