Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Virtual Desktop のリモートデスクトップとは?メリットや接続方法

Category: 入門編

2024.06.06

リモートデスクトップの基本から Azure Virtual Desktop の特徴をわかりやすく

Azure Virtual Desktop とは、クラウドベースのリモートデスクトップを提供するサービスです。このリモートデスクトップを利用することでさまざまなメリットが得られ、多様な働き方を実現するために役立ちます。

本記事では、 Azure Virtual Desktop のリモートデスクトップの概要やメリット、接続方法、接続するために必要なクライアントなどについて詳しく解説します。

1. Azure Virtual Desktop のリモートデスクトップとは

まず、 Azure Virtual Desktop とリモートデスクトップについて解説します。

Azure Virtual Desktop とは

Azure Virtual Desktop とは、 Microsoft によるクラウドプラットフォーム Microsoft Azure のサービスの 1 つで、クラウドベースのリモートデスクトップを提供します。ユーザーはインターネット経由でどこからでも仮想デスクトップやアプリケーションにアクセスでき、さまざまなデバイスから安全に利用することが可能です。

リモートデスクトップとは

そもそもリモートデスクトップとは、インターネットや特定のネットワークを通じて、遠隔地にあるコンピュータのデスクトップ環境にアクセスし、手元の端末から操作する技術です。

この技術により、ユーザーは物理的に離れた場所にあるコンピュータを操作でき、そのコンピュータ上で動作しているアプリケーションの利用やファイルへのアクセスなどが可能になります。

Azure Virtual Desktop は、このリモートデスクトップ環境をクラウドサービスとして提供するため、物理的な機器の準備は不要で複雑な設定も最小限に抑えられます。

2. Azure Virtual Desktop のメリット

Azure Virtual Desktop で提供されるリモートデスクトップを利用するメリットは次のとおりです。

リソースを柔軟かつスムーズに調整できる

Azure Virtual Desktop のリモートデスクトップはクラウドサービスのため、必要に応じて迅速にリソースを増減させたり、カスタマイズしたりすることが可能です。一方でオンプレミスのリモートデスクトップの場合、ハードウェアの追加を行う必要があり、手間やコストが多くかかる傾向があります。

Azure Virtual Desktop は必要な分だけ利用でき、不要になったら縮小できるため、コスト効率もよいです。

強固なセキュリティでデータを保護できる

インターネットなどを介して利用するリモートデスクトップはセキュリティ面が懸念されます。しかし Azure Virtual Desktop は Microsoft の強固なセキュリティ基準が適用されるため、データを安全に保護することが可能です。

また多要素認証や、アクセスするユーザーの場所や端末を制限する条件付きアクセス機能なども利用できるため、多層的な防御ができます。

マルチセッション機能を利用できる

マルチセッション機能とは、複数のユーザーが同時に 1 つの仮想マシン上で作業を行える機能です。ユーザーに対して 1 台ずつ仮想マシンを用意する方法と比較すると、コスト面や管理面で非常に効率がよく、大規模な環境にも適しています。

Windows 10/11 のマルチセッション機能をサポートしているのは現状 Azure Virtual Desktop のみであるため、大きなメリットといえます。

<参考図版①マルチセッション機能図解>
マルチセッション機能図解

3. Azure Virtual Desktop クライアントの種類

Azure Virtual Desktop で提供されるリモートデスクトップに接続するには、リモートデスクトップクライアントを使用する必要があります。 Azure Virtual Desktop 用のクライアントには次の種類があるため、使用する環境に合わせて選択しましょう。

Windows デスクトップクライアント

Windows 用のクライアントです。 Azure Virtual Desktop だけでなく、一般的なサーバーなど、リモート接続全般に利用できます。

Windows 用 Azure Virtual Desktop Store アプリ

Windows 用のクライアントです。 Windows デスクトップクライアントと違い、一般的なリモートアクセスには対応しておらず、 Azure Virtual Desktop への接続に特化しています。

Web クライアント

Web ブラウザ用のクライアントです。 Microsoft Edge 、 Google Chrome 、 Apple Safari 、 Mozilla Firefox がサポートされています。ほかのクライアントと違い、端末へアプリケーションをインストールする必要がありません。ただし、モバイルはサポートされていないため PC からの利用のみになります。

macOS クライアント

macOS 用のクライアントです。 Mac ユーザーでも Azure Virtual Desktop を通じて Windows のデスクトップ環境を利用できます。

iOS/iPad OS クライアント

iOS/iPadOS 用のクライアントです。 iPhone や iPad から Azure Virtual Desktop を通じて Windows のデスクトップ環境を利用できます。

Android/Chrome OS クライアント

Android/Chrome OS 用のクライアントです。 Android OS のスマートフォン、タブレット、Chromebook などから Azure Virtual Desktop を通じて Windows のデスクトップ環境を利用できます。

4. Azure Virtual Desktopへの接続手順

Azure Virtual Desktop クライアントを利用して、リモートデスクトップへ接続する手順は次のとおりです。

1. 使用する端末に合わせたクライアントをインストールし、起動します。
※ Web ライアントを利用する場合、 Web ブラウザを起動して( https://client.wvd.microsoft.com/arm/webclient/ )へアクセスします。

2. ユーザーアカウントでサインインします。

3. ワークスペースに管理者によって割り当てられたデスクトップやアプリケーションのアイコンが表示されます。

4. 目的のアイコンを選択すると、 Azure Virtual Desktop のリモートデスクトップへ接続できます。

5. まとめ

Azure Virtual Desktop は、クラウドサービスとしてリモートデスクトップ環境を提供します。リソースの柔軟な調整や強固なセキュリティ、マルチセッション機能を利用できることなどが大きなメリットです。リモートデスクトップの導入を検討されている場合は、 Azure Virtual Desktop を候補の 1 つとしてみてはいかがでしょうか。

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Tag: Azure Virtual Desktop

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