Azure Managed Service Column <Azure運用コラム>

リホストとは?リホストのメリットとデメリット、移行ステップについて詳しく解説

Category: 入門編

2025.11.25

リホストを正しく理解してスムーズなクラウドへの移行を実現しよう

リホストとは、既存のアプリケーションやシステムを大きく改修せずにクラウドへ移行する手法で、リフトアンドシフト( Lift and Shift )とも呼ばれます。クラウド移行のなかでも、短期間かつ低コストで実施できる点がメリットです。

クラウド移行にはこのほか、システムの一部をクラウド向けに最適化する「リプラットフォーム」や、アプリケーションの構造をクラウドネイティブに再設計する「リファクタリング」などの手法もあります。

本記事ではリホストの概要やほかの移行手法との違い、メリット・デメリット、そして具体的な進め方について、 Azure のサービスを紹介しながら解説します。

1. リホストとは何か

リホストとは、既存のアプリケーションやシステムをほぼ改修せずに、そのままクラウドに移行する手法です。サーバーや仮想マシンをクラウド上に移行して稼働させるイメージで、アプリケーションのコードやアーキテクチャは基本的に変更しません。

リホストは別名「リフトアンドシフト( Lift and Shift )」 とも呼ばれ、オンプレミス環境からシステムを「持ち上げ」( Lift )、それをクラウドへ「移す」( Shift )ことを指します。

2. リホストとほかの移行手法の比較

クラウドへ移行する手法には、リホストのほかにリプラットフォームやリファクタリングといった手法があります。

リプラットフォームとの違い

リホストがアプリケーションやミドルウェアを改修せず、そのままクラウドへ移行するのに対して、リプラットフォームは一部最適化を行い、クラウド環境に適応させる方式です。別の言い方をすると、アプリケーションを大きく変更せず、一部をクラウド向けに調整する手法ともいえます。

リファクタリングとの違い

リファクタリングは、アプリケーションの設計やコードを大幅に見直し、クラウドネイティブ向けに作り直すアプローチです。リホストが既存のプログラムやアーキテクチャをそのまま移行するのに対し、リファクタリングはクラウドに適したシステムに作り直すことといえます。

そのほか「リアーキテクト」「リパーチェス」といった移行方式も存在します。移行方式の一覧は以下の記事を参照ください。

※参考:移行計画書とは?必要な項目とAzure移行に向けた準備ステップ

3. リホストのメリットとデメリット

ここでは、リホストのメリットとデメリットを解説します。

メリット

リホストの主なメリットは以下のとおりです。

比較的短期間・低コストで移行できる

リホストは、アプリケーションの構造を大きく変えずにそのままクラウド上に移行するため、再設計やコード修正の手間が最小限で済みます。これにより、導入コストや時間を抑えられます。

リスクが比較的小さい

既存のアーキテクチャ、アプリケーションを維持したままクラウドへ移すため、動作不具合や予期せぬ障害リスクが少なく、安定的にシステムを移行できます。また、既存の運用ノウハウを活かせるため、運用に必要な学習コストが比較的低い点もメリットです。

基本的なクラウド基盤をそのまま利用できる

クラウドのスケーラビリティや可用性、バックアップ機能、運用監視などの基盤機能を活用でき、運用負荷を大幅に軽減できます。特に、災害対策や事業継続計画の観点で恩恵があります。

デメリット

リホストの主なデメリットは以下のとおりです。

最新技術をすぐに活用しづらい

リホストではアプリケーションをほぼそのまま移行するため、マイクロサービス化やコンテナ、サーバーレスなど、最新のクラウドネイティブ技術をすぐに活用することが難しいケースがあります。 Azure には Azure Migrate、 Azure Advisor と呼ばれる最適化の仕組みがあり、最新の技術を取り込めるか判断できます。

コストの最適化を後から行う可能性がある

オンプレミス前提の構成をそのまま持ち込んだ場合、クラウドの従量課金モデルに最適化されていないことが多く、移行直後はコストが高止まりするおそれがあります。 Azure では Azure Cost Management と呼ばれるコスト最適化のサービスを活用できます。

クラウド固有の機能を十分に活かせない

アプリケーションを大幅に変更しないリホストでは、 PaaS やマネージドサービス(例: Azure SQL Database 、Azure Functions )の機能を活かしきれないケースがあります。クラウドの強みである自動スケーリングや高効率な運用を十分に享受できない可能性がある点に注意が必要です。

リホストの場合、クラウドの特性を十分に活かすには最適化が必要です。自社の目的やリソースに応じて、段階的な最適化を前提にクラウド移行の計画を立てましょう。

4. リホストのプロセス

リホストは、大きく以下の 6 ステップで実施します。

1. 現行環境の調査・棚卸し

既存環境のサーバー、アプリケーション、ネットワーク構成、依存関係を洗い出し、移行の影響範囲を整理します。 Azure Migrate を利用すれば、サーバー、データベース、アプリケーションを分析し、移行に適しているかを評価できます。

2. 移行対象・優先順位の決定

移行すべきシステムを選定し、ビジネス影響や技術的難易度に応じて優先順位を決めます。システム移行の際には、ビジネス影響の小さいシステムから段階的に進めるのが一般的です。 Azure Migrate にはアセスメント機能があり、コスト試算や依存関係分析にもとづいて移行の優先順位付けを行えます。

3. 移行先クラウドの設計と準備

移行対象の機能要件と非機能要件を満たすクラウドサービスを選定し、クラウド上での構成( VM サイズ、ネットワーク、ストレージ)を設計します。 Azure では、ネットワーク構成には Azure Virtual Network 、データ保存には Azure Storage などを利用でき、要件に応じた柔軟な環境設計が可能です。あわせて移行計画書を作成し、スケジュールやリスク対策を明確にしておく必要があります。

4. 構築と検証

設計に基づいて環境を構築し、アプリケーションの依存関係も含めて必要な機能が正しく動作するかを検証します。同時に移行前のリハーサルも実施し、本番移行時のリスクを最小化することも重要です。 Azure Test Plans を利用すれば、検証状況を効率的に管理し、品質の可視化を図れます。

5. 本番移行の実施

計画に従い、本番環境を Azure へ移行します。この際、システムダウンタイムを最小化しながら、アプリケーションやデータをクラウドへ切り替えることが重要です。 Azure では以下のサービスを利用できます。

  • Azure Site Recovery ( ASR ):本番ワークロードをダウンタイム最小で移行
  • Azure Database Migration Service ( DMS ):データベースの本番移行

6. 移行後の運用・最適化

移行完了後は Azure 上での運用を安定化させ、コスト最適化やパフォーマンス改善を進めます。運用を支援する主な Azure サービスは以下のとおりです。

  • Azure Monitor / Log Analytics :運用監視
  • Azure Cost Management :コスト最適化
  • Azure Advisor :パフォーマンスやセキュリティの改善提案

5. まとめ

リホストとは、既存のアプリケーションやシステムを大きく改修せずに、そのままクラウドへ移行する手法です。比較的短期間・低コストで移行を実現でき、クラウド基盤の機能を活用できる点が主なメリットです。

Rworks 社はクラウド移行に関する豊富な実績と知見があり、リホストによるクラウド移行をきめ細やかに支援します。クラウド移行をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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