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クラウド活用を積極的に進め、時代に取り残されない方法
DX や業務効率化を進めるうえで、クラウド活用は多くの企業にとって重要な取り組みです。クラウドを適切に活用することで、コスト削減や生産性向上など、さまざまな効果が期待できます。
一方で「どのようにクラウドを活用すればよいかわからない」と悩む企業も少なくありません。
本記事では、クラウド活用の重要性や代表的な活用方法などを解説します。代表的なクラウドサービスである Azure を例に、その機能を踏まえた実践ポイントも紹介します。
1. なぜクラウド活用が今、重要なのか
企業が事業拡大や新規展開を進めるうえで、クラウド活用は必要不可欠な取り組みです。クラウド活用の重要性と、DXや業務改善における役割を解説します。
クラウド活用の意義と背景
ビジネス環境の変化が加速するなか、企業には柔軟かつ迅速な IT 対応が求められています。それに応えるには、構築負荷や初期投資が大きく、需要変動に追従しづらいオンプレミスでは限界があります。
クラウドは、初期投資を抑えつつ、必要な分だけを利用できる従量課金モデルです。スピードとコストの両面で優位性があり、IT リソースを必要に応じて柔軟に調達できます。高い可用性やスケーラビリティを備えているため、障害・災害対策としても有効です。
DXや業務改善におけるクラウドの役割
クラウドは、 DX (デジタルトランスフォーメーション)の基盤として重要な役割を果たします。データの一元管理やリアルタイム分析、 AI ・機械学習の活用など、デジタル技術を活かした業務改善には、高度な IT インフラが不可欠です。
クラウドを活用すれば、部門や拠点をまたいだデータ連携が容易となり、業務全体の最適化を図れます。
2. クラウド活用の代表的なユースケース
クラウドは、多様な業務課題に対応する実践的な手段として活用が進んでいます。以下に代表的なユースケースを紹介します。
業務効率化
クラウドは、 IaaS ・ PaaS ・ SaaS といった利用形態を柔軟に選択可能です。多くの企業では、自社の目的に応じて適切なサービスを選定し、運用負荷を抑えながら、必要な範囲のシステムを迅速に開発しています。
特に SaaS は、クラウドプロバイダーが提供するアプリケーションをそのまま活用できるため、定型業務を効率化する手段として広く普及しています。
働き方の柔軟化
クラウド環境を活用すれば、社内システムへリモートでアクセスできます。
これにより、在宅勤務や外出先での業務が可能となり、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が実現しています。人材確保や生産性向上にもつながるでしょう。
データ活用と意思決定支援
クラウドに蓄積されたデータは、 BI や AI ツールと連携することで可視化・分析が容易となります。これにより、営業や経営において、迅速かつ的確な意思決定を実現可能です。
事業継続性の強化
災害時の備えとして、待機系環境やバックアップデータをクラウド上に保持し、障害発生時には迅速にサービスを復旧できる仕組みを構築する企業が増えています。
バックアップや災害復旧の自動化により、復旧作業にかかる人的負荷も抑えられます。
3. クラウド活用の進め方
クラウドは柔軟性と即時性に優れた技術基盤である一方、導入や運用にあたっては明確な方針と体制の構築が不可欠です。
社内のステークホルダーとの連携や、ガバナンス・人材面での準備も含めた包括的な進め方が求められます。
ステークホルダーと役割分担
クラウド活用は情報システム部門だけで完結するものではなく、業務部門や経営層なども関与する全社的な取り組みです。
業務部門は自部門の要件整理や運用イメージの明確化を担い、経営層は方針決定や予算承認を行います。情報システム部門は、技術的な安全性やコスト、拡張性の観点から全体最適を設計します。
関係者間で役割と責任を明確に定め、早期から合意形成を図ることが、プロジェクト成功の鍵です。
スキル・人材の確保
クラウドは設計思想や運用手法がオンプレミスとは異なるため、専門スキルを持つ人材の確保が欠かせません。
