Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Virtual Desktop の使い方は?適切な設定方法を解説

Category: 入門編

2024.06.05

基礎知識から構築手順・接続手順までわかりやすく紹介

Azure Virtual Desktop は、 Microsoft が提供する DaaS ( Desktop as a Service ) の一種です。 Azure 上のサービスとして仮想デスクトップ環境が提供され、物理的な機器は不要で Azure ポータルから簡単に設定やカスタマイズができます。

本記事では、 Azure Virtual Desktop の使い方について、基礎知識から具体的な構築・接続手順、運用上の注意点まで詳しく解説します。

1. Azure Virtual Desktop の使い方の基礎知識

まず、 Azure Virtual Desktop を適切に使うために理解しておきたい仕組みや前提条件について解説します。

Azure Virtual Desktop の仕組み

Azure Virtual Desktop を使うには、手元の端末からインターネットを通じてコントロールプレーンと呼ばれる管理環境を経由し、仮想デスクトップ環境にアクセスします。このコントロールプレーンは Microsoft によって管理されるため、設定などは不要です。

一方で仮想デスクトップ環境を構成するセッションホストや、認証基盤( Microsoft Entra ID や Microsoft Entra Domain Services など)はユーザーが構築・管理する必要があります。

<参考図版①Azure Virtual Desktop の仕組み>
Azure Virtual Desktop の仕組み

Azure Virtual Desktop を使うための前提条件

Azure Virtual Desktop を使うには、前提としてアクティブなサブスクリプションを含む Azure アカウントと、適切なライセンスが必要です。ライセンスの種類は次のとおりです。

OS ライセンス(内部商用目的) ライセンス(外部商用目的)
  • Windows 11 Enterprise マルチセッション
  • Windows 11 Enterprise
  • Windows 10 (Enterprise マルチセッション)
  • Windows 10 Enterprise
  • Microsoft 365 E3 、 E5 、 A3 、 A5 、 F3 、 Business Premium 、 Student Use Benefit
  • Windows Enterprise E3 、 E5
  • Windows Education A3 、 A5
  • ユーザーあたりの Windows VDA
ユーザーごとのアクセス価格 (Azure サブスクリプションの登録)
  • Windows Server 2022
  • Windows Server 2019
  • Windows Server 2016
  • ソフトウェア アシュアランス付き (ユーザーごとまたはデバイスごと) リモート デスクトップ サービス( RDS )クライアント アクセス ライセンス( CAL )
  • RDS ユーザー サブスクリプション ライセンス
  • Windows Server 2022 RDS サブスクライバー アクセス ライセンス ( SAL )
※ Windows Server OS では、ユーザーごとのアクセス価格は使用できない

2. Azure Virtual Desktop の構築手順

次に、 Azure Virtual Desktop の具体的な構築手順について解説します。

前提条件

既存のオンプレミス環境で Active Directory を利用している場合を想定し、 Active Directory (以下、 AD )と Microsoft Entra ID 間、 Microsoft Entra ID と Microsoft Entra Domain Services 間でそれぞれ同期されていることを前提とします。

構築手順

次の手順に沿って構築します。

1. リソースグループを作成する
必要なリソースをまとめるグループを作成します。

2. Azure Virtual Network (仮想ネットワーク)を作成する
作成する仮想マシンがドメイン参加できるよう、 AD の名前解決ができるサーバーを DNS に指定します。

3. マスターイメージを作成する
マスターイメージとは、展開するセッションホストのテンプレートとなるものです。まずはこのマスターイメージとなる OS や必要なアプリケーションのインストール、各種設定を行った仮想マシンを作成します。

4. ホストプールを作成する
ホストプールとは、 Azure Virtual Desktop 上に展開するセッションホストを取りまとめるグループのことです。ホストプールの種類は、マルチセッションを利用する場合は「プール」、そうでない場合は「個人用」を選択します。このホストプール作成時に、前ステップで作成した仮想ネットワークやマスターイメージを選択でき、ホストプールの作成と同時に展開されます。

5. アプリケーショングループとワークスペースを作成する
アプリケーショングループとは、アプリケーションの提供を管理するグループです。ワークスペースとは、アプリケーショングループを管理するグループです。アプリケーショングループにはデフォルトでデスクトップが指定されていますが、特定のアプリケーションを指定することもできます。

6. ユーザーを割り当てる
デスクトップやアプリケーションを割り当てたいユーザーをアプリケーショングループに参加させます。

3. Azure Virtual Desktop への接続手順

構築した Azure Virtual Desktop 環境へ接続するには、 Microsoft によって提供されている専用のクライアントを利用します。方法は大きく次の2つに分けられます。

専用のアプリケーションから接続する

Azure Virtual Desktop クライアントは、次のような種類が用意されています。

  • Windows用
  • mac OS用
  • iOS/iPadOS用
  • Android/Chrome OS 用

1. 使用する端末に合わせて適切なクライアント(アプリケーション)をインストールします。

2. アプリケーションを起動し、ユーザーアカウントでサインインします。

3. 管理者によって割り当てられた仮想デスクトップやアプリケーションのアイコンが表示されます。

4. 目的のアイコンを選択すると、仮想デスクトップ環境に接続できます。

Web ブラウザから接続する

サポートされているWebブラウザ( Microsoft Edge 、 Google Chrome 、 Apple Safari 、 Mozilla Firefox )から直接接続することも可能です。

1. Web ブラウザを起動します。

2. ワークスペースの URL ( https://client.wvd.microsoft.com/arm/webclient/ )にアクセスし、ユーザーアカウントでサインインします。

3. 管理者によって割り当てられた仮想デスクトップやアプリケーションのアイコンが表示されます。

4. 目的のアイコンを選択すると、仮想デスクトップ環境に接続できます。

4. まとめ

Azure Virtual Desktop は、物理的な機器が不要で Azure ポータルからスムーズかつ容易に設定して使える仮想デスクトップサービスです。ぜひ仕組みや前提条件を理解したうえで、今回紹介した手順に沿って環境構築・接続を試してみてください。

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Tag: Azure Virtual Desktop

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