Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Windows365とは?AVD(Azure Virtual Desktop)との違いと導入メリットについて解説

Category: 入門編

2021.11.09

仮想デスクトップサービスをもっと手軽に。Microsoftの戦略的サービスWindows365とは?

Microsoftは、近年のテレワーク普及や、デバイスの多様化に伴い、クラウド上でパソコンのデスクトップ環境を利用できるサブスクリプション型仮想デスクトップサービス「Windows365」の提供を開始しました。

Microsoftの仮想デスクトップサービスといえば、既にAzure上で提供するAVD(Azure Virtual Desktop)が存在しますが、両者にはどのような違い、メリット・デメリットがあるのでしょうか。

本記事では、Windows365とAVDの特徴を比較し、それぞれに適した環境について紹介します。

1. Windows365の概要

Microsoftが「クラウドPC」と定義するWindows365ついて解説します。

1.1 Windows365とは

Windows365は、クラウド上のWindows環境を占有できるサービスです。OS、vCPU、RAM、ストレージなどのリソースがあらかじめ設定されており、利用者は必要なライセンスを購入し、スペックを選択するだけですぐに使い始めることができます。

個人の設定、アプリケーションデータが保持されるため、インターネットへの接続環境があれば、様々なデバイスで、どこからでもWindowsのデスクトップ環境を安全に利用可能です。 従来はオフィス環境にある物理的なパソコンにデータを保存する事が当たり前でした。Windows365は、このパソコン環境を丸ごとクラウド上で管理する「クラウドPC」という概念を持ったサービスです。

1.2 Windows365のメリット

一般的な仮想デスクトップサービスと共通する点もありますが、Windows365が持つメリットについて解説します。

  • 初期セットアップの負担減
  • 運用の手間を削減
  • ブラウザやデバイスを選ばない
  • デバイスの持ち出しリスクを回避

1.2.1 初期セットアップの負担減

物理的なパソコンの場合、購入後にライセンスの認証OSの初期設定やアプリケーションのインストールが必要でした。しかし、Windows365は割り当てられたクラウド上の環境で初期設定が完了しています。一部固有のアプリケーションなどは利用者で準備する必要がありますが、Windows365は利用までのプロセスが大幅に簡略化されています。

1.2.2 運用の手間を削減

Windows365は、OSの更新プログラム、セキュリティ問題へのパッチ適用、ソフトウェアのアップデートなどがサービスとして提供されるため、運用にかかる手間を大幅に削減できます。

1.2.3 ブラウザやデバイスを選ばない

Windows365は、リモートデスクトップクライアントか、Webブラウザから接続します。インターネットへの接続環境さえあれば、iOS・Android・Windows・Chromebookなど様々なデバイスからWindows環境の利用が可能です。

1.2.4 デバイスの持ち出しリスクを回避

物理的にデバイスを持ち出すと、紛失・盗難によって第三者の手に渡るおそれがあります。また、昨今ではランサムウェアのようなウィルス感染の被害も深刻化しており、それぞれのデバイスにデータが保存されることは大変リスクが高いです。Windows365はストレージもクラウド上で管理されるため、このような物理的に持ち出すことで発生するリスクを回避できます。

1.3 Windows365のライセンスと料金体系

Windows365には、中小規模の組織向けに300ユーザーまでをサポートするBusinessエディションと、大規模組織に最適なユーザー数無制限でサポートするEnterpriseエディションの2つが存在します。

これらは、Windows365用のユーザーライセンスとは別にライセンスが必要となります。特にEnterpriseエディションは大規模の組織向けのため、必要条件が複数存在するので注意しましょう。 いずれのエディションでもBasic、Standard、Premiumの3つのプランを軸にプロセッサ(vCPU)、RAM、ストレージ容量を自由に選択可能です。 なお、BusinessエディションのWindows ハイブリッド特典という割引特典を利用すると、Enterpriseエディションと同様の月額料金で利用できます。

参考までに、執筆時点(2021年10月)では最小構成のWindows365 Businessエディション、1vCPU、2GBのRAM、64GBのストレージを選択した場合、2,720円/月から利用が可能です。利用前には必ず公式サイトでご確認ください。

※1 参考:Windows365価格表

2. AVD(Azure virtual desktop)の概要

AVDも仮想デスクトップサービスのひとつです。発売当初は、WVD(Windows Virtual Desktop)という名称でしたが、2021年6月にAVD(Azure virtual desktop)に変更されました。Windows365と比較する前に、AVDについて簡単に解説します。

