Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

Azureとは?サービスの特徴や料金、他クラウドとの違いを解説!

Category: 入門編

2020.10.09

はじめに

Microsoft社のAzureは、シェアを急激に拡大しており、後発のサービスながらトップのAWSを猛追しているサービスです。それだけにAzureのサービス内容や特徴について気になっている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、Azureの概要・特徴・料金を紹介したのちに、AWS・GCPとの違いについて解説します。

1. Microsoft Azure(アジュール)とは?

Microsoft Azureは、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスの総称です。現在、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Services)や、Googleが提供するGCP(Google Cloud Platform)など、様々なクラウドサービスが存在していますが、Microsoft Azureもそれらと同様のクラウドサービスです。

まずは、業界内での立ち位置や具体的なサービス内容について見ていきましょう。

1-1. Azureはシェアを大きく伸ばしているサービス

Azureの正式運用スタートは2010年1月であり、2006年からサービスを運用しているAWSと比較すると後発のサービスという位置づけです。現状、業界でのシェアにおいてもAWSに後れを取っている状況ではありますが、伸び率はAWSが36.0%であるのに対してAzureは63.9%です。

2020年現在では、まだAWSがシェアを圧倒していますが、今後企業のクラウド利用がますます高まることを考えれば、パワーバランスが大きく変化する可能性も考えられます。

1-2. Azureは既存プラットフォームでの存在感が強み

Azureはクラウドサービスの分野でも非常に強い存在感を示しています。その要因として、世界各所に多くのサーバーを設置するといったハード面での強みの他に、既存のPC環境の構築において強い存在感を示していることが挙げられます。

改めて言及するまでもなく、マイクロソフト社はWindowsやOfficeなどを通じて既存システムにおいて他を圧倒しています。Azureは、これらの技術に基づいた連携の良さや企業とのつながりを活かして、クラウドサービスの分野でも存在感を高めているという状況です。

Azureで構築可能なサービスとしてはIaaS(クラウド上でインフラの構築が可能なサービス)とPaaS(クラウド上でプラットフォームの構築が可能なサービス)の二種類があります。

1-3. Azureの主なサービス

Microsoft Azureでは様々なサービスが提供されていますが、そのなかでも代表的なサービスを紹介します。

1-3-1. サーバー、コンピューティング系

Azure Virtual Machines

Azure上に仮想サーバーを構築できるサービスです。数クリックの操作と、数分のリードタイムで、LinuxやWindowsの仮想マシンを作成することができます。

あわせて読む:Azure Virtual Machinesとは?初心者向けに概要とメリット、機能について解説

Azure Kubernetes Service

Azure上にKubernetesとよばれる、コンテナの管理システムを構築できるサービスです。

1-3-2. ネットワーク系

Azure Virtual Network(Azure VNet)

AzureのVMがインターネットやAzure上の他の仮想マシン、既存の自社サーバーと安全に接続するためのネットワークを構築できます。

あわせて読む:Azureの仮想ネットワークAzure VNetとは?通信方法や料金などを解説

Application Gateway

ネットワークの負荷分散機能を提供するサービスです。インターネットからAzure上に構築したアプリケーションへのアクセスを分散し、サーバーへの負荷を軽減することで、アプリケーションの安定稼働に貢献します。また、障害の防止や冗長構成のシステムを簡単に構築できます。

1-3-3. ストレージ系

Azure Blob Storage

様々なデータを配置しておけるオブジェクトストレージサービスです。アプリケーションのログファイルから、映像・画像といったデータまで、様々なデータを大量に扱うことができるようになります。また、Webアプリケーションコンテンツを配置してWebサーバーの代わりにすることも可能です。

あわせて読む:Azure Blobストレージとは?利用方法や他社ストレージサービスとの違いを解説

Azure File Storage

ファイルサーバーのように利用できるストレージサービスです。

あわせて読む:Azure Filesの機能を解説

1-3-4. データベース系

Azure SQL Database

Microsoft SQL Serverがエンジンとなっているデータベースサービスです。PaaS(Platform as a Service)という形式で、通常のデータベースよりも運用が楽になっています。簡単に冗長構成を組む、データをバックアップする、といったことが可能です。

