GCPの導入を検討されているお客様から、下記のような質問をいただくことがあります。
質問:GCPを利用するとき、何を監視すればいいのでしょうか?
GCPは、PaaS/SaaS メニューが豊富ですし、PaaS はミドルウェアまで、SaaS はアプリケーションまでを GCP が管理します。ですので、導入時にGCP利用者側が検討することは、
- どのサービスを利用するのか
- インスタンスのサイジングやディスクのボリュームサイズ
を検討する程度です。
つまり、OS・ミドルウェアは GCP が管理するサービスが多いので、インフラの監視は、実は重要ではありません。
GCP上で稼働するアプリケーションの正常動作は、利用者の責任です
しかし、GCP利用者が提供するコンテンツやアプリケーションの動作までを、GCP が保証してくれるわけではありません。
よって利用者側で気にしなければいけないのは、「GCP基盤に載せたコンテンツ、アプリケーションが正常に動作していること」です。
アプリケーションの正常動作は、利用者側の責任範囲であり、監視対象にする必要があります。
アプリケーションの動作監視はどうするのか?
ユーザ動作を定義し、操作を正常に行えるかを監視する
アプリケーションの監視は、実際のユーザが操作する挙動を定義し、その操作を正常に完了することができるかを監視しなければなりません。
例:ショッピングカートの動作を監視する
- 商品ページを開く
- 商品数を選択する
- カートに入れるボタンを選択
- カートページを開く
- 所定の商品がカート内に存在するか?
- 商品をカートから削除できるか?
他にも、「ユーザログインが必要なサイトで、必要な ID・パスワードでログイン可能か」や、「チケット予約サイトで、正しくチケットを購入できるか」など、システムにより様々なケースが考えられます。
各ブラウザで、監視シナリオを実行する
ユーザによって使うブラウザが異なるので、各ブラウザを実行する環境を用意し、監視シナリオを実行する必要があることに注意してください。
各ブラウザの実行環境を用意する必要がある理由は、以下の通りです。
- ブラウザによって JavaScript の実装が異なる
- 各ブラウザは頻繁にアップデートされる
- ブラウザによってレンダリングエンジンが異なる
- ブラウザをエミュレートした監視では、表示の違いを検知できない。
Zabbix などの一般的な監視ツールでは、監視できない理由
Zabbix などの監視ツールで監視すればよいのでは?と思われるかもしれません。
一般的な監視ツールでは、HTTP(S)などのポートの応答監視や、応答コード監視、監視サーバーが http のリクエストを再現し画面遷移の可否を監視できますが、下記のようなユーザの操作は実行できません。
【一般的な監視ツールでできないこと】
- 指定要素のクリック (特に、動的に変わる “今日から 2日後の日付をクリック” など)
- プルダウンなどの選択肢を選ぶ
アプリケーションの動作監視は、ユーザの操作を再現して行うべきであるため、一般的な監視ツールでは不足があると考えます。
また、人的に24時間365日体制で監視しようとすると、監視を実行するための端末、人員の確保が必要で、コスト面・体制面での負担は大きいものになりますので、考慮が必要です。
まとめ
GCP上で稼働するアプリケーションの正常動作は、GCP利用者の責任となります。
よって、GCP導入時には「GCP上で稼働するコンテンツ・アプリケーションが正常に動作していること」の定期監視を行いましょう。
アールワークスのサービス

GCPの導入から運用までを一括サポートする GCP運用代行サービス
お客様システムに即した監視項目、運用フローの設計や、24時間365日の監視・障害対応を代行。障害の根本解決や、システムのボトルネックの解消など、恒久対策も代行します。

Webシナリオ監視サービス
お客様の Webサイトの一連の操作をユーザ視点で自動監視する、クラウド型監視サービス。「実際のWebブラウザ(Chrome, Firefox, IE)やAndroid実機を利用」し、オンラインショップであればログインして商品を購入するまでのWebブラウザを使った一連の処理の流れを、定期的にトレースして監視することができます。
Tag: クラウド監視
Contactお問い合わせ
お見積もり・ご相談など、お気軽にお問い合わせください。