Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azure Filesとは?クラウドベースのファイル管理サービスを解説

Category: 入門編

2025.01.07

業務において効率的なファイル管理が求められている

ローカルにある端末でファイル管理を行うものの、容量オーバーでファイルを管理しきれなくなったことを経験した方もいるでしょう。 Azure Files では、クラウドベースでファイル管理ができるので、このような容量オーバーが発生する可能性はありません。

本記事では、 Azure Files の基本的な内容や機能、導入方法について解説します。さらに、 Azure Files の料金体系について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. Azure Filesとは

Azure Files とは、クラウドベースのファイル共有サービスのことで、 Microsoft Azure が提供しています。オンプレミス型ファイルサーバー上の共有フォルダと同様にファイルを配置して、簡単な操作で活用できます。

また、 Windows だけでなく、 Mac や Linux からもファイル共有サービスを操作できるので、複数の OS で作業するような場合にも対応可能です。

Azure Filesとは

Azure Filesのメリット

Azure Fileには、次のように様々なメリットがあります。

柔軟性やセキュリティ性が高い

Azure Filesは、必要に応じてファイルストレージの使用量を変更できます。また、認証機能を持つ Microsoft Entra ID (旧称 Azure Active Directory )のような他の Microsoft Azure が提供しているサービスとも連動させることが可能です。これによりファイルストレージにアクセスする際に認証を求めるといったセキュリティ性の高い構成も容易に構築できます。

コストの無駄を減らせる

Azure Filesの料金は従量課金制です。従量課金制とは、サービスの使用量に応じて料金も上下する仕組みのことです。たとえば一時的なプロジェクトで使用する場合でも、従量課金制であれば、必要な期間だけコストが発生するため無駄なコストを抑えられます。

ハードウェアの管理負担を軽減できる

従来のオンプレミス型のファイルサーバーからクラウドベースのファイルストレージに移行することで、物理的なサーバーの購入費用や設置スペースを削減できます。

また、 Azure Files は Microsoft Azure によって基本的なインフラ管理がサポートされます。そのため、社内で専門性の高い管理者を用意する必要が無くなり、管理にかかるコストも削減できます。

2. Azure Filesのユースケース

ここでは、 Azure Files の具体的なユースケースを紹介します。

オンプレミスのファイルサーバーからの移行

Azure Files と Azure File Sync を組み合わせることで、オンプレミス型のファイルサーバーと同期しながらデータを移行できます。一度にオンプレミスからクラウドベースのファイルストレージに移行することも、徐々に移行することもでき、状況に応じた対応が可能です。

クラウド開発のサポート

クラウド開発において Azure Files を活用することにより、ソースコードや仕様書の管理が楽になり、開発作業を効率化できます。

加えて、リモートワークのように異なる場所から開発メンバーが開発に参加する場合のファイル管理にも有効です。また、 Azure Files は複数の OS に対応しているので、クロスプラットフォームな開発を行う際にも活用できます。

また、 Azure Files の機能については次の記事も参考にしてみてください。

3. Azure Filesの導入方法

ここでは、 Azure Files を導入する方法を解説します。

Azure Filesのセットアップ

Azure Files のセットアップは、 Azure ポータル上で行います。 Azure ポータルとは、シンプルな GUI の操作により様々なサービスのセットアップが行える Microsoft Azure の管理機能です。さらに、 ファイル共有の設定も Azure ポータルから簡単に行えます。

データ移行

データ移行の際には Azure File Sync を用います。まずは Azure ポータル上で Azure File Sync を作成し、デプロイを行います。そして、 Azure File Sync エージェントを利用している OS にインストールして、ファイル同期の設定を画面に表示される手順に従って行っていくことで、設定は完了します。

Azure Filesの導入方法 データ移行

データ移行に活用できるツール

Azure Files へ大量のデータを移行する場合は、 AzCopy というコマンドラインで利用できるツールが役立ちます。 AzCopy コマンドにより、オンプレミス型のファイルサーバーに大量のファイルが存在する場合も、 1 度でデータ移行ができます。

移行後のデータ管理におけるベストプラクティス

Azure Files にデータを移行した後は、 Azure Backup を利用してファイルのバックアップを適切に行うことが望ましいです。また、 Azure Monitor を利用してファイルストレージの状態を定期的に監視しましょう。ファイルストレージ上のリソースにパフォーマンスの問題や悪意のある攻撃の兆候が発生した場合に、迅速に対処できます。

4. Azure Filesの料金体系

ここでは、Azure Files の料金体系や最適化する方法について解説します。

Azure Filesのコスト構造

Azure Files のコストは、ストレージの容量や、トランザクションの回数に影響を受けます。トランザクションの回数は、ファイルストレージへのリクエストの回数により増えます。また、データ転送の使用量、ファイルストレージの状態を保存できる機能であるスナップショットの使用量によってもコストが変動します。

コスト構造の詳細については、Microsoftの公式ページを参考にしてください。

Azure Files の課金について

コスト最適化の方法

コストの無駄を抑えるためには、長期間アクセスしていないファイルや不要なデータは定期的に削除することが重要です。ストレージの使用量や、トランザクションの回数を必要最小限とすることで、コストを最適化できます。

また、データ転送やスナップショットは便利な機能ではありますが、コスト面を考慮すると使いすぎに注意が必要です。適切な状況のみ活用することで、コストが最適化されます。

5. まとめ

Azure Files を活用し、クラウドベースでファイルを共有するためには、 Azure Files の基本的な内容や導入方法を理解しておく必要があります。加えて、 料金体系を理解しておくことで、コスト面でも無駄なくファイルストレージを活用できます。

ぜひこの記事を参考にして、業務に Azure Files を導入することでファイル管理を効率的に行ってください。

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Tag: Azure Files

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