あわせて読む:Azure SQL DatabaseとSQL Serverの違いは?料金やバックアップについても解説

Azure Cosmos DB

世界中のデータセンター(リージョン)にデータベースを水平に分散させ、データを瞬時に同期できます。高可用性の実現や、世界中の利用者からの低遅延のアクセスが実現できます。

1-3-5. Web・モバイルアプリ系

Azure App Service

こちらもPaaSの形態で利用できるサービスで、さまざまなWebアプリケーションを簡単に立ち上げることができます。

Azure Mobile Apps

モバイルアプリの開発・運用管理をより簡単にする環境を提供します。

1-3-6. その他

Azure Synapse Analytics

Azureのビッグデータ分析サービスです。データをためておくデータウェアハウス、ビッグデータ分析、データ管理・データ統合などが可能です。このサービスを使うことで、ペタバイトクラスの大規模なデータでも高速に分析ができます。

Azure Machine Learning

複雑な機械学習で利用するモデルを簡単に構築できるサービスです。構築したモデルの改善といった、運用面の機能も備わっており、モデルの改善も容易になっています。

2. Azureの3つの特徴

Azureのサービスが、どのようなサービスであるのかといった全体像を理解するために、Azureの特徴を理解していきましょう。

2-1. 強靭なネットワーク

Azureは、高性能なコンピューターを多くのデータセンターに構築することで強靭なネットワークを構築しています。
Azureのコンピューターは、スパコンランキングTOP500にもランクインするほどの高性能です。また2019年には、AIの開発団体であるOPEN AIと、スパコンランキング5位に入る性能のコンピューターを共同開発しており「Build」にてサービス提供しています。

データセンターの数については、2021年5月時点で、世界60か所以上にデータセンターを構築し、世界のユーザーに安全かつ迅速にサービスを提供しています。

2-2. オンプレミス(自社設置のサーバー)との連携が可能

Azureでは、オンプレミス(自社設置型のサーバー)との連携が可能である点も大きな特徴の一つです。オンプレミスとの連携は、AWSやGCPなどのクラウドサービスでも可能ですが、WindowsやOfficeのメーカーであるMicrosoftは、プラットフォームの構築という点で、より強みを発揮します。

2-3. 高セキュアな環境

Azureは、高いセキュリティを保つために、さまざまな取り組みをおこなっています。

  • 安全な土台をつくるため、世界で3,500名のセキュリティ専門家がAzureのデータセンターやインフラ設備に対してセキュリティ対策を構築。
  • ID管理やアクセス権限の設定、ネットワークのセキュリティ保護など、セキュリティ保護に関連するサービスをAzure内にて提供。
  • 膨大なデータ(180億件のBingWebページ、4,000億件のメール、10億件のWindowsデバイス更新など)の分析により、最新のセキュリティリスクを分析し、脅威を迅速に発見。

これらの対策により、高いセキュリティを求める多くの企業でも、Azureが利用されています。

3. Azureの料金について

ここでは、Microsoft Azureがどのような料金体系なのか、またどのように見積もりを行えばいいのか、具体的に説明します。

3-1. 料金体系について

Azureは、AWSなどと同様に従量課金となっています。具体的な課金対象については以下の通りです。

  • サーバーの起動時間など、サービスを利用した時間に対する課金
  • データをAzureから外部に送信する際にかかる課金。外部からAzureへデータを送る場合は課金されません。
  • 容量に対する課金。ストレージサービスなどは、保存しているデータ容量に対して課金されます。
そのほか、サービスの中には固定で費用がかかるサービスもあります。

3-2. 見積もり方法

従量課金制度であるため、正確な利用料金を事前に把握しておくことは難しいですが、Azure側で公式に提供しているツール( https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/ )を利用して、概算料金の見積もりを出すことは可能です。具体的には、事前に以下のことを決めておくとよいでしょう。

  • システム構成。サーバーの台数や、スペック等を含めると、比較的正確な概算料金を算出することができます。
  • サービスの起動時間。サービスの利用時間に課金されるため、サーバーなどの起動時間が1時間なのか、24時間なのか、決めておくとよいでしょう。

