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限られた体制でも安定運用を守るために、押さえておきたいポイントを整理
企業の IT 運用において、人材不足や業務の属人化は大きな課題です。限られた人数で多様なシステムを管理する状況が続くと、通常業務の質やスピードが低下し、対応遅延や運用の停滞、リスクの見落としを招きかねません。
こうした IT 人材不足は一時的な問題ではなく、企業が長期的に向き合うべき構造的な課題といえます。本記事では、 IT 人材不足の現状と、企業のシステム運用に生じるリスクを整理し、限られた体制でも安定運用を実現するための対策を解説します。
1. IT人材不足の現状
企業の IT 運用現場では、人材不足が年々深刻化しています。
監視・バックアップ・障害対応といった日常業務に加え、セキュリティ強化やクラウド対応など、求められる領域は拡大し続けています。一方で、必要なスキルを備えた人材を十分に確保できない企業は多く、現場では担当者の負荷が高まっているのが実情です。
経済産業省の調査でも、 2030 年には最大約 79 万人もの IT 人材が不足すると試算されています。この傾向は一時的な採用難ではなく、社会全体の構造的な課題であることがわかります。
※参考:IT 人材需給に関する調査|経済産業省(20p)
IT人材が不足する原因
IT 人材不足が生じる背景には、複数の要因が重なっています。
まず挙げられるのが、技術領域の高度化と複雑化です。オンプレミスとクラウドを併用する企業が増え、インフラ全体の構成は以前より複雑になりました。これに伴い、担当者にはネットワーク・セキュリティ・クラウドなど複数領域にまたがる知識が求められ、必要なスキルの幅も広がっています。
しかし、こうした高度なスキルを持つ人材は市場で十分育っていません。クラウド化の加速やセキュリティ脅威の高度化・多様化に対し、現場のスキル習得が追いつかず、需給のギャップが生じているのです。
加えて、市場全体での採用競争が激化していることも要因です。最新技術に対応できる人材は限られており、大手企業が待遇や育成環境で優位に立つため、中堅企業には応募が集まりにくくなっています。結果として、採用したくてもできない状況が慢性化し、少人数体制での運用を余儀なくされるリスクが高まっています。
2. IT人材不足が企業のシステム運用に与えるリスク
IT 人材が不足する環境では、日常のシステム運用にさまざまな影響が生じます。ここでは、特に影響が大きい 4 つのリスクについて解説します。
障害対応の遅延
人員が限られると、夜間・休日の障害に即応できず、初動が遅れやすくなります。初動の遅れは復旧までの時間を長期化させ、社内業務の停止や顧客へのサービス影響を招く重大なリスクです。単純なアラート対応すら手が回らない状態が日常化すれば、システムの信頼性全体が低下し、事業継続にも大きな影響を与えかねません。
業務の属人化
担当者が少ない体制では、一部のメンバーが多数のシステムを抱え込む構造が固定化しやすくなります。ドキュメント更新などが追いつかずブラックボックス化が進むと、特定の担当者が退職や休暇で不在になった際、運用が止まるおそれがあるため注意が必要です。
また、負荷が集中することで、担当者の精神的・肉体的な負担が増加し、離職につながる悪循環にも陥りかねません。
セキュリティ対策の遅れ
ログ監査や脆弱性対応など専門的な作業は、人員不足の影響を強く受ける分野です。最低限の対応で回さざるを得ない状況が続くと、パッチ適用の遅れや設定不備が蓄積し、重大インシデントにつながる危険性が高まります。近年はセキュリティ要求が高度化しているため、対応の後回しは企業にとって致命的なリスクとなります。
システム改善・DX推進の停滞
日常運用に追われる体制では、システムの改善作業や DX 施策に割く時間を確保しにくくなります。その結果、老朽化した構成や非効率なオペレーションが放置され、運用負荷がさらに増え続ける負の循環が生まれやすくなるでしょう。改善が進まないことは、長期的な企業の競争力低下にもつながります。
3. IT人材不足への対策
IT 人材が不足する状況でも運用を安定させるために、今すぐ取り組める 3 つの対策を解説します。
業務の棚卸と標準化
まず取り組むべきは、日々の業務を正確に把握することです。監視、バックアップ、パッチ適用といった定型業務を洗い出し、どの作業にどれだけ工数がかかっているのかを可視化しましょう。
あわせて手順書やドキュメントを整備することで、人によって作業のやり方が異なる状態を防ぎ、作業品質を一定に保ちやすくなります。こうした標準化は、社内での引き継ぎをスムーズにするだけではなく、一部業務を外部に委託する際にも役立ちます。
手作業プロセスの自動化
繰り返し発生する作業をできる限り自動化することも重要です。監視アラートの集約やログ収集、バックアップ作業などはツールで自動化しやすい領域です。工数削減に加えて、人為的なミスを防ぐ効果もあり、対応スピードの向上も期待できます。
少人数体制でも業務が滞りなく進むよう、負荷の大きい領域から段階的に自動化を進めましょう。
運用体制の強化と分担
システム運用を少人数で維持するためには、本来であれば一次対応、改善作業、セキュリティ対応などの役割を明確にし、業務が特定の担当者に集中しない体制を整えることが必要です。
しかし、人材不足の状況では、夜間・休日の障害対応やバックアップ要員の確保、人材の採用・育成を含めた体制強化を自社だけで行うには限界があるでしょう。
そのため、人材不足が続く企業では、外部パートナーを活用して運用を補完する方法が現実的です。 24 時間 365 日の監視や障害対応、パッチ適用、セキュリティ運用、ドキュメント整備など、社内で対応しきれない部分を委託することで、運用リスクを抑えつつ体制を安定させられます。
また、一定の運用業務を外部に任せることで、社内の IT 担当者は本来の業務や DX 推進などの取り組みにリソースを集中できるようになります。組織全体としての生産性向上につながる点も大きなメリットです。
4. まとめ
IT 人材不足は一時的な採用難ではなく、技術の高度化や採用競争の激化により、今後も続く構造的な課題です。
人手が不足する環境では、障害対応の遅延や属人化、セキュリティ対策の後回しなど、システム運用のあらゆる場面でリスクが顕在化します。安定運用を維持するには、業務の棚卸と標準化、手作業の自動化、役割分担の明確化といった仕組みづくりが不可欠であり、足りない部分は外部の力を活用することも有効な選択肢となるでしょう。
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