目次
効果的に進めるポイントをわかりやすく解説
「レガシーマイグレーションとは何か?」
「レガシーマイグレーションを実施したいが進め方がわからない」
社内システムの運用担当者のなかには、このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。レガシーマイグレーションを実施せずにレガシーシステム(過去の技術や設計思想のもとで構築された古いシステム)を使い続けると、保守性の低下やセキュリティリスクの増大など、さまざまな問題を引き起こすおそれがあります。
本記事では、レガシーマイグレーションの概要や必要な理由、主な手法、具体的な進め方を解説します。
1. レガシーマイグレーションとは
レガシーマイグレーションとは、長年稼働してきたレガシーシステムを最新の技術基盤やアーキテクチャへ移行(マイグレーション)することです。たとえば、下記のような作業が該当します。- 環境やプラットフォームの変更
- プログラムの再構築
- データの変換
モダナイゼーションとの違い
モダナイゼーション( modernization )とは、既存システムを再設計し、業務や技術変化に対応できるようにする取り組みです。モダナイゼーションが「システム構造の変革」に重点を置くのに対し、レガシーマイグレーションは「システム環境の移行」に焦点を当てている点が特徴です。
レガシーマイグレーションが必要な理由
レガシーシステムは、技術的な陳腐化や運用の複雑化が進んでいるケースが多く見られます。その結果、現行の業務要件や最新技術への対応が難しくなり、新しいサービス開発や業務改善を妨げる要因となりかねません。
こうした課題を解消し、ビジネスの継続性と競争力を維持するためには、レガシーマイグレーションを計画的に進めることが重要です。
2. レガシーマイグレーションのメリット・デメリット
続いて、レガシーマイグレーションのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット
レガシーシステムは、長年の改修や機能追加によって構造が複雑化しているケースが多く、維持や運用にかかるコストが年々増加する傾向があります。レガシーマイグレーションを実施して新たな IT 基盤へ移行することで、システム構造の整理・標準化が進みます。監視やバックアップを自動化し、保守・運用にかかる負荷を大幅に軽減することも可能です。
また、最新のインフラへ移行することで、脆弱性の解消やセキュリティ水準向上の効果も期待できます。
デメリット
長年にわたり改修が繰り返されたシステムは、内部構造やデータ仕様が不明瞭なブラックボックス化が進んでいるケースが少なくありません。そのため、既存システムの分析やデータ変換に多くの時間と労力を要します。
また、システムの規模によっては移行完了までに一定の期間とコストがかかるため、慎重な計画立案が求められます。ただし、事前の現状分析と段階的な移行を実施すれば、リスクを抑えながら移行プロジェクトを円滑に進めることが可能です。
3. レガシーマイグレーションの手法
レガシーシステムを移行する際は、現行システムの状態や業務要件、予算、スケジュールなどを踏まえて選定することが重要です。ここでは、代表的な手法を 3 つ紹介します。
リホスト(Rehost)
アプリケーションのプログラム言語を変更せずに既存システムを異なるプラットフォーム上へ移行する手法です。たとえば、オンプレミスで稼働していたシステムを、構造を変えずにクラウド基盤へ移行するケースが該当します。
アプリケーション本体の修正がほとんど不要なため、短期間かつ低コストで移行を実現できる点が大きなメリットです。また、現行の業務仕様や画面設計を維持したまま移行でき、利用者への影響も最小限に抑えられます。ただし、システムの内部構造は従来のまま残るため、最新技術への対応や柔軟な拡張は難しい点がデメリットです。
リプラットフォーム(Replatform)
リホストよりも一歩踏み込んだ方法であり、環境の変更に伴いアプリケーション設定や一部コードの修正を実施するケースが多く見られます。
クラウド特有のスケーラビリティや自動バックアップ、負荷分散などの機能を活用できるため、運用効率や可用性を高められる点がメリットです。また、完全な再構築を行うわけではないため、コストと移行リスクを抑えつつ、モダンな環境へ移行できます。ただし、クラウド環境に合わせた変更が想定以上に複雑化すると、スケジュールやコストが膨らむリスクがあります。
リファクタリング(Refactoring)
プログラムの外部仕様(機能や動作)を変えずに、ソースコードの内部構造を整理・改善する手法です。具体的には、重複コードの削除や変数名・関数名の明確化、処理ロジックの分割などを実施し、システムの保守性を高めます。
システム全体の安定性や保守性が向上し、将来的な改修や拡張を容易に行える点がメリットです。ただし、プログラム全体の構造を理解したうえで作業を進める必要があるため、時間と工数を要する場合があります。
4. レガシーマイグレーションの進め方
レガシーマイグレーションを効果的に進めるには、既存環境の分析から移行・運用までを一貫して支援できるクラウド基盤の活用が有効です。ここでは、代表的なクラウドサービスである Microsoft Azure を例に、具体的な進め方を解説します。
現状調査・棚卸し
まずは、現行システムの機能や構成、性能、セキュリティ、依存関係などを詳細に洗い出しましょう。 Azure Migrate を活用すれば、オンプレミス環境のサーバーやデータベース、アプリケーションなどのリソースを検出・評価することが可能です。
改善点の明確化
続いて、現状分析の結果を踏まえて「業務フローに合わない機能」「使用頻度が低い機能」「操作が煩雑な画面」などを洗い出し、必要・不要を明確に区分します。
移行計画の策定
前項で紹介したリホスト・リプラットフォーム・リファクタリングなどの手法から、自社の状況に最適なアプローチを選定します。ここでは、移行範囲(全体移行か段階移行か)やスケジュール、担当体制、テスト計画などを明確に定義しましょう。また、データ移行やシステム切り替え時のリスク対策(ロールバック手順、バックアップ取得など)も事前に検討しておく必要があります。
設計・構築・検証・移行
策定した移行計画に基づき、 Azure 環境を設計・構築します。
設計段階では、 Azure Migrate で収集した評価結果を踏まえ、移行先のリソース構成を最適化します。また、 Azure Backup を活用してバックアップポリシーを設計し、データ保全や復旧に備えましょう。さらに、 Azure Site Recovery を活用すれば、被災や障害時にも業務継続を可能にする DR 環境を構築できます。
構築後はテスト環境での検証を十分に行い、並行稼働期間を設けながら、段階的に移行を進めていきます。
運用・監視・改善
新環境での運用に関するガイドラインや手順書を整備し、運用チームに共有します。これにより、運用の標準化を図ることが可能です。
運用開始後は、パフォーマンスや障害発生状況を継続的に監視し、問題が発生した際には迅速に原因を特定・改善する体制を構築しましょう。 Azure Monitor を活用すれば、稼働状況の可視化やログの収集、分析などを自動で実施できます。
5. まとめ
レガシーマイグレーションを実施し、新たな IT 基盤へ移行することで、保守や運用にかかる負荷を大幅に軽減できます。最新のインフラに移行すれば、脆弱性を解消し、セキュリティ水準を大幅に向上させることも可能です。
Rworks では、 Azure 導入支援サービスを提供しており、要件定義から設計・構築・運用まで一貫したサポートが可能です。レガシーマイグレーションをご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
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