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VMware ESXiとは?仮想マシンを活用する方法を解説

Category: 入門編

2024.10.31

VMware ESXiを導入することで、リソースを考慮した仮想化を実現することが求められている

仮想マシンを導入する際に、ハードウェアのリソースが不足する場合や、仮想マシンのインストールや設定が難しく断念するケースもあります。しかし、 VMware ESXi はリソースの消費が少なく、インストールや設定も難しい内容ではなく、仮想マシンの導入を成功に導くことができます。

本記事では、 VMware ESXi の基本的な内容や ESXi のインストールと設定について解説しますので、 ESXi について把握した上で導入方法を理解できるでしょう。また、 ESXi の管理と運用のベストプラクティスについて解説しますので、導入後の管理や運用の場面で役に立つ知識を習得できます。

1. VMware ESXiとは

ここでは、VMware ESXiの基本的な内容を解説します。まずは、本記事を読み進みるために必要な前提知識を理解してください。

ESXiの概要

VMware ESXi ( Elastic Sky X Integrated )とは、物理マシンにインストールして仮想マシンを実行するための VMware が提供しているソフトウェアのことです。 ESXi を活用することで、複数の仮想マシンを 1 台の物理マシン上で同時に動作させることが可能となります。

ESXiの特徴や機能

ESXi は、他の仮想マシンを実行するためのソフトウェアに比べ、少ないリソースで使用できることが特徴です。このため、物理マシンのリソースの消費を最小限に抑えることができ、CPU、メモリ、ストレージを効率的に活用できます。

ESXi はセキュリティ面の機能にも強く、 ESXi ファイアウォールによりアクセス制限やデータの暗号化を行えます。また、スナップショット機能も持っており、仮想マシンの状態を保持できるため、トラブルが起きた際も状態の復元が可能です。

ESXiが企業で使用されている例

ソフトウェア開発を行う企業における開発やテストの実行環境として、 ESXi が活用されています。ソフトウェア開発では、開発するソフトウェアの内容により環境として求められる OS やアプリケーションなどが異なります。 ESXi により常に直近の開発に必要な環境を柔軟に用意することで、多岐に渡る開発が可能です。

ESXiの活用イメージは次の図のようになります。

ESXiの活用イメージ

2. ESXiのインストールと設定

この章の内容を参考に、実際のESXiをインストールして設定してみてください。ここでは、必要な手順を解説します。

ハードウェア要件

ESXi をインストールするためには、 CPU は 2 コア以上必要です。また、仮想マシンを 64 ビットで使うためには、 CPU も 64 ビットに対応している必要があります。メモリは最低でも 4GB 必要で、 8GB あることが推奨されます。

ストレージは起動デバイスに応じて 32GB 以上必要です。また、 SSD のように高速なストレージを用いることで、 ESXi のパフォーマンスを上げることができます。

これらのハードウェア要件は、 ESXi のバージョンの更新と共に変動する可能性があります。実際に ESXi をインストールする際に、 VMware の公式サイトで最新のハードウェア要件を確認することがおすすめです。

インストールの準備

インストールの準備として、まずはハードウェア要件を満たした物理マシンを用意しましょう。また、インフラ環境として、インターネットに接続できる環境が用意できていることが前提条件となります。

次に、 VMware の公式サイトより ESXi ISO のイメージファイルをダウンロードします。イメージファイルは、 DVD などに書き込んでインストールメディアとします。

インストール手順

インストールの準備で作成したインストールメディアを物理マシンに挿入します。次に、 BIOS の設定をインストールメディアから起動するように変更しましょう。インストールメディアが読み込まれたら、 ESXi のインストールが始まるので、画面に従いインストールを進めます。

インストールが完了したら、インストールメディアを外し、 BIOS の設定を元の状態に戻し、物理マシンを再起動します。再起動後に、 ESXi のインストールが正常に行われたことを確認します。

ネットワークの設定

ネットワークの設定は、 ESXi ホストで行います。 ESXi ホストの IP アドレスを IPv4 Configuration で設定しましょう。 IP アドレスの設定に伴い、適切なサブネットマスクと、デフォルトゲートウェイも設定します。

IPv6 を使用する場合、 IPv6 Configuration で設定します。さらに、 DNS の設定を DNS Configuration で行います。

次に、仮想マシンをブラウザ上で操作できる vSphere Client で仮想スイッチを作成することで、仮想マシン用のネットワークを追加できます。デフォルトで用意されている vSwitch0 という名前の仮想スイッチを使うことも可能です。

導入時のトラブルシューティング

ESXiのインストールを行う際に、ハードウェア要件を満たしていても、互換性の問題でインストールが失敗する場合があります。ファームウェアをアップデートしても解決しない場合、 VMware の公式サイトでハードウェアの互換性を確認してください。

また、 ESXi ISO のイメージファイルが読みこめないトラブルが発生する場合もあります。この場合、 USB などの別のインストールメディアを用意して、再度インストールを行うとトラブルが解決する場合があります。

3. ESXiの管理と運用のベストプラクティス

ここでは、 ESXi の管理と運用において役立つ情報を解説します。 ESXi を長期的に活用していくために参考にしてください。

vSphere ClientとvCenter Serverの使用

vSphere Client により、仮想マシンの起動や停止などの操作がインターフェースを通して行えるため、管理が容易になります。また、 vSphere Client を通じてハードウェアの異常を検知できるため、障害時の対応を迅速に行うことも可能です。

vCenter Server は仮想マシンを一元管理できるプラットフォームです。各マシンの状態を確認するために、個別にマシンにログインする手間が省け、管理が楽になります。

リソース管理

ESXi は CPU やメモリなどのリソースの状態を管理できます。 CPU やメモリは物理マシンのパフォーマンスにも重大な影響を与えるので、仮想マシンに過剰なリソースを割り当てすぎないように配慮する必要があります。

リソースの状態は次のように確認できます。

リソース管理

図版出典:VMware ESXiのリソースを確認するには?確認方法2種類を解説

バックアップとリストア

ESXiは定期的なフルバックアップや差分バックアップが可能なので、適宜状態のバックアップを行うことで安心して運用できます。また、全体のリストアと一部のリストアが可能です。リストアのテストは定期的に行い、いつでも問題なく復旧できる状態にしておくと良いでしょう。

セキュリティ対策

ESXi を運用する際は、 ESXi のログを定期的に確認しましょう。ログには外部からの攻撃などの様々な異常が記録されます。このため、攻撃を受けた際も、ログを確認することで迅速な対策が可能となり、安全性を高められます。

また、 ESXi ではアカウントの二要素認証や、強固なパスワードポリシー、セキュリティパッチの自動適用など、多くのセキュリティ対策を行う手段があります。セキュリティを強化するために、活用すると良いでしょう。

4. まとめ

VMware ESXi の導入を成功させるためには、まずは ESXi の基本的な内容を理解する必要があります。その上で、 ESXi のインストールと設定を実際に行いましょう。

加えて、 ESXi を適切に管理・運用して長期的に活用していくためには、 ESXi の管理と運用のベストプラクティスを知っておくことがおすすめです。ぜひこの記事を参考にして、 ESXi を業務で活用してください。

Tag: VMware

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