Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Reposとは?その機能やメリット、利用開始手順を解説

Category: 入門編

2025.01.14

DevOpsを効率化するAzure Reposの使い方や、GitHubとの比較も紹介

アジャイルや DevOps の手法は、効率と迅速さが求められる現代のソフトウェア開発現場に広く普及しています。そのような現場でチーム内のコード共有とバージョン管理は欠かせません。

コード共有やバージョン管理機能をクラウド上で提供するサービスの一つに Azure Repos があります。

本記事では Azure Repos の特徴と機能、メリットや利用例を紹介し、 DevOps 運用をどう効率化できるかを解説します。さらに利用手順と料金体系にも触れ、導入に向けての有用な情報を提供します。

1. Azure Reposとは?

Azure Repos の概要と付随する用語を解説します。

Azure Repos とは、コード管理に用いるバージョン管理ツールのセットを備えたサービスで、 DevOps 実践のための環境やツールが揃った Azure DevOps という大きなサービスを構成する一つです。

DevOps とは開発( Development )と運用( Operations )のプロセスを統合し、連携を強化する開発手法で、 Azure Repos は開発のフェーズで使用するサービスになります。

<DevOps の全体図>
DevOps の全体図

Azure Repos のコード共有機能やバージョン管理機能により、チーム内での情報共有がスムーズになり、コードの過去バージョンへのアクセスや変更履歴の追跡が容易になります。つまり、 Azure Repos を活用することで共同開発の効率化やコード品質の向上を実現できるのです。

2. Azure Reposの特徴と機能

Azure Repos は様々な特徴と機能を持っています。

充実したバージョン管理機能

以下のような高度なバージョン管理機能を持っています。これによりコードの変更履歴が追跡可能で、複数の開発者が同時に効率的に作業できます。

  • コミット履歴
  • プッシュ情報
  • ブランチ管理
  • タグ付け機能
  • プルリクエスト管理
  • マージ
  • リビジョン管理

高度なコード検索機能

Visual Studio Marketplace の Code Search 拡張機能を適用し、高度なコード検索を実現できます。

リポジトリ内のさまざまなブランチのインデックスを作成可能で、履歴の検索や変更内容の比較が可能です。コードを認識した検索のため、探している箇所が素早く見つかります。

Gitベースのリポジトリ

Git は世界中で広く使われている分散型バージョン管理システムの一つです。

Azure Repos では Git ベースと TFVC ( Team Foundation Version Control )ベースの 2 種類のリポジトリが用意されていましたが、 TFVC は今後段階的に廃止されることが公表されており、バージョン管理システムとしては Git が推奨となりました。

※参考:TFVC リポジトリの作成を無効にする設定

リポジトリの制限事項

Git リポジトリには以下のようなリソースの制限があります。

  • リポジトリのサイズ上限は 250 GB
    最適なパフォーマンスを得るには、リポジトリのサイズは 10 GB 未満、ファイルのサイズは 100 MB 以下が推奨されます。
  • プッシュは 5GB/ 回 の上限あり
    他のサービスから Azure Repos にリポジトリを移行する場合は例外です。

大きなファイルを保存したりプッシュする必要がある場合は、大きなファイルをリポジトリの外部に保存する仕組みを持つ Git LFS ( Large File Storage ) が利用可能です。

3. Azure Reposのメリットと利用例

Azure Repos には利用上の様々なメリットがあります。それらを紹介すると共に、 Azure Repos の利用例を紹介します。

メリット

Azure Repos の主なメリットとして以下が挙げられます。

プライベートリポジトリを利用可能

許可されたユーザーだけがアクセス可能な非公開のリポジトリを個数に制限なく利用でき、コードやデータを外部に漏らすことなく安全に管理できます。

Azure DevOpsサービスとの連携が容易

Azure DevOps の統合された操作画面の中で、他サービスと容易に連携できます。

例えば、 Azure Repos のコードコミットをトリガーに、 Azure Pipelines で自動ビルドやテストを実行し、本番環境へ自動デプロイできます。また、 Azure Boards で管理するタスクに関連するブランチを作成したり、バグの詳細とバグ修正のコードを紐つけて管理することが可能です。

<Azure Repos と Azure Pipelines の連携>
Azure Repos と Azure Pipelines の連携

使い慣れたGitツールが使える

バージョン管理のデファクトスタンダードである Git を採用しているため、それぞれの開発者が使い慣れたツールを使用できます。

  • コマンドラインでの git コマンド
  • Visual Studio
  • Xcode
  • Eclipse
  • IntelliJ

利用例

DevOps を効率化する利用例を紹介します。

高度なセキュリティを活かした開発

プライベートリポジトリに加え、ユーザーのアクセス許可設定を行うことで機密性の高いコードを安全に管理可能です。ユーザー認証には Microsoft Entra や Active Directory を利用できます。

リポジトリアクセスの監査ログ取得も可能で、組織が求めるコンプライアンスへの対応も可能です。

使い慣れたコミュニケーションツールとの連携

Azure Repos と Slack や Teams を連携させ、コードがプッシュされたり、プルリクエストの作成やマージ実行のたびにチャネルで通知を受け取れます。これにより、コードに関するコミュニケーションを一層スムーズ、かつ、活発にできます。

4. Azure ReposとGitHubの比較

Git を用いるバージョン管理サービスとして GitHub がよく知られています。 Azure Repos とどちらを使うべきでしょうか?

GitHub と比較すると、 Azure Repos には以下の優位点があります。

  • プライベートリポジトリを数に制限なく無料で利用可能。
  • ユーザー認証を Microsoft Entra や Active Directory で統一的に管理できる。
  • Azure DevOps サービスとのシームレスな連携により、 Azure 上での開発を効率的に行える。

これらから、 Microsoft エコシステム内での開発では Azure Repos が第一候補になるでしょう。

5. Azure Reposの利用開始手順と利用料

Azure Repos は Microsoft アカウントまたは GitHub アカウントでのサインアップで利用を開始できます。利用時の料金プランについてもここで整理しておきましょう。

利用開始手順

Microsoft アカウントでの手順を紹介します。

1. Microsoft アカウントで Azure にサインインする。
アカウントを持っていない場合は作成する。
2. Azure Repos にて [Azure を無料で試す] をクリックしてサインアップを実行する。

※参考:Azure Repos

3. 既存のアカウントでサインインした場合は手動でプロジェクトを作成する。
アカウントを新規作成した場合は Azure DevOps によりプロジェクトが自動作成される。

※参考:Azure DevOps でのプロジェクトの作成

料金プラン

Azure Repos 単体での料金プランは用意されておらず、 Azure DevOps の料金プランに Azure Repos の利用権が含まれています。

Azure DevOps の料金プランには下記 2 つがありますが、どちらも Azure Repos の利用権に違いはありません。

  • Basic プラン: 5 ユーザーまで無料、6 ユーザー以降は 1 ユーザーあたり月額 6 ドル
  • Basic + Test プラン:無料ユーザー枠は無く、 1 ユーザーあたり月額 52 ドル

また、Visual Studio サブスクリプションを持つ組織は Azure DevOps を無償で利用可能です。

※参考:Visual Studio サブスクリプションと特典

6. まとめ

ここまで Azure Repos の機能や利用例により、 Azure Repos が DevOps の運用効率化に役立つことを解説しました。利用開始手順や料金体系についても紹介したので、導入に向けて一歩を踏み出す準備が整ったことと思います。

Azure Repos の導入にあたっては、Azure のサービスについて様々なノウハウと実績を持つプロフェッショナルに相談するとよいでしょう。

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Tag: Azure Repos

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