Azure Managed Service Column ＜Azure運用コラム＞Azure Native New Relic Serviceとは？フルスタックの可観測性を実現

アプリケーションのパフォーマンスを最適化する Azure の可観測性ソリューション、Azure Native New Relic Serviceの概要とメリット、利用方法について解説

アプリケーションを安定稼働させるには、監視・診断・トラブルシューティングを行い、パフォーマンスを最適化する必要があります。

Azure Native New Relic Service とは、フルスタックのクラウド観測性とアプリケーションのパフォーマンス監視を Azure 上で迅速かつ効率的に設定できるサービスです。

本記事では、2023 年 2 月に Microsoft からパブリックプレビューとして公開された Azure Native New Relic Service の概要やメリット、利用方法について詳しく解説します。

1. Azure Native New Relic Serviceとは

まず、 New Relic と Azure Native New Relic Service の概要について解説します。

New Relicとは

New Relic は、アプリケーションの監視・診断・トラブルシューティングを支援し、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するための情報を提供するフルスタックの可観測性プラットフォームです。

高度なデータ分析と視覚化により、企業がより良いユーザーエクスペリエンスを提供できるようにサポートします。

Azure Native New Relic Service とは

Azure Native New Relic Service は、 New Relic とAzure プラットフォームを組み合わせて Azure サービスとアプリケーションの監視、トラブルシューティング、最適化が行えるサービスです。 2023 年 2 月にパブリックプレビューが公開され、注目を集めています。

Azure Native New Relic Service を利用すると、クラウドアプリケーションのリアルタイム監視やトラブルシューティングが可能になり、メトリクス、トレース、ログが提供されます。

Azure プラットフォームのログと Azure Monitor メトリックを統合して New Relic に送信することで可観測性が向上し、Azure Portal 内のリソース制御やパフォーマンス問題の特定に役立ちます。

Azure Native New Relic Service の機能

Azure Native New Relic Service は、具体的に次のような機能を提供します。

• Azure 上で New Relic をネイティブに統合されたサービスとして簡単にオンボードして使用できる。
• New Relic を含め、Azure で使用するすべてのリソースに対する単一の請求書を取得する。
• New Relic のサブスクリプションアクティビティとリソースログを自動的に監視する。
• New Relic を使用して Azure メトリックを自動的に監視する。
• 単一のエクスペリエンスを使用し、仮想マシンとアプリサービスに New Relic エージェントをインストールおよびアンインストールする。

2. Azure Native New Relic Service のメリット

では、 Azure Native New Relic Service の具体的なメリットについて解説します。

スケーラビリティ

Azure Native New Relic Service は Azure 上で New Relic プラットフォームが機能し、収集したデータを Azure に保存します。ユーザーは Azure プラットフォームのスケーラビリティ、信頼性、セキュリティの恩恵を受けることができます。

継続的なパフォーマンス監視・最適化

Azure Native New Relic Service は、アプリケーションのパフォーマンスを継続的に監視し、異常な動作やボトルネックを早期に検出します。これにより、アプリケーションの可用性やユーザーエクスペリエンスの向上が期待されます。

また、収集したデータを分析することでリソースの最適な利用やボトルネックの解消に向けたインサイトや推奨事項を提供し、パフォーマンスを最適化します。

カスタマイズと可視化

Azure Native New Relic Service は、ダッシュボードやレポートのカスタマイズ機能を提供します。ユーザーは特定のニーズに合わせて監視設定を調整して可視化することが可能です。

また、アラートや通知機能を活用することで、重要なイベントや異常状態に対する迅速な対応が可能になります。

クラウド戦略のサポート

クラウド導入・移行の際には、ワークロードがオンプレミスとクラウドに分散する可能性があります。

自社の目標を達成するには、どのような方法を選択すべきか決定しなければなりません。そのためにはサービスのパフォーマンスを理解する必要があり、Azure Native New Relic Service は企業の意思決定を導く可観測性ソリューションとしても役立ちます。

3. Azure Native New Relic Service の利用方法

Azure Native New Relic Service の利用方法について解説します。

New Relic リソースの作成

まずは Azure portal から New Relic リソースを作成します。

1. Azure portal にアクセスし、サインインします。

2. 「 Marketplace 」と検索し、 [ Azure Marketplace ] へアクセスします。さらに「new relic」と検索し、Azure Native New Relic Service の結果を選択します。

3. Azure Native New Relic Service のページで [ Subscribe ] を選択します。

＜New Relic リソースオプションの設定画面＞

図版出典：Microsoft公式サイト

メトリックとログの構成

次に、[ Metrics and Logs ] タブでメトリックとログを構成します。 New Relic リソースを作成する際は、メトリックの監視と自動ログ転送を設定できます。

1. Azure リソースのプラットフォーム メトリックの監視を設定するには、 [Enable metrics collection] を選択します。

2. サブスクリプション レベルのログを New Relic に送信する際は、[Subscription activity logs] を選択します。

3. Azure リソースログを New Relic に送信する際は、サポートされているすべてのリソースの種類に対して [Azure リソース ログ] を選択します。

＜Azure リソースログの設定画面＞

図版出典：Microsoft公式サイト

4. [確認と作成]タブで設定を確認して検証を行います。検証に成功したメッセージが表示されたら[作成] を選択するとリソースの作成が開始されます。

4. まとめ

Azure Native New Relic Service とは、 アプリケーションの監視・診断・トラブルシューティングを支援するプラットフォームである New Relic と Azure プラットフォームを組み合わせたサービスです。クラウドアプリケーションのリアルタイム監視やトラブルシューティングが可能になり、問題の特定や最適化に役立ちます。

Azure Native New Relic Service はクラウドならではのスケーラビリティやカスタマイズ性が大きな魅力です。ぜひプレビュー期間中に実際に触れて、導入を検討してみてください。

Microsoft Azureを利用したシステムの設計・構築を代行します。お客様のご要件を実現する構成をご提案・実装いたします。

Tag： Azure Native New Relic Service

• 

  Azure Chaos Studioとは？クラウドでシステムの耐障害性や回復性を向上させる方法を解説

• 

  Azure Mapsとは？Azureにおける地理情報サービスの概要と利用シーンについて詳しく解説