ただし、はじめは入力すべき数値や用語等、難しい場合もあると思うので、詳しいベンダー等に依頼するという方法もあります。

3-3. 使いすぎを防ぐためには?料金に関するTipsも紹介

Azure Cost Managementを利用して、一定の金額に達したらアラートを通知するように設定したり、費用の内訳を分析したりすることも可能です。また、Azureは日本円での料金設定も可能です。料金設定そのものが日本円でされているため、為替レートの影響や為替手数料を受けることはありません。

4. AWSやGCPとの違い・比較

AWS/Azure/GCPの違い・比較
AWS/Azure/GCPの違い・比較

Azureは、AWSやGCPとはどのような違いがあるのでしょうか?
それぞれの特徴について簡単に紹介したうえで、比較のポイントを紹介します。

4-1. AWSとの比較

AWSは、長い歴史を持つ業界トップのクラウドサービスです。AWSは、提供するサービスの種類が豊富であり、中でもフロントエンドのサービスが多彩であるという特徴を持っています。AWSもAzureも調査会社ガートナー社が毎年発表しているマジック・クアドラント(クラウドサービスの性能を評価した指標)において「リーダーシップ」を取得していることもあり、両サービスとも甲乙付けがたいという状況です。

違いをあげるとすれば、AWSはITシステムの構築におけるほとんどすべての機能を提供しています。具体的には、基本的な仮想マシンから、人工衛星・5G通信・量子コンピューターまで、幅広いサービスがあります。
一方Azureは、幅広いサービスを提供しながらも、Windowsの端末やOffice製品(Microsoft WordやPowerPointなど)との連携が非常に行いやすくなっているのが特徴です。また、マイクロソフト社が提供しているデータベースであるWindowsサーバーとも相性が良く、Windowsサーバーで稼働している業務システム環境をクラウドに移す場合もAzureを選ぶと良いでしょう。

その他、AzureがAWSより優れている点としては、決済手段の多様性です。AWSはドル(方法によっては日本円の支払いも可能ですが、少々手間がかかります)による支払いですが、Azureは日本円による支払いはもちろん、世界の24の通貨から支払通貨を選択できるようになっています。サービスの多様性を重視する場合や、Azureにはないサービス(量子コンピュータなど)を利用したい場合は、AWSを使うとよいでしょう。

したがって、プラットフォームとして既存システム、社内のシステムインフラとの連携や移行を重視する場合はAzureを利用するとよいでしょう。ニーズや現状の課題を踏まえてどちらが自社に適しているのかを検討するのがおすすめです。

4-2. GCPとの比較

GCPの大きな特徴としては、次の二点です。

  • Googleなどのデータや技術を活用したデータ解析や機械学習の機能に優れていること
  • コストパフォーマンスに優れていること

AzureとGCPに関しても、サービス機能の大半はほぼ同等であるため(ただし、厳密に機能の水準が等しいというわけではありません)、自社の用途やニーズから両者を比較検討、もしくは併用を検討することができます。

ただし、強いて言うのであれば、Azureの場合は準拠法・裁判所が日本法・東京地裁となっているのに対し、GCPの場合は準拠法・裁判所いずれも米国に限られています。特殊な法律要件があり、日本法に準拠しておく必要がある業務のシステム化を行う場合は、Azureを選択したほうがよいでしょう

反対にビッグデータ解析などのAIの活用やまずは手軽にクラウドを利用してみたいという場合はGCPがおすすめです。

5. おわりに

この記事では、Azureの機能の概要について紹介しました。Azureは比較的、後発のクラウドサービスですが、既に10年以上の実績を持ち着実にシェアを伸ばし続けています。 特に、オンプレミスやマイクロソフト製品との連携の強さを活かしたプラットフォーム関連のサービスにAzureの強みがあります。

Azureの強みを業務に活用したい場合、無料で試験的に利用できる無料枠もあるので、まずはどのようにシステムを構築するべきかを考えたうえで、気軽に運用スタートされてみてはいかがでしょうか?

Tag: AWS/Azure/GCP比較

Contactお問い合わせ

お見積もり・ご相談など、お気軽にお問い合わせください。

single.php