Category: 入門編
2023.08.04
目次
デジタル化の進展によるコミュニケーションの変化とは?Azureでの実現方法を解説
デジタル化が急速に進展する中で、ビジネス環境は劇的に変化しています。特に働き方改革やコロナ禍の影響を受けて、リモートワークやオンラインでの対話が新たな標準となっています。
こうした状況において、効率的なコミュニケーションと柔軟な対応が求められるようになりました。マイクロソフトが Azure 上で提供する Azure Communication Services は、まさにこのニーズに応えるためのソリューションです。
本記事では、 Azure Communication Services の概要と主な機能、代表的な利用シーンについて解説します。
1. Azure Communication Servicesとは
デジタル化の進展により、ビジネスにおけるコミュニケーションの在り方も大きく変わっています。まず、 Azure Communication Services とはどのようなものか、サービスの概要と料金体系について解説します。
Azure Communication Servicesの概要
図版出典:Microsoft公式サイト
Azure Communication Services は、マイクロソフトのクラウド、 Microsoft Azure が提供する統合通信プラットフォームです。作成したアプリケーションに、リアルタイム通信機能を組み込むことにより、さまざまなコミュニケーションを可能とします。
Azure Communication Services では下記の通信方式がサポートされています。
- 音声およびビデオによる通話
- リッチテキストチャット/li>
- SMS/li>
- 電子メール
Azure Communication Services により、このようなリアルタイム通信を API と SDK を介してアプリケーションに組み込むことができます。
また、 Microsoft Teams との相互運用性も大きな特長です。この機能により、 Microsoft Teams のユーザーと簡単にコミュニケーションをとることができます。さらに、開発者は、翻訳、感情分析などのためにAzure Cognitive Servicesのような他のAzureサービスを利用することも可能です。
Azure Communication Services は、 Microsoft Azure の堅牢なセキュリティとプライバシーの基準により、効率的かつ安全なコミュニケーションを実現します。
Azure Communication Servicesの料金体系
Azure Communication Services の料金体系は、利用する機能やリソースに応じて異なる体系となっています。電話番号のリース、通話時間、通話のレコーディング時間、チャットやSMS、メールの送信数などによって課金される従量課金制が主となります。
Azure Communication Services の料金体系の詳細は公式サイト(※1)を参照してください。
- ※1 参考記事:
- Azure Communication Servicesの価格
2. Azure Communication Servicesの主な機能
Azure Communication Services はさまざまな形式のコミュニケーション機能を提供します。ここでは、 Azure Communication Services が提供する主な機能(サービス)について解説します。
- 音声及びビデオ通話
- チャット
- SMS メッセージング
- 電子メール
これらの機能は、 Microsoft Teams との相互運用性を持つため、 Azure Communication Services を利用することで、広く利用されている Microsoft Teams のユーザーと容易に通信することが可能です。
音声及びビデオ通話
1 対 1 またはグループでのリアルタイムの音声およびビデオ通話の機能を提供します。この機能により、ユーザーはどこからでも自身のデバイスを通じて音声またはビデオを使った視覚的に対話を行うことができます。
チャット
チャットによりリアルタイムのメッセージング機能を提供します。このチャット機能は、ユーザーはテキストメッセージを送受信するだけでなく、画像、動画、ファイルなどのリッチコンテンツの送受信も可能です。
また、 1 対 1 のチャットから大人数によるグループチャットへの対応や、リアルタイムのタイピング通知や既読状態の管理など、様々な形式の会話のサポートと、ユーザー体験を向上させるための機能も提供しています。
SMSメッセージング
SMSメッセージング機能は、世界中のモバイルデバイスに対して SMS メッセージを送信する機能です。開発者は SMS SDK を使用してアプリケーションから直接デバイスに対してSMSメッセージを送信するコードを記述することが可能です。
1 対 1 だけでなく、一度に複数の受信者に対する一括メッセージング機能や、双方向の送受信もサポートしており、メッセージの配信レポートを備えた信頼性の高い配信も可能です。
電子メール
Azure Communication Services は、電子メール用の SDK を提供しています。この SDK を利用することで、メール機能をアプリケーションに組み込むことが可能となります。
これまで、 Azure VM 上にメールサーバーを構築することは非推奨かつサポート対象外となっていました。そのため、 Azure 上に構築したシステムからメールを送信したい場合は、 Exchange Online や SendGrid のような外部サービスの利用が推奨(※2)されていました。
Azure Communication Services がメール機能をサポートしたことで、 Azure から直接メールを送信することができるようになったことは大きなメリットであると言えます。
3. Azure Communication Services の代表的な利用シーン
Azure Communication Services は、具体的にどのような利用シーンが想定できるのでしょうか。最後に、 Azure Communication Services の代表的な利用シーンについて解説します。
企業-消費者間 (B2C)の利用シーン
企業と消費者間( B2C )における主な利用シーンには下記があります。
- カスタマーサポート
- リモート医療
- E コマースの通知
カスタマーサポート
図版出典:Microsoft公式サイト
Web サイトやアプリ内でリアルタイムのチャットサポートを提供します。顧客はチャットを通じて直接問題の解決や、サポートチケットを作成することが可能です。また、従業員が Microsoft Teams に習熟している場合は、 Teams のリモート会議によるビデオ通話も可能です。
リモート医療
Azure Communication Services は、リモート医療にも活用できます。医療提供者と患者間のビデオ通話を通じたリモート診療を実施することで、遠隔地に住む患者や、感染秒の拡大を防ぐために直接通院することが困難な患者に有用です。また、チャット機能を通じて、医師と患者間の症状のフォローアップを行い、医療指導を実施することも可能です。
Eコマースの通知
Azure Communication Service は E コマースの通知機能として活用することもできます。新製品のリリース、セール情報、配送状況など、重要な通知を顧客に対して SMS やアプリ内通知を通じて行うことが可能です。Azure Communication Services を使用することで、 E コマースの通知はより効果的でパーソナライズされたものになります。これにより、顧客体験の向上や売上の増加に寄与することが期待できます。
個人-個人間 (C2C)の利用シーン
Azure Communication Servicesは個人と個人間( C2C )においても活用できます。 C2Cにおける主な利用シーンには下記があります。
- SNS
- マーケットプレイスのコミュニケーション
SNS
Azure Communication Service を SNS におけるコミュニケーション機能として活用することができます。 SNS のユーザー同士が、直接音声やビデオ通話、またはチャット機能でコミュニケーションを取り合うことが可能です。
マーケットプレイスのコミュニケーション
Web 上のマーケットプレイスにおけるコミュニケーションにも活用できます。買い手と売り手が商品について直接チャットやビデオ通話でやり取りすることが可能となります。ユーザー間のコミュニケーションを円滑にし、サービスの満足度を向上させることが期待できます。
4. まとめ
本記事では、 Azure Communication Services の概要、主な機能、代表的な利用シーンについて解説しました。 Azure Communication Services を活用することで、さまざまな利用シーンで活用できるコミュニケーション機能を簡単に構築することができます。ぜひ専門家の支援を受けながら導入を検討してみてください。
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