クラウドネイティブな技術に対応できるよう、勉強会やハンズオン研修を実施するなど、社内での人材育成やリスキリングが重要です。
一方、短期間での立ち上げや運用体制の整備が難しい場合は、外部ベンダーに委託することで、初期段階の技術支援や運用負荷の軽減が可能です。
ガバナンスとルール整備
クラウドは容易に利用を開始できる一方で、ガバナンスが不十分なまま拡大すると、コストの増大やセキュリティリスクを招くおそれがあります。
そのため、利用ポリシーや命名規則、リソース管理、アクセス制御、ログ監査などについて、あらかじめ明文化されたルールを整備しておく必要があります。
また、部門ごとの無秩序なクラウド利用を防ぐためにも、ガイドラインと運用フローを整備し、定期的に見直しを行うことが重要です。
4. クラウド活用を最大化するための実践ポイント
クラウド活用を単なるインフラ移行で終わらせず、活用価値の最大化につなげるためには、各種サービスを適切に組み合わせた実践的な活用が欠かせません。
ここでは、 Azure を前提とした活用ポイントを 3 つの視点から紹介します。
SaaS/PaaSの組み合わせ活用
SaaS / PaaS の組み合わせにより、既存の業務フローやオンプレミス環境のシステムとのデータ連携を補完・拡張できます。例えば、 Dynamics 365 ( SaaS ) で営業・顧客管理業務を標準化し、 PaaS の Azure Logic Apps や Azure Functions で社内システムとのデータ連携や業務自動化を図るといった活用が可能です。
SaaS と PaaS を組み合わせる際は、多くの場合 API 連携が必要となります。そのため、連携方式の設計とセキュリティ管理を適切に行うことが重要です。
コスト最適化の実践
Azure のサービスは基本的に従量課金制であるため、リソースの使い過ぎや処理の無駄が積み重なることで、想定以上にコストが膨らむリスクがあります。そのため、利用状況を可視化し、早い段階で無駄を発見・解消する仕組みづくりが欠かせません。
Microsoft Cost Management を活用することで、リアルタイムのコスト把握や分析、課金状況の確認が可能となります。さらに、予算を事前に設定しておけば、異常なコストが発生した際にアラート通知を受け取れるため、想定外の請求を未然に防げるでしょう。
コスト最適化のポイントは、リソースの利用状況を定期的にチェックすることです。加えて、リソースの自動最適化を行うことで、効率的なコスト管理を実現できます。
運用改善と自動化
クラウド環境の運用継続性と効率化を高めるためには、自動化と監視の仕組みが不可欠です。
Azure Monitor を活用すると、システム全体の稼働状況やパフォーマンスを可視化し、異常をいち早く検知してアラートを通知できます。これにより、障害発生時の迅速な対応が可能です。
また、 Azure Automation を利用すれば、ルーティンで発生する運用タスクや定期的なバッチ処理を自動実行できます。人手による操作を減らすことで、運用負荷を軽減しつつ、人的エラーを最小化できます。
自動化を導入する際は、まず目的を明確化し、KPIを設定することが重要です。すべてを一度に自動化するのではなく、優先度の高い領域から段階的に進めると効果を実感しやすくなります。さらに、導入前にテストと検証を行い、正常に動作することを確認してから本番環境に適用します。
5. まとめ
本記事では、クラウド活用の重要性や代表的なユースケース、進め方について解説しました。
クラウド活用は、単なるインフラ移行にとどまらず、業務効率化、柔軟な働き方の実現、データの利活用や事業継続性の強化を実現するうえで重要な役割を果たします。
クラウド活用を最大化するためには、適切なサービスの組み合わせやコスト管理、自動化の実践が重要であり、 Azure ではそれらを支援するためのサービスが豊富に存在します。
弊社では、 Azure 導入支援サービスを提供しており、専門的なサポートも可能です。お気軽にご相談ください。
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