2.1 AVDとは

AVDは、2019年に発売された仮想デスクトップサービスです。Microsoftが提供するAzureというクラウドサービスによって提供されるため、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)サービスとして位置付けられています。

Windows365と同様に、クラウド上に構築されたWindows環境へ様々なデバイスからアクセスできるサービスですが、Azure環境で仮想デスクトップサービスを実行する仮想マシンや管理コンポーネントを設定する必要があります。利用料金はリソースを使った分だけの従量制課金であるため、カスタマイズを行うことで運用コストの最適化が可能です。

2.2 AVDの課題

AVDは前述したとおり、Azureというクラウドサービスによって提供されています。自社のポリシーやニーズに合わせて、柔軟にカスタマイズができる点が大きなメリットです。しかし、運用するためには技術的なITスキルが求められるため、人材の確保や外部サービスの委託が必要となり、中小規模の組織では導入のハードルが高いとされています。また、このような環境を構築できたとしても、Azureクラウドサービスは従量制課金であるため、費用対効果が予測しづらい点もAVDの課題です。

3. Windows365とAVDの比較

AVDも仮想デスクトップサービスのひとつです。発売当初は、WVD(Windows Virtual Desktop)という名称でしたが、2021年6月にAVD(Azure virtual desktop)に変更されました。Windows365と比較する前に、AVDについて簡単に解説します。

  • 違い1 : セッション方式の違い
  • 違い2 : 課金方式の違い
  • 違い3 : カスタマイズ性の違い

3.1 セッション方式の違い

Windows365は、利用者がクラウド上のWindows環境を占有するシングルセッション方式です。一方でAVDは、複数の利用者がWindows環境を共有できるマルチセッション方式です。用途によっては、マルチセッション方式の方が利用者数に対するWindows環境(仮想ホスト)の節約が可能であり、コストパフォーマンスに優位性があります。

3.2 課金方式の違い

Windows365はvCPU、RAM、ストレージなどリソースを組み合わせた料金プランが用意されており月額固定料金です。

AVDは、vCPU、RAM、ストレージなどIaaS型のクラウドサービスとして提供されるため、利用状況に応じた従量課金です。

Windows365は、料金プランと利用者数により請求金額の予測が立てやすいですが、利用者数毎に課金されます。AVDは従量課金であるため請求金額の予測が立てにくく、コストが高くなるおそれもあります。しかし、上手く運用すればコストの最適化も可能です。

3.3 カスタマイズ性の違い

Windows365は、クラウドPCとして提供されます。そのため、利用開始のプロセスが大変容易であり、クラウドPCのコンセプト通り、手軽に利用を開始できます。また、サービスで定められた範囲内の使用であれば、運用コストもほぼ発生しません。しかし、詳細チューニングや管理を行いたい場合は不向きです。

AVDは、Azureクラウドサービスのリソースを利用できます。扱うためには一定のITスキルが必要ですが、ネットワークの最適化、イメージの管理、アプリケーションの展開、バックアップなどを考慮すると、カスタマイズ性はAVDが優位と言えるでしょう。

3.4 Windows365、AVDに向いている環境

ここまで解説したWindows365とAVDの違いを踏まえ、それぞれに向いている環境を整理しました。

Windows365 Business

  • 300人未満の環境で手軽に仮想デスクトップサービスを利用したい
  • AzureADのみで運用している

Windows365 Enterprise

  • 300人以上の環境で仮想デスクトップサービスを利用したい
  • 自社内でActive Directoryを運用しており、クラウド環境との連携が必要

AVD

  • 自社でカスタマイズした仮想デスクトップサービスを利用したい
  • 自社で運用を行いコストパフォーマンスの最適化を行いたい
  • セキュリティを考慮し完全閉域接続で利用したい

4. まとめ

本記事では、Windows365とAVDのサービスを比較し、それぞれに適した環境について紹介しました。

Windows365はクラウドPCとして位置付けられ、手軽に仮想デスクトップサービスを始められるというコンセプトに基づいています。AVDも同じく仮想デスクトップサービスですが、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)というクラウドサービスにより基盤を提供するという点が、Windows365との根本的な違いと言えるでしょう。

近年、働き方改革やテレワークの普及、デバイスの多様化に伴い、様々な仮想デスクトップサービスが登場しています。今回ご紹介したWindows365とAVDは、Microsoft365など既存のMicrosoftサービスと高い親和性があり、既にMicrosoft製品・サービスを利用中であれば、業務効率化や生産性の向上が期待できます。ぜひ専門家の支援を受けながら、導入を検討してみてください。

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