Managed Service Column <システム運用コラム>

VMwareライセンスを効率的に管理するベストプラクティスを解説

Category: 入門編

2024.11.06

VMwareライセンス管理システム「Broadcom Support Portal」の紹介と、ライセンス管理を効率的に行うポイントを解説

2023 年 11 月に Broadcom が VMware の買収を完了し、今後は「 VMware by Broadcom 」のブランドで Broadcom が事業を運営することになりました。

本記事では大幅に変更となった VMware ライセンスの新体系や製品ポートフォリオ、新しくなったライセンス管理システムの紹介と、ライセンス管理のポイントについて紹介します。

1. VMwareライセンスの新体系について

Broadcom の買収に伴う VMware の変更点について解説します。

ライセンス形態と課金体系

VMware のライセンス体系はサブスクリプション型のコア単位での課金方式に統一されます。従来の永続ライセンスは廃止が発表されており、既に購入したライセンスやサポートサービスを利用しているユーザーは、契約期間満期までそのまま継続利用できます。

ライセンス形態と課金体系

※参考:VMware新サブスクリプションライセンスについて

製品ポートフォリオ

今回刷新された新しいポートフォリオでは、「vSphere Essentials Plus」、「vSphere Standard」、「vSphere Foundation」、「VMware Cloud Foundation」の4つの製品にラインナップが簡素化されました。

製品ポートフォリオ

※参考:vSphere Foundationとは?~購入からライセンスキーの確認まで~

ライセンス改定がユーザーに与える影響

従来の CPU ソケット単位から、 CPU コア数に基づく課金へと変更されるため、多数のコアを搭載している環境では、ライセンス費用が高額になる可能性があります。

また OEM ライセンスが廃止されたため、 vSphere を使う HCI (ハイパーコンバージドインフラ)製品の販売も停止されます。既存の HCI 製品の購入やアップグレードが難しくなることから、ライセンス管理がより複雑になり、中長期的なサポートコストの負担増が見込まれています。

さらに、情報開示が遅く最新の情報が入りにくい状況が続いているのが現状です。サポートへの問い合わせ方、ライセンスキーの登録手順が複雑であるなど、利用者側の移行がスムーズに進まないこともコスト負担につながっています。

2. VMwareライセンスの管理について

VMware の管理システムが、 2024 年 5 月に VMware Customer Connect から Broadcom Support Portal に変更されました。本章では新しいサブスクリプション型ライセンスモデルに対応した管理システムである Broadcom Support Portal で出来ることを紹介します。

利用にあたっての前提条件

Broadcom Support Portal には Basic User 、 Enterprise User の 2 種類が存在します。 VMware ライセンスの管理を行うためには、 Enterprise User のアカウントが必要です。さらに管理操作を行うアカウントに対し User Administrator の権限を割り当てる必要があります。詳細の手順は公式サイトの KB をご参照ください。

※参考:Broadcom サポート ポータルでユーザー管理者ロールをリクエストする方法

契約情報の管理

Broadcom Support Portal へログインし、 [ My Entitlements ] から、自身のアカウントに紐づけられている Site ID の情報及び Site ID に紐づけされている VMware 製品の契約情報が確認できます。

契約情報の管理

図版出典:Broadcom Support Portalでどう変わった? VMware製品の契約管理・ユーザー管理

ユーザーの管理

Site ID に紐づけられたアカウントの確認や権限管理は [ My Tools ] – [ Users and Permissions ]の画面で実施できます。詳細の手順は公式サイトの KB をご参照ください。

※参考:ユーザー管理者(User Administrator)としてサイト ID アクセスとユーザーパーミッションを管理する

ユーザーの管理

図版出典:Broadcom Support Portalでどう変わった? VMware製品の契約管理・ユーザー管理

購入した製品のダウンロード

購入した製品が紐づいている Site ID から、 VMware 製品情報の確認と、製品のソフトウェアのダウンロードが可能です。詳細の手順は公式サイトの KB をご参照ください。

※参考:Broadcom 製品とソフトウェアのダウンロード

購入した製品のダウンロード

図版出典:Broadcom Support Portalでどう変わった? VMware製品のダウンロード・ライセンスキーの管理

ライセンスキーの管理

製品ダウンロードと同様に、 [ My Entitlements ] から、 [ Licenses のアイコン]をクリックすることでライセンス可能フォルダが表示されライセンスキーを確認できます。ライセンスキーの管理についての詳細は、公式サイトの KB をご参照ください。

※参考:VMware 製品のライセンスキー管理

ライセンスキーの管理

図版出典:Broadcom Support Portalでどう変わった? VMware製品のダウンロード・ライセンスキーの管理

サポートケースの作成

Broadcom Support Portal では、 サポートケースを作成し、 VMware に関する様々な問い合わせが可能です。サポートケースの作成についての詳細は、公式サイトの KB をご参照ください。

※参考:Broadcom サポートポータルでケースを作成および管理する方法

3. VMwareライセンス管理のポイント

ここまで紹介した Broadcom Support Portal では、従来のポータルサイトより柔軟な管理操作が可能になりました。本章ではライセンスを管理する上での効果的な活用ポイントを紹介します。

適切なエディションの選択

永続的ライセンスが廃止される方針が発表されている中で、継続的なサブスクリプション型ライセンスでは、必要な時に、必要なオプションを適用する必要があります。

そのためには、 Broadcom Support Portal を活用し、現状のライセンス状況をいつでも確認できる状況にしておくことが重要です。適切なエディション選定については以下のフローをご参照ください。

VMwareライセンス管理のポイント

※参考:VMware 製品の新しい製品ポートフォリオ簡易フロー

SUP(Subscription Upgrade Program)の活用

既存ライセンス利用者には SUP ( Subscription Upgrade Program )が用意されています。 SUP を活用することで新規購入よりも割安な価格でサブスクリプションへ移行できます。

通常はコア数分のライセンスを購入する必要がありますが、 SUP 利用時は既存契約時の CPU 1つにつき 16 コアという計算で購入可能です。

※参考:Subscription ライセンスへのアップグレードはお得な SUP をご利用ください

ハードウェアの第三者保守サービスの活用

第三者保守サービスの利用も注目されています。 VMware の永続ライセンス取得ユーザーが、現状のサポート費用とほぼ同じ金額で、今後複数年にわたり VMware プラットフォームの保守サービスを受けることができるというものです。

既存の VMware 環境を安全かつ効率的に維持しながら、長期的な視点で、 IT 戦略を立案できるようになります。

※参考:VMware製品への需要に応え、受賞歴のあるサポートサービスを拡大(リミニストリート)

4. まとめ

VMware のライセンス改定は、市場の変化に対応し、柔軟性を提供する一方で、多くのユーザーにとってコスト影響をもたらすと見込まれています。

適切なエディション、移行プログラム、保守サービスを選択するために、戦略的な IT 資産管理環境として Broadcom Support Portal を利用できる状況を整理することが重要です。

Tag: VMware

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